継母ができました。弟もできました。弟は父の子ではなくクズ国王の子らしいですが気にしないでください( ´_ゝ`)

てん

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第2章 王都にて(前)

第57話 ポロポロ

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ひとしきり『ナマモノ』を食べたエレンは、

口の端に付いたクリームをペロリと舐めると、

「お兄さん、何がそんなに面白いのかわかんないけど、

シュークリームは『ナマモノ』だよ。

クリームを使っているものは『ナマモノ』だよ( ´_ゝ`)キリ」

だって日持ちしないものと、

結構真面目な顔でキリリと言った。

「ブフッ!!!あ、アハハっ、ブフ!!はぁー

ご、ごめんね、

そう、間違ってないんだけど、ブフ!!

なんだかツボに入っちゃって、ブフッ!

ごめんね、悪いんだけどもうな、ナマモノってブフ、

言わないでもらえる?

腹、お腹がちょっと限界、ブフ!」

リカルドは口を押さえて、

笑うのを我慢しながら言った。

「まぁわかってくれるならいいよ( ´_ゝ`)」

リカルドは一応謝罪してくれたので、

エレンは謝罪を受け入れて紅茶を飲んだ。

「あ、あにうえ?ど、どうされたのですか?

い、いつものあにうえじゃないみたいです……」

「あぁ、ユーリ、やっぱりまだ気づいてなかったんだね。

いつもの私が全部嘘とは言わないけど、

どちらかと言うと、こっちが本当の私なんだよ。」

母上は知っているよと付け加えた。

「まぁ、いつもはこんな爆笑はしないけどね。

はぁ、ほんとにちょっとお腹限界。

というか、完全に心折れた。はぁー。」

リカルドは笑いが復活しないように息を深くつくと、

下がっていた侍女を一人呼ぶと、

鍛練場に行って、騎士団長に今日は重要な用事ができたから、

申し訳ないが鍛練場に行けないと伝えるように言った。

「あ、あにうえ、鍛練に行かなくて大丈夫なんですか!?」

ユーリは自分たちのせいで、

兄の予定を狂わせてしまったと、

心配して聞いた。

「ユーリ、大丈夫だよ。

お前と腹を割って話すのは本当に重要なことだからね。」

元々公務が入れば急に鍛練に行けなくなることもしばしばあったし、

鍛練はリカルドのためだけではなく、

リカルドが希望して、

騎士団の鍛練にリカルドが混じらせてもらって、

騎士団長が相手をしてくれるというものなので、

リカルドがいなければ騎士団長は他の騎士の相手をするだけで、

そんなに迷惑をかけないと、

リカルドは説明した。

「むしろ私が混じると、やっぱり皆気を使うみたいでね。

内心来なくてホッとされてるんじゃないかな。」

リカルドは人の悪そうな顔を隠さず言った。

「!?あ、あにうえ!?」

ユーリの中で長年築きあげてきた

『完璧なリカルド兄上像』が音をたてて、

ポロポロ崩れ始めた。
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