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第1章 苦悩の始まり
1-7 未来への扉
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次の夜も、二人は懸命に訓練に励んだ。エリーナの魔力は日に日に強くなっていった。風を操る技術は上達し、小さな炎さえ生み出せるようになっていた。彼女の指先から放たれる風は、以前よりも鋭く、そして繊細になっていた。炎は、まるで生き物のように彼女の意志に従って揺らめいた。
しかし、家族との軋轢は深まるばかりだった。
父ロバートの視線は日に日に厳しくなり、その目には疑惑と失望が混ざっていた。母カタリナの無関心さは変わらなかったが、時折エリーナに向ける視線には、かすかな不安の色が見えた。妹アリスは、エリーナが何かを隠していると疑い始めていた。夜中に姉の部屋の前をうろつく足音が聞こえることもあった。
それでも、エリーナは毎晩の訓練を欠かさなかった。時には眠気と闘いながら、時には家族の疑いの目をかわしながら、彼女は必死に魔法の道を歩み続けた。体は疲労に満ちていたが、心は燃えるような情熱で満たされていた。
ある晩、リュシアンは特別な訓練を提案した。彼の目には、いつもの優しさと共に、ある種の緊張感が宿っていた。
「今夜は、実践的な訓練をしよう」
「実践⋯⋯ですか?」
「ああ、この森はもっと深くまで行くと、時々魔物が出る。小型のものだが、君の力を試すには丁度いい」
エリーナは不安そうに周囲を見回した。夜の森は、昼間とは全く違う顔を見せていた。木々の影は長く伸び、風の音さえ不気味に聞こえた。
「本当に⋯⋯大丈夫なんでしょうか」
彼女の声は小さく震えていた。
「心配するな。俺がついている。万が一のときは必ず守る」
リュシアンは彼女の肩に手を置いた。その言葉に、エリーナは勇気づけられた。
二人は森の奥深くへと進んでいった。月明かりが木々の間から漏れ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。足元の枯れ葉を踏む音が、異様に大きく聞こえた。
突然、茂みが激しく揺れた。エリーナの心臓が跳ね上がった。
「来たぞ!」
リュシアンが叫んだ。
巨大な猪のような魔物が飛び出してきた。赤い目をギラつかせ、牙をむき出しにしている。その姿は、エリーナの想像をはるかに超えていた。恐怖で足がすくむ。
「エリーナ、集中するんだ!」
リュシアンの声が、彼女を現実に引き戻した。
エリーナは深呼吸をし、これまでの訓練を思い出した。彼女の手は震えていたが、両手を前に突き出し、魔力を込めた。
「はあっ!」
強烈な風の刃が魔物に向かって放たれた。魔物は悲鳴を上げ、後ずさりした。その瞬間、エリーナの中で何かが変わった。恐怖が薄れ、代わりに自信が湧き上がってきた。
「よし、その調子だ!」
リュシアンの励ましに、エリーナは更に集中した。
今度は小さな炎を手のひらに作り出し、それを魔物に向かって放った。炎は彼女の意志そのものであるかのように、まっすぐに魔物へと向かっていった。魔物は火傷を負い、苦しそうに唸った。
「とどめだ!」
リュシアンの声が、夜の森に響き渡った。
エリーナは最後の力を振り絞った。風と炎を組み合わせた魔法を放ち、魔物を包み込んだ。
魔物は大きな悲鳴を上げ、地面に倒れ込んだ。森に静寂が戻る。
「やった⋯⋯」
エリーナは息を切らしながら呟いた。その声には、驚きと達成感が混ざっていた。
リュシアンは満面の笑みを浮かべていた。
「素晴らしい! これほどまでに成長するとは」
エリーナは自分の手を見つめた。まだ小さく震えている。しかし、その震えは恐怖からではなく、興奮からだった。
「私⋯⋯本当にやったんですね」
「ああ、君は確実に強くなっている。もう、以前のような弱々しい少女ではない」
その言葉に、エリーナの目に涙が浮かんだ。それは喜びの涙であり、また自分の中の変化を感じての複雑な感情の表れでもあった。
「リュシアンさん⋯ありがとうございます」
その言葉には、感謝以上の思いが込められていた。リュシアンは優しく彼女の頭を撫でた。
「君の努力の賜物だ。誇りに思え」
二人はいつもの訓練場所に戻った。
「エリーナ、そろそろ、次の段階に進むときだ」
「次の⋯⋯段階?」
「ああ、君の才能は、もはやここでの訓練だけでは足りない。本格的な教育が必要だ」
エリーナは息を呑んだ。彼女の中で、期待と不安が渦巻いていた。
「まさか⋯⋯」
「そうだ、魔法学院への入学を考えるときが来た」
リュシアンは微笑みながら告げた。その言葉に、エリーナの心臓が跳ね上がった。
魔法学院⋯⋯それは彼女にとって、夢のような存在だった。幼い頃から憧れていた場所。しかし同時に、現実の壁を感じずにはいられなかった。
「でも⋯⋯私には無理です。家族が⋯⋯」
エリーナの声には、諦めと悲しみが混ざっていた。
「俺に任せろ。必ず道を開く。君の才能を埋もれさせるわけにはいかない」
エリーナは黙って頷いた。不安と期待が入り混じる複雑な感情だった。
「これからは、学院への入学試験に向けた特別訓練をする。もっと厳しくなるが、耐えられるか?」
「はい。どんなことでも頑張ります」
エリーナは強く頷いた。その様子にリュシアンは満足げに笑った。
「その意気だ」
その夜、エリーナは決意に満ちた心で屋敷に戻った。家族との葛藤、厳しい訓練、そして未知の将来⋯⋯。全てが彼女を待ち受けていた。
しかし、もはや彼女は怖れてはいなかった。リュシアンという強力な味方を得て、自らの力を信じられるようになった今、エリーナは前を向いて歩み始めていた。
魔法学院⋯⋯。それは彼女にとって、新たな世界への扉だった。その扉を開くため、エリーナは全力を尽くす覚悟を決めたのだった
しかし、家族との軋轢は深まるばかりだった。
父ロバートの視線は日に日に厳しくなり、その目には疑惑と失望が混ざっていた。母カタリナの無関心さは変わらなかったが、時折エリーナに向ける視線には、かすかな不安の色が見えた。妹アリスは、エリーナが何かを隠していると疑い始めていた。夜中に姉の部屋の前をうろつく足音が聞こえることもあった。
それでも、エリーナは毎晩の訓練を欠かさなかった。時には眠気と闘いながら、時には家族の疑いの目をかわしながら、彼女は必死に魔法の道を歩み続けた。体は疲労に満ちていたが、心は燃えるような情熱で満たされていた。
ある晩、リュシアンは特別な訓練を提案した。彼の目には、いつもの優しさと共に、ある種の緊張感が宿っていた。
「今夜は、実践的な訓練をしよう」
「実践⋯⋯ですか?」
「ああ、この森はもっと深くまで行くと、時々魔物が出る。小型のものだが、君の力を試すには丁度いい」
エリーナは不安そうに周囲を見回した。夜の森は、昼間とは全く違う顔を見せていた。木々の影は長く伸び、風の音さえ不気味に聞こえた。
「本当に⋯⋯大丈夫なんでしょうか」
彼女の声は小さく震えていた。
「心配するな。俺がついている。万が一のときは必ず守る」
リュシアンは彼女の肩に手を置いた。その言葉に、エリーナは勇気づけられた。
二人は森の奥深くへと進んでいった。月明かりが木々の間から漏れ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。足元の枯れ葉を踏む音が、異様に大きく聞こえた。
突然、茂みが激しく揺れた。エリーナの心臓が跳ね上がった。
「来たぞ!」
リュシアンが叫んだ。
巨大な猪のような魔物が飛び出してきた。赤い目をギラつかせ、牙をむき出しにしている。その姿は、エリーナの想像をはるかに超えていた。恐怖で足がすくむ。
「エリーナ、集中するんだ!」
リュシアンの声が、彼女を現実に引き戻した。
エリーナは深呼吸をし、これまでの訓練を思い出した。彼女の手は震えていたが、両手を前に突き出し、魔力を込めた。
「はあっ!」
強烈な風の刃が魔物に向かって放たれた。魔物は悲鳴を上げ、後ずさりした。その瞬間、エリーナの中で何かが変わった。恐怖が薄れ、代わりに自信が湧き上がってきた。
「よし、その調子だ!」
リュシアンの励ましに、エリーナは更に集中した。
今度は小さな炎を手のひらに作り出し、それを魔物に向かって放った。炎は彼女の意志そのものであるかのように、まっすぐに魔物へと向かっていった。魔物は火傷を負い、苦しそうに唸った。
「とどめだ!」
リュシアンの声が、夜の森に響き渡った。
エリーナは最後の力を振り絞った。風と炎を組み合わせた魔法を放ち、魔物を包み込んだ。
魔物は大きな悲鳴を上げ、地面に倒れ込んだ。森に静寂が戻る。
「やった⋯⋯」
エリーナは息を切らしながら呟いた。その声には、驚きと達成感が混ざっていた。
リュシアンは満面の笑みを浮かべていた。
「素晴らしい! これほどまでに成長するとは」
エリーナは自分の手を見つめた。まだ小さく震えている。しかし、その震えは恐怖からではなく、興奮からだった。
「私⋯⋯本当にやったんですね」
「ああ、君は確実に強くなっている。もう、以前のような弱々しい少女ではない」
その言葉に、エリーナの目に涙が浮かんだ。それは喜びの涙であり、また自分の中の変化を感じての複雑な感情の表れでもあった。
「リュシアンさん⋯ありがとうございます」
その言葉には、感謝以上の思いが込められていた。リュシアンは優しく彼女の頭を撫でた。
「君の努力の賜物だ。誇りに思え」
二人はいつもの訓練場所に戻った。
「エリーナ、そろそろ、次の段階に進むときだ」
「次の⋯⋯段階?」
「ああ、君の才能は、もはやここでの訓練だけでは足りない。本格的な教育が必要だ」
エリーナは息を呑んだ。彼女の中で、期待と不安が渦巻いていた。
「まさか⋯⋯」
「そうだ、魔法学院への入学を考えるときが来た」
リュシアンは微笑みながら告げた。その言葉に、エリーナの心臓が跳ね上がった。
魔法学院⋯⋯それは彼女にとって、夢のような存在だった。幼い頃から憧れていた場所。しかし同時に、現実の壁を感じずにはいられなかった。
「でも⋯⋯私には無理です。家族が⋯⋯」
エリーナの声には、諦めと悲しみが混ざっていた。
「俺に任せろ。必ず道を開く。君の才能を埋もれさせるわけにはいかない」
エリーナは黙って頷いた。不安と期待が入り混じる複雑な感情だった。
「これからは、学院への入学試験に向けた特別訓練をする。もっと厳しくなるが、耐えられるか?」
「はい。どんなことでも頑張ります」
エリーナは強く頷いた。その様子にリュシアンは満足げに笑った。
「その意気だ」
その夜、エリーナは決意に満ちた心で屋敷に戻った。家族との葛藤、厳しい訓練、そして未知の将来⋯⋯。全てが彼女を待ち受けていた。
しかし、もはや彼女は怖れてはいなかった。リュシアンという強力な味方を得て、自らの力を信じられるようになった今、エリーナは前を向いて歩み始めていた。
魔法学院⋯⋯。それは彼女にとって、新たな世界への扉だった。その扉を開くため、エリーナは全力を尽くす覚悟を決めたのだった
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