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第2章 王都にて(前)
第51話 誰かのために
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「どうしたんだい、ユーリ?
急に大きな声なんかだして」
「あ、あにうえ、質問をする前に、お、お伝えしたいことがあります!」
ユーリは滅多に出さない大きな声で、
リカルドの目をしっかり見ながら言った。
『ユーリと目が合うの久しぶりだな。』
リカルドはいつもとは違うユーリを見て、
ちょっとびっくりしていた。
ユーリは最近自分を含めて家族とも距離をおいていたので、
まともに目があって、話すのは久しぶりだった。
『ふむ。アップルパイ発言でつい怯んでしまったが、
ユーリがいつもとは違うのも、
この風変わりなご令嬢のせいかな?』
リカルドはエレンを『風変わり』で済ませた。
腹黒皇子もまだまだであった。
「ユーリ、何を伝えたいんだい?」
リカルドは取り乱していた侍女たちを安心させるように笑いながら言った。
「あの、エレンは、エレン嬢は、母上の御友人のテオドアール辺境伯の娘さんで、」
『さっき挨拶してもらったし、
そんなことは知っているのに今更なんだ?
というか今エレン嬢を呼び捨てにした?』
結構失礼なことを考えている腹黒兄とは異なり、
ユーリは真剣にリカルドとエレンを心配していた。
リカルドがエレンからさっきのアップルパイみたいに、
精神攻撃を受けることも、
エレンが不敬罪に問われることも防げるのはユーリだけだ。
ユーリは自分のためには頑張れないが、
誰かのためには頑張れる結構いいやつだった。
急に大きな声なんかだして」
「あ、あにうえ、質問をする前に、お、お伝えしたいことがあります!」
ユーリは滅多に出さない大きな声で、
リカルドの目をしっかり見ながら言った。
『ユーリと目が合うの久しぶりだな。』
リカルドはいつもとは違うユーリを見て、
ちょっとびっくりしていた。
ユーリは最近自分を含めて家族とも距離をおいていたので、
まともに目があって、話すのは久しぶりだった。
『ふむ。アップルパイ発言でつい怯んでしまったが、
ユーリがいつもとは違うのも、
この風変わりなご令嬢のせいかな?』
リカルドはエレンを『風変わり』で済ませた。
腹黒皇子もまだまだであった。
「ユーリ、何を伝えたいんだい?」
リカルドは取り乱していた侍女たちを安心させるように笑いながら言った。
「あの、エレンは、エレン嬢は、母上の御友人のテオドアール辺境伯の娘さんで、」
『さっき挨拶してもらったし、
そんなことは知っているのに今更なんだ?
というか今エレン嬢を呼び捨てにした?』
結構失礼なことを考えている腹黒兄とは異なり、
ユーリは真剣にリカルドとエレンを心配していた。
リカルドがエレンからさっきのアップルパイみたいに、
精神攻撃を受けることも、
エレンが不敬罪に問われることも防げるのはユーリだけだ。
ユーリは自分のためには頑張れないが、
誰かのためには頑張れる結構いいやつだった。
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