竜の国の侍従長

風結

文字の大きさ
上 下
24 / 180
一章 炎竜氷竜と侍従長

まほまほは最後に回される

しおりを挟む
「はーう、みーちゃんのどくだんとへんけんとえっへんで、りゅーのくにのほーしんはけっするのだー!」

 ぼやんっ、と飛び上がって、「飛翔」を使ったのか、椅子の上に静かに着地する。

 まぁ、それでも行儀は悪いので、コウさんに叱ってもらいたいところだが。みーの言葉から自明のことだが、王様代理みーがいるので、風竜の間に王様はいません。

 老師の判断で、夕刻までの安静が必要とのこと。

 他に出席していないのは、毎度のシーソと、外せない用事がある補佐三名、それと老師の後ろ、竜魔法団の隊長たちである。あと、顔見せの為に、出席を願った方が一名、シアの隣に座っている。

「おぉ~、みー様の、何と神々しいことか!」
「炎色の長布がゆらゆらと、愛らしさ余って可愛さ千倍なり!!」
「竜の中の竜、もはや竜王と称するべきか」
「いや、この場合、炎王のほうが良いのでは?」
「であるなら、百竜様を竜王、みー様を炎王ととなえたほうが」

 拍手喝采水竜氷竜かと思いきや、議論を始めてしまう竜の国の枢要たち。

「はいはい。主に遊牧民の方々、席に戻ってください。文句を言う方は、あとで個人的に面談しましょう。ーーさて、老師、最初にしますか? 最後にしますか?」

 竜の魅力に遣られた人々を強制的に散らしてから、枢要を招集した目的ーー議題、或いは報告等を行う予定の老師に尋ねる。ある意味、彼も王様代理ーーではみーと被るので、王様代行、とでもしておこうか、って、そんなことはどうでも良くて。

 まったく、王様は皆に迷惑をかけてーー、……はい、ごめんなさい、全部僕が悪いんです。

 翠緑王は体調不良で欠席ということになっているので、うん、あとでコウさんには誠心誠意謝っておこう。

「侍従長に求婚された翠緑王が体調を崩したので、私が此度の一件を代行いたします。重要事項を含んでいるので、最後で構わないよ」

 ぷすっ。ぶすっ。さくっ。

 飛んできた魔法剣が三本、僕をちょっぴり傷付けるが、本命はそれではない。

 魔法剣を無視して、魔力を纏っていないかもしれないカレンの、全力以外の何ものでもない一撃を、ひょいっと躱ずぅごぶっ!?

「りゅうのばっこん!」
「ぃぎっ!!」

 押された?! 蹴られた??

 竜にも角にもっ、あと尻尾にもっ、吹っ飛ぶ途中にあった魔法剣を抱えて、ごろごろごろごろ……。

 またぞろみーに花咲く大喝采が始まるが、王様の兄と姉に丁重に剣をお返ししてから、物理的に痛そうな黒曜の瞳を見ないようにしながら席に戻る。

 疚しいことがないのなら堂々としていればいいのだが、「やわらかいところ」対策のことは言えないので、そう、王様の沽券こけんを守る為にも、へつらうように……ではなくて。ふむ、こんなとき尻尾があれば便利なのに、とか思ってしまった僕は現実逃避をしているのだろうか。

 はぁ、然なきだに無駄が多いのだから、さっさと進めてしまおう。

「了解しました。それでは、何かある方は挙手をお願いします。みー様、指名をお願い致します」
「「「「「っ!」」」」」
「「「「「っ!!」」」」」
「「「「「っ!?」」」」」
「「「「「っ??」」」」」
「「「「「っ?!」」」」」

 僕の言い方も悪かったのだが、このこぞって手をげる大人気ない皆さまをどうしたものか。

 あ~、はいはい、そこ、両手を挙げない、ああっ、そっちの仔竜が好き過ぎる人たち、立ち上がらないで、って、近付こうとしないでください!

「みー様に指名されたのに、まともな用件なり案件なりじゃなかったら、職務怠慢で地下送りにしてしまうかもしれません」
「「「「「…………」」」」」

 はい、素直でよろしい。手を下ろさなかったのは四人。遊牧民の長老であり、竜官でもあるカノンさんが挙手したままだが、真剣な表情から……たぶん、本当に何かあるようだ。

「それでは、みー様。ご指名をお願い致します」

 全員の話を聞くつもりなので、詮ずるところ順番に意味はないのだが、まぁ、これも気分の問題ということで。みーに選ばれれば、やる気元気がみなぎるだろう。

 みーが居るだけで、暖かな雰囲気が漂っているので、多少騒がしいくらいが丁度良い。

「さーう、ん~、む~、~っ、じゃー、まほまほっ!」

 腕をこまぬいて、むぐっむぐっと左右に二回首を振ってから、びしっとまほまほ、もといダニステイルの纏め役を指差した。

 一瞬怯んだ纏め役ーーではなく、まほまほに、嫉妬やら疑問やら殺意やら、何やら様々なものが乗せられた、すべての枢要の視線が向けられる。

「魔法団団長の意向によりまして、みー様の魔法の師範を仰せ付かりました」

 さすがまほまほ、必要な情報だけを提示する。

 未だみーに愛称や渾名で呼んでもらえない僕は、恨めしいというか羨ましいというか、そんなとげとげしたものを感じながらも、彼は何も悪くないので、言葉にし難いだろう事情説明を引き受ける。

「皆さまも、すでにご存知だとは思いますが。その道に優れた人間が、必ずしも優れた師になるとは限りません。纏め役には、魔法の基礎の部分をーー主に魔力操作に重点を置いて……」
「まほまほ、とはやはりあれか、ふたふたの」
「でしょうな。これまで言葉を重ねた愛称はフラン姉妹だけでしたが……、何と羨ましい」
「ふむ、我もよりよき名で呼んで頂けるよう、精進しょうじんせねば」
「くっ、何という増長ぞうちょう! お主もまた、珍らかな変化系ではないか!」
「そうじゃそうじゃ、わし等だって、みー様に呼んで頂きたいんじゃ~っ」

 ……皆さん、僕の取り成しには興味がないようです。中断されたまほまほには悪いが、適時に紹介してしまおう。

 二十前半の細身の若者に視線をやって、立ち上がるよう促す。

「丁度良いので、紹介してしまいましょう。彼は、『探訪たんぽう』の執筆者ーーいえ、探訪者としておきましょうか」
「『探訪』とは、掲示板などに貼ってある、あの?」
「ええ、あの催し物やお役立ち情報など、他に各地で回覧している冊子などの作成も彼の仕事です」

 まだ「探訪」という正式名は広まっていないので、オルエルさんの確認に頷く。

「あ、初めまして、パーシェス・ラタトスクです。靴職人として働いていたんですが、余暇よかに趣味でやっていた情報集めが、侍従長の目に留まりまして。二巡り前から正式に雇っていただいて、日夜、竜の国の様々なことを探し回っています。よろしくお願いします」

 このような場には慣れていないのだろう、多少早口で捲し立てる。

 気弱な印象だが、「探訪」と銘打った冊子を読んだことがある者なら、彼が見た目通りの、善良そうな若者でないことを知っている。

 彼を雇い入れた理由の一つは、野放しにしては危険だと判断したからである。

 偏執へんしゅう、と言っていいくらいの、情報収集への飽くなき欲望、もとい情熱。ときに、僕の悪評を面白おかしく広めて……いや、それだけじゃもちろんないんですけど。

「さて、まほまほ、ですが、皆さんの仰るように、スーラカイアの双子である、ふたふた以来の快挙と言えるでしょう。因みに、変化系であるデア殿の『でゃー』は、他には確認されておらず、これは恐らく、初対面時に於ける、印象に因っているのではないかと」

 椅子の下に置いてある鞄から紙束を取り出すと、目に怪しい光を漂わせて卑陋ひろうな、ではなく、自説を披露ひろうするラタトスクさん。すると、彼の上役に当たるシアが立ち上がって、

「ラタトスクさんの紹介の序でに、報告いたします。以前から、みー様のお言葉におかしな傾向が見られて、良くない影響を及ぼしている者が居ると思われていたのですがーー」

 ラタトスクさんを抑えるのを奇貨として、先に報告を終えてしまう腹積もりらしい。朝のことといい、着実に成長しているシア……って、何で皆さん、僕を見ているんですか。

「侍従長以外で、一人、該当する人物が浮かび上がってきました。未だ、確定には至っていませんが、その人物は、みー様から『みゃー』と呼ばれているようです」

 みゃー、とはまた、可愛らしい呼び名である。然あれど、当該者はごついおっさんかもしれないので、猫のような愛嬌のある人物を連想するのは控えておこう。

「ーー、……ぅゅ」

 皆の視線が自然とみーに集まるが、弱火、ではなく、鎮火中、じゃなくて、おねんねの真っ最中。

 ーー失敗した。

 今日は、コウさんの膝の上ではないし、適度にみーを話題に絡めて興味を持たせつつ、発言を求める必要があったのだが。

 円卓に顎を乗せて、すやすやである。

 七祝福の一つである「竜の寝顔」が、幸せの風を運んで、いやさ、もはやこれは、同「百味の風」とはまた違う「仔竜の夢風みーのむふふん」とか「幸炎竜風ほやみー」とか呼んでも差し支えないのではないかとーーごふんっごふんっ、いや、失敬。

「竜の都を探索していて、嘗ての親方から情報を得ました。あるとき、みー様が高い建物の屋根に下りられましたが、それ以後、飛び立つ姿は見られなかったそうです。それから数日後、みー様が森に行かれるのを見て、心配になった親方以下職人たちは、みー様を捜しに森に入りました。そこで、森の奥から、みー様の『みゃー』と誰かを呼ぶ声が聞こえたそうですが、声の発生源に近付いてみると、誰もいなかったそうです。そこそこの魔力感知ができる者がいたそうですが、どうやら『結界』を使っていたのではないかと」

 魔法使いーーかもしれない、と。

 エルタスのことを思い出したのだろう、幾つか推論が述べられるが、情報の少なさとみーへの配慮から断定には至らない。

 纏め役、いや、呼び易いので内心ではまほまほと呼ぶことに決定。またぞろまほまほには悪いが、この一件にかこつけて、用件を伝えてしまうことにする。

「みゃー、という怪しいかもしれない人物の他に、同じく正体の知れない、若い男が二人、竜の都に居ることがわかっています。直近の危険性ということでは、こちらへの対処を優先させたほうがいいでしょう。魔法量に於いては老師以上、勘の鋭さはエンさん以上と、レイは推量したようです。とはいえ、別に悪事を働いたわけでもないので、先ずは竜騎士と近衛隊で情報を共有して、ーーあとは、エーリアさん、お願いします」

 円卓の、末席に位置する場所に座っている若き竜官に振る。彼も手を挙げていた一人で、そういう流れで、またまた申し訳ないが、まほまほを先送り、ではなく後回しで。

「先程、回報の話が出ましたが、地区の代表者やそれぞれの役割を持った者など、地域の結び付きを強化、推進いたしました。それにより、情報の伝達の速度も精度も上がりました。竜騎士と近衛だけで網羅もうらするには、グリングロウ国は広過ぎます。国の体裁を整える一環として行ってまいりましたが、シア様とラタトスク殿を中心とした体系が成ったことを、ここにご報告させていただきます」

 才気煥発という言葉がこれほど似合う人もいないだろう。その物腰、振る舞いは完璧だった。

 兄さんよりも野心が表に出るエーリアさんは、それも活用して演技しているようだ。

 枢要から、口々に感嘆の声が上がる。彼らも尽力したのだろう、エーリアさんの後ろの、補佐の二人も誇らしげである。

 侍従次長ぶかとの関係が悩みの種である僕とは雲泥の差である。

「ふむ、それでは我の番ですかな。炎竜祭について、ご報告申し上げる」

 あ、どうやら素で忘れられてしまったらしい、これでまほまほは最後に決定。

 カノンさんの穏やかな眼差しがゆくりなく、ぐぐぐっと一点に集中する。

「みー様っ、我は、グラ・カノンと申す者、カノン一族の大地のグラ、グラ・カノンで御座ございっ、我の名を呼んでいただけるなら、もはやこの世に思い残すこと……」
「長老っ!」
「血迷いなさったか! カノンの名で呼ばれたなら、一族から排斥はいせきされかねぬぞ!」
「むぅ、ではグラで、それなら問題なかろう!」
「これには機と運がある。皆、落ち着かれよ」

 あ、デアさんが炎竜に氷をぶつけた。いや、水竜を背負わせた、のほうがいいだろうか。

 竜にも角にも、遊牧民一同の殺伐とした眼光がデアさんにーー向かわなかった。

「……ゃぅ、ーーぅ」
「「「っ!?」」」

 一旦目が明いた仔竜は、再び夢の世界へと旅立って、男共を地の国へと叩き落とす。

「遊牧民の方々が行っていた炎竜祭を、竜の国でも行おうと計画中です。収穫祭と併せたものとなるので、寒期の前を予定。炎竜ミースガルタンシェアリ様と古炎竜ひゃくりゅう仔炎竜みー様、それと作物への感謝を捧げる、大掛かりな儀式や仕掛けのようなものもあるとか」
「……ですのじゃ」

 打ちひしがれたカノンさんが同じてくれたので、やっとこまほまほの番である。

 言い難いことだったのか、最後に回されても機嫌を損ねた様子は見られない。まぁ、ダニステイルの良心、と僕が勝手に呼んでいる彼なら、この程度で悪感情を抱くことはないだろう。

「ダニステイルの民も、暗黒竜にて穏やかな日々の暮らしを享受きょうじゅしております。きましては審査を経た者に、暗黒竜より外出の許可を与えました。竜の都や竜地で魔法使いや魔法使い風の格好をした者を見受けることになりますが、適宜てきぎの魔法使用の他は禁じております。よしなにお願い致します」
「魔法使い風、と仰ったが、何か意味があるのですかな?」
「若者の間での、流行といったところです。ご存知の通り、魔法使いは、一言で言ってしまえば、地味です。魔法使いとしての様相を崩さず、見栄えの良い服装を、ということですが、ーーこれも時代の流れなのでしょうか」

 まだ三十路ほどだというのに、労苦を重ねているのだろうか、憂う姿が様になっている。

 自然な振る舞いが絵になるクーさんやザーツネルさんを羨ましく思ったことはあるが、彼の有様からは汲み取って留意すべき、教訓めいたものを感受してしまう。

 寂れた風がまほまほから吹いてくるので、容姿からして胡散臭い老師に吹き払ってもらうことにしよう。

 然てこそコウさんと老師で内密に進めてきた、本題である。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~ 「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」  国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。  ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。  その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。  だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。  城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。  この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。

あらゆる属性の精霊と契約できない無能だからと追放された精霊術師、実は最高の無の精霊と契約できたので無双します

名無し
ファンタジー
 レオンは自分が精霊術師であるにもかかわらず、どんな精霊とも仮契約すらできないことに負い目を感じていた。その代わりとして、所属しているS級パーティーに対して奴隷のように尽くしてきたが、ある日リーダーから無能は雑用係でも必要ないと追放を言い渡されてしまう。  彼は仕事を探すべく訪れたギルドで、冒険者同士の喧嘩を仲裁しようとして暴行されるも、全然痛みがなかったことに違和感を覚える。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

衣食住保障してください!~金銭は保障外だったので異世界で軽食販売始めます〜

桃月とと
ファンタジー
 どこにでもいる普通の社畜OL漆間蒼はついにブラック企業に辞表を叩きつけた!  遊ぶ時間などなかったおかげで懐には余裕がある。  家にはいつかやろうと揃えていたお料理グッズにキャンプ用品、あれやらこれやらが溢れたまま。  現実逃避が具現化した品々である。 「……これを片付けたら海外旅行でもしようかな!」  収入は途絶えたが蒼には時間がある。  有限だが、しばらくは働かなくても生きていけるだけの蓄えも。  なんとも晴れやかな……いや、それどころではない!  浮かれてルンルン気分でこれからの生活を想像していた。  だがそれも長くは続かない。 「あおいねーちゃんっ!!!」 「しょうくん!!?」  コンビニからの帰り道、隣に住む好青年、桐堂翔がなにやら神々しい光に包まれていたかと思うと、  足元には怪しげな魔法陣が……そのままゆっくりと沈むように吸い込まれている翔を助けようと  手を繋ぎ踏ん張るも、あえなく蒼の体も一緒に魔法陣の中へ。 「え!? なんか余計なのがついてきた……!?」  これまた荘厳な神殿のような場所に転がった蒼の耳に、  やっちまった! という声色で焦り顔の『異世界の管理官』が。  残念ながら蒼は、予定外の転移者として異世界に召喚されたのだ。 「必要ないなら元の世界に戻してくれます!?」 「いや〜〜〜残念ながらちょっと無理ですね〜」  管理官は悪びれながらも、うんとは言わない。  こうなったら蒼はなんとしてもいい条件で異世界で暮らすしかないではないかと、  しっかり自分の希望を伝える。 「じゃあチート能力ください!」 「いや〜〜〜残念ながらそれもちょっと……」 「ちょっと偉い人呼んできて!!!」  管理官に詰め寄って、異世界生活の保障をお願いする。  なりふり構ってられないのだ。  なんたってこれから暮らしていくのは剣と魔法と魔物が渦巻く世界。  普通のOLをやっていた蒼にとって、どう考えても強制人生ハードモード突入だ。 「せめて衣食住保証してください!!!」  そうしてそれは無事認められた。  認められたが……。 「マジで衣食住だけ保障してくれとるっ!」  特別な庭付き一軒家は与えられたが、異世界で生活するにも『お金』が必要だ。  結局蒼は生きていくために働く羽目に。 「まだ有給消化期間中だってのに〜!!!」  とりあえず家の近くに血まみれ姿で倒れていた謎の男アルフレドと一緒に露天で軽食を売りながら、  安寧の地を求めるついでに、前の世界でやりのこした『旅行』をこの異世界で決行することにした。 「意地でも楽しんでやる!!!」  蒼の異世界生活が始まります。

【完結】収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです

三園 七詩
ファンタジー
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様

撫羽
ファンタジー
タイトル変更しました! 『王道?転生公爵令嬢と転生皇子の日常』から『転生公爵令嬢の婚約者は転生皇子様』です。 魔物討伐の最中、魔法をブッ放した直後に突然前世を思い出した、主人公ルルことルルーシュア。 前世では10代で病死し、ペットのシルバーのトイプードルのモモだけが友達で家族だった。 そんな前世を送ったルルが転生した! イケメン兄や両親に愛され、隠しキャラの婚約者が現れたり、ヒロインを断罪したり、とんでもないペットが増えたり、本人が気付かないうちに色々やらかします。 皆に愛されながら、婚約者の愛情を受けて、ちょっと世直ししながら、日々生活していく物語です。 意地悪令嬢は出てきません。 主人公の周りには、イケメン兄とイケメン婚約者と言うよくあるテンプレ設定です。 R指定も怖い表現も全くありません。ほのぼのと淡々と、よくある転生物語です。 設定も、ふんわりしてます。 細かい事に拘らず、大きな気持ちで、クスッとしながら読んで頂けたら嬉しいです。 なろうで、原案を公開してます。これは修正後のものです。 不定期投稿で申し訳ありません。

全てに見捨てられた俺がスキル「無限回復」で魔剣系ヒロインと共に世界を見返す話

葩垣佐久穂
ファンタジー
冴えないフリーターだった土門勇樹は、自らを慕う女子大生のストーカーに刺された。負け、奪われ続けた哀れな人生に幕を閉じたかと思われた。 しかし、目が覚めると見知らぬ世界に騎士家の次男、アルバとして生まれ変わっていた。 スキル(才能)が全ての世界で、彼に与えられたのは「無限回復」ただただ死なないだけの力だった。 「戦うことを目的とする騎士家に戦えない力などいらない」と追放され、魔獣の蔓延る危険な世界に放り出される。 真っ暗闇の中、出会った一振りの魔剣は、闇を穿つ光となるか、さらなる闇へと誘う災厄の剣か。 少女へと姿を変えた魔剣と共に行く旅は、愉快で刺激的な冒険となる。

暁の荒野

Lesewolf
ファンタジー
少女は、実姉のように慕うレイスに戦闘を習い、普通ではない集団で普通ではない生活を送っていた。 いつしか周囲は朱から白銀染まった。 西暦1950年、大戦後の混乱が続く世界。 スイスの旧都市シュタイン・アム・ラインで、フローリストの見習いとして忙しい日々を送っている赤毛の女性マリア。 謎が多くも頼りになる女性、ティニアに感謝しつつ、懸命に生きようとする人々と関わっていく。その様を穏やかだと感じれば感じるほど、かつての少女マリアは普通ではない自問自答を始めてしまうのだ。 Nolaノベル様、アルファポリス様にて投稿しております。執筆はNola(エディタツール)です。 Nolaノベル様、カクヨム様、アルファポリス様の順番で投稿しております。 キャラクターイラスト:はちれお様

処理中です...