竜の国の侍従長

風結

文字の大きさ
上 下
97 / 180
四章 英雄王と侍従長

「レイドレイクの豪弓」

しおりを挟む
「僕は、竜の国の侍従長、ランル・リシェです」

 言い終える前に、身形や立ち位置からすると彼は指揮官なのだろう、青年が最も早く立ち上がった。

 周期は、アランと同じくらいか、振る舞いから王族と当たりを付けるが、竜を眼前に怯まないとは、那辺に理由があるのだろう。

 それだけ期するものがあるのだろうか、矜持や威勢とは違う何かを看取する。

 然て置きて彼の容貌は弓兵のそれである。見ると、左に比して、右の袖に余裕がない。右腕に多大な負荷を掛け続けてきたのだろう。

 彼の後ろで何かに気付いた兵士が、拾い上げると、短兵急に駆け付ける。

「テルミナ様」
「良い。控えていてくれ」
「はっ」

 矢筒と長弓、いや、豪弓と形容するのが相応しい、ーーこれは、複合弓だろうか?

 人が扱うとは思えない、恐らく魔力操作が前提なのだろうーーと、そこで思い至る。慥か、リズナクト卿が討ち取ったという第二王子が、「レイドレイクの豪弓」と冠されていたはず。

 見澄ますと、控える兵士だけでなく、視界に入るすべての兵が弓兵だった。

 テルミナという青年が右腕で制すると、兵士が畏まる。そこには敬意が、いや、それ以上の、心酔とでも呼ぶべき、崇拝に近いものが感じられた。

「私は、テルミナ・スカーブ。『レイドレイクの豪弓』をつぎし者だ」
「ぁ…わぁあっ!」

 青年が名乗った直後だった。

 「ミースガルタンシェアリ」の強襲ともいえる事態に恐慌を来したらしい兵士が矢をつがえて、反射的にだろう、周囲の数名が呼応して炎竜に放つ。

 ぶふー、と百竜の鼻息が聞こえた刹那に、剣を抜く間もない、僕は全力で踏み出した。

 青年が弓を、豪弓を手にするのが見えるが、構っている余裕などない。

 弓に魔力を纏わせてはーーいないようだ、豪弓が振られて、押付の末弭うらはずに近い部分が僕の伸ばした手に叩き付けられるが、敢えて踏み込むことで、軌道を逸らすことを許さず。腕に、破滅的な衝撃が加わるが、そのまま手で矢を受けて、

「きぅっ!」

 飛び掛かるような体勢の僕を青年が振り払って、竜速で豪弓に矢を番えて、

「テルミナ様! お待ちをっ!!」

 倒れ込んだ僕と青年の間に、控えていた兵士が立ちはだかる。

「っ、主をっ! この下……」
びゃく! 止めろ!!」

 百竜の息吹が放たれるが、僕の制止が間に合ったのか、「人化」したみーの炎より小さな、然し熱線のような極炎が兵士に浴びせられる。

「僕と同周期くらいなので、初陣なのでしょうね。出来れば、ですが、軽い罰で許してあげてください」

 誤解を解く為に、矢が刺さった掌を何でもないことのように、ふりふりしようとして、ずくんっ、と左腕から全身に衝撃が走った。

 うごぉぉ……、これは痛いっていうか、やばい。涙が勝手に出てくる。演技で取り繕うのは無理だと諦めて、呼吸を十回と決める。

 数えながら只管ひたすらに耐えていると、ざわめきが聞こえる。魔力でわかる、百竜ーーいや、百が「人化」したようだ、炎を身に享けて、ほんのわずかだが痛みが和らぐ。

「傷付けないでくれたんだね。ありがとう」
「ーー本気であるわけがなかろう。気紛れに、脅かしてやっただけだ」
「うん。それでも嬉しいから。ありがとう、百」

 一度ではちゃんと受け取ってくれないかもしれないので、二度感謝を示すと、照れ隠しに顔を背ける百。見ると、呆然と座り込む兵士の周囲がげていた。多少は火傷を負っているかもしれないが、軽症けいしょうの範疇だろう。

「……その、百、というのは何なのだ」
「ああ、百にはなかったからね。いつか付けようと思ってたんだけど、咄嗟だったから。発意のままに、呼んでしまった。百という愛称が気に入らないなら、元に戻すよ」
「…………」

 沈黙は肯定。嫌ではないらしい。それどころか、淡炎色の頬が、かなり気に入ったのだと教えてくれる。

「感謝する。リシェ殿が矢を受けてくれなければ、致命傷だっただろう。それとミースガルタンシェアリ様にも感謝を。本来なら、炎を浴びせるのは私だっただろうに、リシェ殿が助けた相手、ということでお目溢しをいただいたようで」

 青年ーーテルミナさんは、話のわかる方のようで、感謝の序でに、百の炎を濃くする手伝いをしてくれる。

「私の未熟さ故に、すまなかった」

 あの場で振り返るわけにはいかなかったのだろう。配下を信用していないことになる。そういう立場にある、或いはそうあることを彼は受け容れたのだろう。

 テルミナさんが弓を差し出してくるが、この重そうな豪弓を片手で持つことは無理そうなので、百に目線で頼む。

 首肯した炎竜が受け取って、魔法具か魔具かもしれないので、弓には触れず、百の肩に手を置く。了解した「ミースガルタンシェアリ」は、豪弓を炎で彩ってしゅくふくして、跪いて両手を差し出したテルミナさんに弓を授ける。

 自らの大切なものを差し出す。最大級の謝罪に、そのすべてを許すことを伝える為、言葉ではなく、炎竜の祝福にて応える。

 僕たちの目的の為、だけでなく、背負い過ぎている彼の為に、余計なことかもしれないが、竜炎で飾り立てる。

 儀式めいた厳粛な雰囲気が解けると、やおら立ち上がったテルミナさんは、素早く視線を左に向ける。三人の兵士、かと思ったが、魔法使いのようにも見える、ちょっと地味な出で立ち。

 だが、彼らの到着まで持たない。ずきんっずきんっ、と表現してみるが、そんな生易しいものではなく、そろそろ限界のようだ、座り込んで表情を見られないよう下を向く。

 このたぐいの痛みは初めてだ。痛みで麻痺することなく、引き裂くように常に神経を刺激してくる。精神が磨り減らされていくような、不快というより苛立たしいような。

「レイドレイクの為に使ってもらう魔力ちから。私の不徳ですまないが、リシェ殿に施してやってくれ」
「それでは、各々おのおのに、矢を頂けますでしょうか」
「ーーわかった。皆に矢を贈ろう」
「感謝いたします。では、ミースガルタンシェアリ様、ご指示を」

 百竜が僕の制服を脱がせると、ああ、そうだった、まだ完全には治っていなかった腕は、酷い色をしているんだった。

 居周りの気配は伝わってくるが、それらを無視して、右手を持ってきて、袖を噛む。

 矢を贈る、というのは、竜の国での、竜の祝福のようなものなのだろうか。然あらば「レイドレイクの豪弓」であった第二王子の血筋であるのだろう。

「主よ、我の炎を享けよ。其方らは、矢を抜いたあと、我の炎に治癒魔法を、魔力を籠めよ。腕の、砕けた箇所は、あとで我が施す故、固定しておくが良い」

 体は動いた。動いてくれた。

 痛みで後悔しまくりだが、治癒能力が高まっているらしい今なら許容範囲と、思い込むことにする。

 僕の魂は、心は、人よりも竜に傾いていた。あの瞬間、「千竜王」ではない、僕の内から生じた衝動が、僕を突き動かした。

 途中で止めることも出来た。僕の本能か、或いは「千竜王」の掣肘せいちゅうか、すべてを振り払って、届かせることが出来た。

 人の部分を失ってはならない。そう思っていても、引き摺られてしまう。竜に焦がれるのなら、人の心を失ってはならないと、それで辿り着く場所を見失うことになろうと、竜とともに在る道を選べぬのなら……、ーーふぅ。治療が終わったようなので、顔を上げる。

 見ると、テルミナさんが指示したのだろう、軍が後退していた。侵攻を諦めた、というよりは、様子見の為の、一時撤退というところだろう。

 仕方がなく左腕を見ると、百が焼いたのだろう、掌と、手の甲に火傷の痕のような。そして、弓を受けた前腕が木の板と包帯で固定されている。

「ここは嘗て、肥沃な穀倉地帯であった。フフスルラニード国の先王ーー私たちは『狂王』と呼んでいるがな、その戦好きの王に奪われた。奴らは、恵み豊かなラフラヌフを戦場に変えた。あの美しき大地を取り戻さんと、四度戦い、四度敗れた。当然、成し得なかった王家の威光は失墜した。二次聖伐で、三城とその陥穽を研究していた父は、一つ目の罠を打ち破る為、城攻めを行った」

 怪我が治ったかと、もといもう少しで治るところだったのに、また怪我。怪我の頻度というよりは、重度のほうが問題だろうか。

 痛みが落ち着くまで、僕の気を逸らす為だろうか、テルミナさんはレイドレイクの悲願と苦難の歴史を語る。

「城を陥落させたあと、空の城は放置し、地域一帯を掌握する。それが父の策、一つ目の罠を回避する方法であった。然し、現実は、父の予想を上回った。城から逃げ出すだろうと思っていた敵兵は、正面から戦いを挑んできた。
 父の最期を伝えてくれた者の話に依れば、リズナクト卿ーーフフスルラニード国の現宰相を先頭に、死兵となって迫ってきたそうだ。騎士ではなく、領民だったようだ。盾だけを持った彼らは、リズナクト卿を護り続けた。曾祖父から続く、魔弓の射主であり、『レイドレイクの豪弓』と謳われた父には弱点があった。私や祖父、曾祖父と違い、魔力量に難があった。父の一射は、四つ盾とーー一度で四つの盾と人を射抜くと言わしめるほどの魔弓であったが、リズナクト卿との一騎打ちとなったとき、父の魔力は底をついていた。リズナクト卿に重傷を負わせるも、竜の魂を宿した卿は止まることなく、父に致命傷を与えた。父は撤退を指示し、一つ目の罠の対抗策と、二つ目の罠に言及してから、息を引き取った」

 テルミナさんが僕を見ている気配を感じ取る。正確には、百の魔力が、熱が教えてくれる。

 動かさなければ我慢できるところまで痛みは減じたので、右手で胸を押さえて体が動かないようにしてから、二呼吸、ゆっくりと精神を立て直してから言葉を絞り出す。

「僕は、〝目〟ですので、三城の罠について、言及することは……、どちらかの国に有利になるような情報を開示するわけにはいきません」
「そうか。ミースガルタンシェアリ様が在る時点でそうではないかと思っていたが、リシェ殿、或いはリシェ殿一行は、フフスルラニード国にくみしているというわけではないようだ」
「それについては話しますが、もう少し時間を……。ーーリズナクト卿を恨んでいるわけではないようですね」

 恨みが強いと聞いているが、これは私怨も混じっているやもしれん。とアランは言っていた。足並みを乱しているのもこの国となる、とも。

 フフスルラニード国にフフスルラニードなりの事情があるように、レイドレイク国にもレイドレイクなりの事情があるようだ。

「ーー私には、彼を恨む理由がない。父は戦場に立ち、一騎打ちの末、敗れた。父は、リズナクト卿を討ち取ろうとする兵を止めた。それは正しき判断であったと、彼が宰相となりフフスルラニード国を護り続けている今でも、私の見解は変わらない。彼を貶めることは、父の名誉を傷付けることでもある。
 だが、母は違った。父を愛していた母は、私に敵を討つよう求めた。哀しみに耐えられなかったのか、フフスルラニード国を滅ぼす為に、母は策動することになった。実はな、母は〝目〟だったのだ。
 思い知ることになった。母を止められるのは父だけだったのだ。母は、父の研究を引き継いで、終には、三城の、三つ目の罠すら看破するに至った。ーーだからこそ、レスラン・スフール・フフスルラニード王という

 言葉の最後の、投げ捨てるような荒さと同じ勢いで、どすんっと僕の隣に座り込んだ。

 見澄ますと、彼の振る舞いに非難の眼差しを注いでいる兵はいない。彼の人柄が表れているようで、もう少し緩めてもいいかな、と失言にまで気を回すのを止めることにする。

「三つの罠、どれもが民を犠牲にするものだったのだ。三つ目の罠とは、三城を抜いて自国に侵攻した軍勢に、蓋をする、というものだった。母は言っていた。『民を餌にし、敵軍を壊滅させることが出来る。なんと効率が良い謀略でしょう。然も、これらの罪をすべてレイドレイク国に擦り付けることが出来るという、お負け付きです』と、にたり、と嗤った母の顔は忘れられない」

 その母親は、カイナス三兄弟を引き入れーーん? あれ? 今、何かが頭に引っ掛かった、というか、ぐるりと、見方が変わったというか。

 そういえば、兄さんがよく言っていた。立ち返れ、根本から見直せ、常識を疑え。 そして、スナが言っていた。父様は一度心を許した者には通常以上に心を預けてしまうのですわ。

 ーーうわぁ、嫌だなぁ、僕がエクに心を許していたなんて、そんなことは毛頭、いやさ竜頭ないので、ただ単に僕が未熟だったからだということに決定。それ以外の可能性など、光竜どころか天竜のお口に、ぽいっ、である。

「テルミナ様……」
「テルミナ、で良い。命の恩人であり戦友であり、竜の国の侍従長であるなら、異を唱える者など、いはしない」

 ん? テルミナさん、もといテルミナが頬を染めながら……、って、は? あ~、ちょっと待って下さい?

 短髪で、僕よりも体格がいいので青年だと思い込んでいたが、あれ? あれれ? 見てみると、中性的で、衣服や革鎧で隠しているようだが、よく見てみると、じっくり見てみると、ねっとりと見てみると、それなりに大きな胸の存在が確認できたような……。

 ーーふぅ、よしっ、決めた。見なかったことに、もとい今は考えないことにしよう。

 そういえば、僕が矢を止める為に飛び掛かったとき、過剰な反応をされたような気がするが、って、今考えないようにすると決めたばかりなのだから、同じような間違いをした魔法使いのことなんて思い出している場合ではないっ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜

平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。 だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。 流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!? 魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。 そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…? 完結済全6話

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

「お前は彼女(婚約者)に助けられている」という言葉を信じず不貞をして、婚約者を罵ってまで婚約解消した男の2度目は無かった話

ラララキヲ
ファンタジー
 ロメロには5歳の時から3歳年上の婚約者が居た。侯爵令息嫡男の自分に子爵令嬢の年上の婚約者。そしてそんな婚約者の事を両親は 「お前は彼女の力で助けられている」 と、訳の分からない事を言ってくる。何が“彼女の力”だ。そんなもの感じた事も無い。  そう思っていたロメロは次第に婚約者が疎ましくなる。どれだけ両親に「彼女を大切にしろ」と言われてもロメロは信じなかった。  両親の言葉を信じなかったロメロは15歳で入学した学園で伯爵令嬢と恋に落ちた。  そしてロメロは両親があれだけ言い聞かせた婚約者よりも伯爵令嬢を選び婚約解消を口にした。  自分の婚約者を「詐欺師」と罵りながら……──  これは【人の言う事を信じなかった男】の話。 ◇テンプレ自己中男をざまぁ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げる予定です。 <!!ホットランキング&ファンタジーランキング(4位)入り!!ありがとうございます(*^^*)!![2022.8.29]>

王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」 公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。 血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。

悪役令嬢は処刑されました

菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。

あなたのことなんて、もうどうでもいいです

もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。 元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

処理中です...