継母ができました。弟もできました。弟は父の子ではなくクズ国王の子らしいですが気にしないでください( ´_ゝ`)

第２章 王都にて（前）

第62話 足掻く

「私の答えはそんなとこだね。

エレン嬢、『王族は偉い』のではなく、

王族は『偉くなければならない』と必死で足掻いて、

努力しなければならないんだ。

だからただ王族に産まれただけじゃ、

王族とは言えないと思うんだ。

母上は、元々は王族に産まれたわけじゃなくて、

父上に正妃として嫁いで、

王族になったけど、

毎日必死で足掻いている。

私は毎日その姿を見ていて、

そう思ったんだ。

ユーリ、お前が最近塞ぎこんでいたのは知っていたよ。

私も同じように悩んだ時期があったよ。

そういうとき、人に何か言われても、

どうしようもなかったし、

結局自分で抜け出すしかないと思って、

私は静観しようと思ってた。

今でも自分で抜け出すしかないと思ってるよ。

でもね、ユーリ、お前がどう思おうと、

お前は王族として、

第二皇子として産まれてしまったんだ。

お前が今まで食べてきたものも、

今まで着てきた服も、

お前が生きるために使ってきたものはすべて、

国民から集めた税からできているんだ。

お前が望んだものではなくても、

その事実は変わらないんだ。

お前が悩んだ末に、

どういう答えを出すかはわからないけど、

それだけは忘れるなよ。」

リカルドは和やかな雰囲気で言ったが、

声音は真剣だった。