竜の庵の聖語使い

 「竜の国」から850周期ほど前の物語。

 「亜人戦争」から150周期。
 凄惨を極めた戦いは人々の記憶から消え、ラン・ティノの存在が澎湃たる時代の幕開けを予感させます。

 これは、ティノが「聖語時代」の「二人目の天才」と称えられるようになるまでの物語。

 「竜の庵」から旅立ったティノは、新しく創られた学園に通い、同世代の友人たちと穏やかな日々を過ごします。
 ですが、ティノには、「人生の目標」がありました。
 それは、「角無し」の竜になって、力の大部分を失ってしまったイオラングリディアーーイオリの力を取り戻すこと。
 イオリが力を取り戻せば、再び彼女とーー。

 「努力」の才能以外は、至って普通の少年。
 「聖語時代」の「一人目の天才」ファルワール・ランティノールの遺産が、ティノを「期間限定」の「特別」な存在としてしまいます。

 行き詰まった時代に風を吹き込むことになる、ティノの物語。
 それでは、語ってゆきましょう。
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