継母ができました。弟もできました。弟は父の子ではなくクズ国王の子らしいですが気にしないでください( ´_ゝ`)

第２章 王都にて（前）

第26話 晴れでも曇りでもなく

一方王宮で唯一の安息の地である自分の部屋から無理矢理引きずり出されたユーリの気分は最悪だった。

今日は正妃の友人の娘とお茶会をしろといわれた。

ユーリは女の子が苦手だった。

ユーリはまだ夜会に出る年ではないが、

王宮などで開かれるお茶会には出席させられていた。

お茶会にくる女の子は皆キャアキャア騒がしいし、

ベタベタさわってくるし、

まだ幼いのに親に言われるのか、

皇子の自分にたいして色目を使ってくる子もいた。

自分にたいして色目を使ってくるわりに、

そのお茶会にリカルドが顔を出したりすると、

ユーリのことなんかほったらかしで、

皆リカルドに群がるのだ。

そんなこんなでユーリは女の子が苦手だった。

しかも正妃はあの熱心な教育係を連れてきた時と同じような顔をしていた。

もしかしたらこれでユーリが変わってくれるかもしれないと、

期待と不安に満ちた顔だ。

正妃がユーリの性格を心配し、

変わってほしいと思っていることはわかっていた。

わかっていたが、

変わってほしいと思っているということは、

今の自分はダメだと思われているということだ。

ユーリも今の自分のままじゃいけないのはわかっていたが、

せめて母親にはダメダメなありのままの自分を受け入れてほしかった。

今日会う女の子はお茶会であう女の子のようにキャアキャア騒がしいのか、

あの暑苦しい教育係のように正論を押し付けてくる女の子なんだろうか。

いずれにせよ今日の晴れやかな天気とは反対に、

ユーリの気分はどんより曇り空だった。

なお今日ユーリが会う女の子、エレンは晴れでも曇りでもなく、

嵐のような女の子だった。