上 下
217 / 280
第8章 継母と継子

第217話 半端ない

しおりを挟む
ベンジャミンは幼い頃、姉のバルバラの方と仲がよかったので、バルバラの婚約者候補になっていた。

しかしバルバラがとんだ脳筋として育ってしまい、ベンジャミンもバルバラもお互い男友達のようにしか思えず、結局婚約には至らなかった。

アンジュとベンジャミンの縁談が持ち上がったとき、ベンジャミンの方は、ずっとアンジュを好きだったので非常に喜んだのだが、アンジュの方には長年片想いの相手が別にいたのだった。

しかし、アンジュの片想いは実らず、結局アンジュはベンジャミンと結婚したが、結婚式の日に失神してから一週間心労から寝込み続けた。

そんな理由もありベンジャミンとアンジュは結婚したものの、お互いぎくしゃくしたまま現在に至る。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







「……ベンジャミン、そんなにとーさまがリアナ様と再婚したのがうれしいの??( ´_ゝ`)??」








嬉しそうな顔で祝いの品の説明を再開したベンジャミンにエレンが聞いた。

ちなみにゼノはうるさいし、『ただでさえややこしい事態になっているのに、これ以上こいつをここにおいておくと事態はさらに悪化する』と的確な判断をしたヨハンに強制退場させられたので、応接間はつかの間の平安を取り戻していた。




「ん?!

そりゃあ、友人が結婚するときいたら誰だって嬉しいだろ!!?

お前もずっと母親とキョウダイが欲しいと言っていたしな!!

よかったな!エレン!!

俺も嬉しいぞ!!」









「…………そうだね( ´_ゝ`)

…………ベンジャミン、まさかとは思うけど、『ウィルが再婚すればアンジュもやっとウィルを諦められる』とか思ってないよね?( ´_ゝ`)?」









「ブフッ!!!?

え、エレン、お前、な、なんで、それ、しって!!!?」









「やっぱり!( ´_ゝ`)!

やれやれ( ´_ゝ`)

ベンジャミン、とーさまがリアナ様と再婚するからって、別にアンジュが『ウィル様もう嫌い!ベンジャミン様大好き!』って言う訳じゃないんだよ?( ´_ゝ`)?

それなのになんでそんなに喜んでいるのさ?( ´_ゝ`)?」







「グハッ!!!!!」






ベンジャミンはまたしても胸を押さえて倒れこんだ。







「さすがエレン様~~~~

エレン様の真実の刃の切れ味半端ないです~~~~」











バークレーはそう言って、一応従者らしく倒れたベンジャミンの背中を撫でてあげた。









ベンジャミンの妻、アンジュの長年の片想いの相手はよりにもよって、めんどくさいことにエレンの父親、ウィル・テオドアールそのひとであった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪魔に祈るとき

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:16,572pt お気に入り:1,321

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:45,864pt お気に入り:35,283

なんで元婚約者が私に執着してくるの?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:14,563pt お気に入り:1,874

ある国の王の後悔

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,350pt お気に入り:98

あなたの事は記憶に御座いません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:120,161pt お気に入り:4,139

【立場逆転短編集】幸せを手に入れたのは、私の方でした。 

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:5,901pt お気に入り:825

婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,616pt お気に入り:6,428

薬屋の少女と迷子の精霊〜私にだけ見える精霊は最強のパートナーです〜

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:560

天使志望の麻衣ちゃん

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:78pt お気に入り:1

処理中です...