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第2章 王都にて(前)
第48話 森の妖精とアップルパイ
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「初めましてリカルド殿下。
テオドアール辺境伯の長女のエレンと申します。
お目にかかれて光栄です。」
「いやあ。初めてまして。エレン嬢。
第一皇子のリカルドと申します。
こちらこそお目にかかれて光栄です。素敵なドレスだね。
一瞬森の妖精が現れたのかと思ったよ。」
うふふ、あははとエレンとリカルドは笑いあったが、
二人とも目は笑っていなかった。
お茶会前半戦でエレンにノックアウトされたユーリは、
エレンのあまりの変貌に、
ぐるぐるを通り越してぐらぐらし始めた。
もはや戦意を喪失しているユーリに代わり、
『森の妖精』と『微笑みの皇子』
もとい、
『爆弾娘』と『腹黒皇子』の腹の探りあいという名のお茶会後半戦が始まった。
エレンは基本的には正直者で、
ユーリと同じで思っていることが、
すぐ顔に出る方だっだ。
エレンは『げ( ´_ゝ`)』と思ったことがリカルドにばれていないと思っていたが、
リカルドにはばれていた。
お茶会後半戦はリカルドが優勢かと思われた。
「髪飾りも素敵だね。
ますます妖精みたいだ。
こんな可愛らしいご令嬢とお茶会なんてユーリがうらやましいな。」
リカルドはエレンとユーリの間の席につくと、
侍女が淹れてくれた紅茶を片手に
磨きをかけた爽やかな笑顔で言った。
「うふふ。ありがとうございます。リカルド殿下も素敵なお洋服ですね。うふふ。
えーっと、よく焼けたアップルパイみたいで美味しそうですわ。」
うふふと笑ってくねくねしながらエレンは言った。
「ブフッ!!?」
リカルドは思わず口に含んでいた紅茶を吹いてしまった。
お茶会でこんな不作法をしたのは初めてだった。
『アップルパイ!?』
その場にいたエレン以外の人間の気持ちはひとつになった。
「げほ、失礼、えーっと、それはどうも、えーっと、げほ、あ、
ありがとう?」
リカルドはむせて涙目になりながらも辛うじて笑顔で言った。
剣術の鍛練は騎士団長に指導してもらう本格的なもので、
服が汚れることはもちろん、
怪我をすることもあったので、
リカルドは剣術の鍛練をするときは血や汚れが目立たない、
赤みがかった茶色の鍛練用の服を着ており、
確かにエレンの好物のアップルパイの色に似ていた。
エレンは今まで見たことのある貴族の、
身振りや話し方などを真似る演技力はまあまああったが、
台詞はエレンが考えるので、
エレンの化けの皮は結構剥がれやすかった。
テオドアール辺境伯の長女のエレンと申します。
お目にかかれて光栄です。」
「いやあ。初めてまして。エレン嬢。
第一皇子のリカルドと申します。
こちらこそお目にかかれて光栄です。素敵なドレスだね。
一瞬森の妖精が現れたのかと思ったよ。」
うふふ、あははとエレンとリカルドは笑いあったが、
二人とも目は笑っていなかった。
お茶会前半戦でエレンにノックアウトされたユーリは、
エレンのあまりの変貌に、
ぐるぐるを通り越してぐらぐらし始めた。
もはや戦意を喪失しているユーリに代わり、
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もとい、
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エレンは基本的には正直者で、
ユーリと同じで思っていることが、
すぐ顔に出る方だっだ。
エレンは『げ( ´_ゝ`)』と思ったことがリカルドにばれていないと思っていたが、
リカルドにはばれていた。
お茶会後半戦はリカルドが優勢かと思われた。
「髪飾りも素敵だね。
ますます妖精みたいだ。
こんな可愛らしいご令嬢とお茶会なんてユーリがうらやましいな。」
リカルドはエレンとユーリの間の席につくと、
侍女が淹れてくれた紅茶を片手に
磨きをかけた爽やかな笑顔で言った。
「うふふ。ありがとうございます。リカルド殿下も素敵なお洋服ですね。うふふ。
えーっと、よく焼けたアップルパイみたいで美味しそうですわ。」
うふふと笑ってくねくねしながらエレンは言った。
「ブフッ!!?」
リカルドは思わず口に含んでいた紅茶を吹いてしまった。
お茶会でこんな不作法をしたのは初めてだった。
『アップルパイ!?』
その場にいたエレン以外の人間の気持ちはひとつになった。
「げほ、失礼、えーっと、それはどうも、えーっと、げほ、あ、
ありがとう?」
リカルドはむせて涙目になりながらも辛うじて笑顔で言った。
剣術の鍛練は騎士団長に指導してもらう本格的なもので、
服が汚れることはもちろん、
怪我をすることもあったので、
リカルドは剣術の鍛練をするときは血や汚れが目立たない、
赤みがかった茶色の鍛練用の服を着ており、
確かにエレンの好物のアップルパイの色に似ていた。
エレンは今まで見たことのある貴族の、
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台詞はエレンが考えるので、
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