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第2章 王都にて(前)

第34話 7つの秘密

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「へえ(°▽°)君お兄さんがいるんだね(°▽°)

いいなーいいなー(°▽°)

エレンもキョウダイがほしいんだけどあいにくいないんだよ(°▽°)

君はお兄さんと二人兄弟?( ´_ゝ`)?」

エレンは生クリームがたっぷりのケーキをパクパク食べながら聞いた。

さっきからユーリは固まってばかりで、

テーブルの上のお菓子が全く減らないので、

ここは自分が頑張らなければと思って食べていた。

ただし、材料を生産した農家と製作した料理人に敬意を払って、

きちんと味わって食べていた。

「あ、姉が二人いる、き、今日は別のお茶会にいっているはずだから、

今は王宮にいない…

兄と姉二人と四人キョウダイだ…

でもキョウダイなんかいてもいいことなんかない…」

ユーリは他のキョウダイと比べてできが悪く、

他のキョウダイと違って自分だけ髪が茶色いことを急に思い出して、

ぼそっと言った。

「へえ(°▽°)お姉さんもいるの(°▽°)

ますますうらやましいな(°▽°)

けどまあ人間ないものねだりというか、

人のものがよく見えるからね(°▽°)

リンダ婆さんの食堂に行くといつも名物の

牛煮込みを頼んじゃうんだけど、

隣の人がチキンソテーとか食べてると、

チキンソテーが美味しそうに見えるんだよね( ´_ゝ`)

でもやっぱり牛煮込みも美味しいとも思うし悩ましいよね( ´_ゝ`)」

ユーリの葛藤など全く気づかず、

また話は完全に脱線し、

エレンはリンダ婆さんの牛煮込みの7つの秘密の隠し味のうち、

6つまでつきとめた話を始めた。

ユーリは7つ目の隠し味もちょっと気になったが、

ともかく、よくわからないが、

このままではいけないと自分を叱咤した。

「あ!あの!は、話がずれてると思うんだが…」

ユーリは精一杯の勇気を持ってエレンの話をぶったぎった。

「ああ(°▽°)ごめんごめん(°▽°)

牛煮込みのこととなるとつい熱くなってしまうんだ( ´_ゝ`)

えーっとなんの話してたっけ?

あ。そうだそうだ。キョウダイの話だ(°▽°)

やっぱりキョウダイ持ちにはキョウダイ持ちの苦労があるんだろうけど、

一人っ子はつまらないんだ( ´_ゝ`)」

話は脱線したところから戻るべき本線を見失った。

なおエレンの交遊関係の高齢化は現在テオドアール辺境領内で深刻な社会問題になっている。
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