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七章 侍従長と魔法使い
父親で遊ぶ娘
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「ひゃふっ、中々良かったのですわ、父様」
お気に召してくれたようで僕も嬉しいです。と表面は取り繕うが、無ー理ー、むりっ、ムリですっ。
ぐぅあっ、恥ずかし過ぎる。これまで色んな演技をしてきたけど、これは最高に恥ずかしい、恥ずかしまくり、というか、恥ずかし祭りっ。いや、落ち着け、僕。
恥ずかしさが振り切れてしまったので、見掛けた領主らしき男性に代わってもらいました。
何というか、彼の視点で眺めて、自分を客観視というか誤魔化しをして、羞恥心を減じさせようとしたのだが、上手くいったか定かではない。
演技や技名は、スナの要望である。
スリシナ街道の一件で、少しだけお冠の娘を宥める為、「涼やかな氷の少年」を演じたわけだが、うん、やっぱりこういうのは僕に合ってない気がする。
「風吹」部隊と同盟国が撤退したあと、ドゥールナル卿に告げた通り、サーミスールを最後に、先ずはキトゥルナに赴く予定だったのだが。
ふと気配がして振り返ると、そこには超特急の笑顔満開の愛娘。嫌な予感しかしなかった。
では、「飛翔」でキトゥルナに向かいます。託けの件、よろしくお願いします。とスナに持ち上げられる前に、ドゥールナル卿に伝えられたのは幸いだった。
スナは、父様と遊ぶ、と言っていたが、正確には、父様で遊ぶ、である。
忙しさに感けて娘を蔑ろにしていた父親には、逆らう権利などあろうはずもなく。キトゥルナに続いて、クラバリッタでもスナの玩具の僕である。
近付くクラバリッタの王城を見ながら、竜の景色で心を癒やすのだった。
お気に召してくれたようで僕も嬉しいです。と表面は取り繕うが、無ー理ー、むりっ、ムリですっ。
ぐぅあっ、恥ずかし過ぎる。これまで色んな演技をしてきたけど、これは最高に恥ずかしい、恥ずかしまくり、というか、恥ずかし祭りっ。いや、落ち着け、僕。
恥ずかしさが振り切れてしまったので、見掛けた領主らしき男性に代わってもらいました。
何というか、彼の視点で眺めて、自分を客観視というか誤魔化しをして、羞恥心を減じさせようとしたのだが、上手くいったか定かではない。
演技や技名は、スナの要望である。
スリシナ街道の一件で、少しだけお冠の娘を宥める為、「涼やかな氷の少年」を演じたわけだが、うん、やっぱりこういうのは僕に合ってない気がする。
「風吹」部隊と同盟国が撤退したあと、ドゥールナル卿に告げた通り、サーミスールを最後に、先ずはキトゥルナに赴く予定だったのだが。
ふと気配がして振り返ると、そこには超特急の笑顔満開の愛娘。嫌な予感しかしなかった。
では、「飛翔」でキトゥルナに向かいます。託けの件、よろしくお願いします。とスナに持ち上げられる前に、ドゥールナル卿に伝えられたのは幸いだった。
スナは、父様と遊ぶ、と言っていたが、正確には、父様で遊ぶ、である。
忙しさに感けて娘を蔑ろにしていた父親には、逆らう権利などあろうはずもなく。キトゥルナに続いて、クラバリッタでもスナの玩具の僕である。
近付くクラバリッタの王城を見ながら、竜の景色で心を癒やすのだった。
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