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8.Winter song.-吉澤蛍の場合-
山口の悩み
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お風呂から出て、洗い物を済ました。
ソファーに座ろうと屈んだ所で携帯がなる。
壁掛けの時計を見ると21時を回っていた。
「ごめん、時間過ぎてた!」
『いや良いんだけど、気になって掛けた』
「うん⋯ 」
『で?話って?今日の事とも関係する?』
「うん⋯ 今日さ、打ち合わせ行ったでしょ?例のユニットの話だったんだけとさ。その⋯ 役作りの為にクランクアップまで雪弥と一緒に住む事になった」
『はぁ?何だそれ。雪弥が言い出したの?』
「ううん、為平社長。
だから咄嗟に問題ないですって言った⋯ 」
電話の向こうからは大きな溜め息が聞こえる。
『まぁ仕事だし、社長が言ったならしょうがないか⋯ 相手が誰なのかちゃんと自覚を持って過ごしてほしい』
「え?」
『雪弥に告られてるだろ?』
「⋯⋯ 考え過ぎだよ」
『心配なんだよ』
いつになく真剣な秋良の声に、それ以上言葉を返す事は出来なかった。
『本当はすげー嫌。今すぐ帰って来いって言いたいし社長に抗議したいくらいだけど、ナナツボシのためでもあるから我慢する』
「⋯ うん」
意外にすんなり話はついて拍子抜けする。
その後は何でもない様な雑談をして、30分程で電話を切った。
しんと静まった部屋は少し寂しくて、テレビを付ける。
自分の家だと思って過ごして良いと言われても雪弥の家に来るのもまだ3回目だ。
やはり人の家にいる感は拭えない。
雑談であっても、もう少し秋良と話しておけば良かったと後悔しながらぼんやりテレビ画面を見ていた。
テレビには撫子が映っていた。
秋良とはナナツボシも学校も、家も同じでいつも一緒にいる気がしてたけど、こんなにも寂しい気持ちになってしまうのは何故だろう。
家族も増えたし、雪弥も良くしてくれる。
それなのにひとりではどうしょうもない寂しさが纏わり付いて、早々にリビングから引き上げると、雪弥の匂いのする布団に潜り込んだ。
寝付くまでには時間が掛かる覚悟で目を瞑ったが実際はそんな事無くて、次に目を覚ました時には空が白みかけていた。
背後からは体を包み込む様にして眠る雪弥の寝息が聞こえる。
寝入っている所を見ると、割と早く帰って来れたんだろう。
それでも睡眠時間が少ない事に変わりないだろうと、動いて起こしてしまうのは可哀想で身動き取れずに微睡んでいると再び眠りに落ちていた。
次に目が覚めた頃には室内はしっかり明るくなっていた。
変わらず、腕は腹の所に巻き付いたままだったが、流石に起きなければと、そっと雪弥の腕を退かしベッドから降りた。
スーツケースから洋服を出して、顔を洗って歯を磨いて、着替える。
休日らしいゆったりとした時間の中で準備を始める。
一通り準備が終わると、鞄の中から昨日貰った資料と台本を取り出して読み進める。
鷹と月海の出会いのシーンが終わると鷹が所属する劇団に月海を誘う回想シーン。
直ぐに現代に戻って、劇団で稽古をする劇団員とのシーン。
実際に舞台を使って撮るシーンもある様で、雪弥と同じ劇団で芝居をしてた時と重なる部分が多い。
だから余計に緊張する。
演技云々も勿論、母親との苦い思い出に囚われてしまいそうで怖い。
出来ればこの気持ちも、クランクイン迄には払拭したい所だ。
「はぁ⋯ 」
いつの間に起きていたのか、隣に座った雪弥にどうした?と顔を覗き込まれた。
「あ、起きた?」
「うん、結構早く帰って来れたから寝れた。
それより、何の溜め息?」
「うん⋯ 台本読んだら、母さんの事思い出しただけ」
雪弥はそうかと言って頭をぽんぽんと叩いた。
「そうだ。山口来る前になにか食材買って来ようかと思うんだけど、雪弥何か欲しい物ある?」
「俺も行く」
「ゆっくりしてて良いのに」
「俺が一緒に行きたいから良い」
その雪弥のストレートな言葉と優し気な表情に少し照れくささを感じた。
「じゃっ、じゃあ準備して行こう?」
「うん」
雪弥はクスリと笑って、寝室に戻って行った。
雪弥が近所のスーパーに行くなんて、どんな重装備で出てくるのかと期待したが、案外普通で休日らしいラフな服装に黒縁の眼鏡をかけただけの、変装とは言えない服装で拍子抜けする。
「行くか」
「そんなんで外出て大丈夫?」
「どうだろ?余り気にしてない。
なかなか食材とか買いに行かないし」
「まぁそうだよね」
「自分が気にする程周りも気にしてないよ」
雪弥がそう言うなら大丈夫なのかも知れない。
雪弥に習って自分も少しくらい変装した方が良いかと思ったが、雪弥の意見にも頷けたので財布とスマートフォンだけをポケットに突っ込むと玄関に向かった。
雪弥の言う通り、特に声を掛けられること無く、目的であった買い出しを済ませることが出来た。
マンションに戻ると、12時を過ぎていて大急ぎで支度をする。
雪弥も手伝ってくれて、 山口が来るまでには作り終わると思ったが、山口が来たのが約束の時間よりは若干早く、結果待たせる事になってしまった。
「なんか急かしちゃったみたいでごめん。
雪弥さんもスイマセン」
「いや、大丈夫」
「気にしないで食べて」
「ありがとう。いただきます」
美味いと食べる山口を見てから、箸を持って料理を摘む。
食事が進むと、山口から質問が飛んでくる。
「役作りだっけ?
何か特別にやってる事あるの?」
「いや、昨日は夜雪弥が仕事だったから何も。
今日も夕方から仕事だし」
「確かに雪弥さんはTRAPとして出るよりも1人の方が露出多いですよね。単純に千尋さんよりも仕事量倍なんじゃないかって思ってます」
「何?山口は雪弥のファンなの?」
「うん、中学の頃から見てたよ。
特に最近は吉澤達もいるし、前より気にして見てる」
山口は持っていた箸を茶碗の上に置くと座り直した。
「⋯ で、相談なんですが」
山口の真剣な表情に、同じく箸を置く。
雪弥は握っていたグラスをテーブルに置いた。
「うん」
「俺の叔父さんがマネージャー業やっているんだけど、昔からその姿を見てきてて、人の為に懇親的に働く姿が幼心にかっこいいと感じてさ。
中学の頃から自分も将来はマネージャー業やりたいと思い始めたんだ。だから高校卒業したら柊に行くんだけどね」
「マネージャーか⋯ 」
「うん。だからこの前鷹城さんに話聞いたりもしたんだ。吉澤や雪弥さんなら “マネージャー” という職種の人と関わる機会も多いんじゃないかと思って、話しを聞きにお邪魔させてもらいました」
「それなら秋の方が詳しいんじゃないか?その辺り」
「はい、雨野にもそういう専門に行く事は話して意見もらいました。
今回の事はまだ言ってないんですけど」
「今回の事?」
「実は文化祭の時、為平社長にROOTでバイトしないかって声かけてもらって、学校もあるしそんな片手間で出来る仕事ではない事くらい分かる。けど、専門行ったからって望む職種に就ける訳じゃないだろうからチャンスだとも思ってて⋯ 」
「なるほど」
「前からの夢でもあるし、やる気はあるつもりだし、この話を受けたらそういう現場も見る機会がある訳で、でも学校で学ぶ事だって大切だとも思っている訳ですよ。だからどうしたもんかと思ってて⋯ 」
「為平社長はその辺りの事も解ってて声掛けていると俺は思う。例えば、蛍のマネージャーに付くなら学校に行っている時間と仕事の時間はほぼ一緒な訳だし、最初からタレントに付けるも限らない。本気でマネージャー業やりたいなら、こんなチャンス無いと思うけど」
「うん、社長は思い付きで喋っている様な印象受けるけどそこは良く考えてる人だと思うよ。今まで冗談だと思っても嘘だったことはないしさ、本気で自分の近くに山口を置きたいと思っていると思う。社長直々に声掛かったのは凄いよ、山口」
俯き気味だった山口の顔が上がって驚いた表情に変わっていた。
「そうかな⋯ 」
「うん。それに、山口に付いて貰えたら俺も心強い」
「雨野にも似た様な事言われたよ」
「あはは⋯ だろうね」
山口はスッキリした様な顔で笑うと、再び真剣な顔をした。
「ありがとう。
雪弥さんも、ありがとうございます」
「いや、大したことしてない」
「いえ、充分すぎる程です」
山口の言葉に雪弥も安心している様だった。
人前で余り笑っているのを見た事が無かったが、山口の人の良さがそうさせたんだろう。
会うのが2回目で家にあげたのも不思議に思っていたくらいだが、雪弥のその表情を見て不思議と納得させられた。
ソファーに座ろうと屈んだ所で携帯がなる。
壁掛けの時計を見ると21時を回っていた。
「ごめん、時間過ぎてた!」
『いや良いんだけど、気になって掛けた』
「うん⋯ 」
『で?話って?今日の事とも関係する?』
「うん⋯ 今日さ、打ち合わせ行ったでしょ?例のユニットの話だったんだけとさ。その⋯ 役作りの為にクランクアップまで雪弥と一緒に住む事になった」
『はぁ?何だそれ。雪弥が言い出したの?』
「ううん、為平社長。
だから咄嗟に問題ないですって言った⋯ 」
電話の向こうからは大きな溜め息が聞こえる。
『まぁ仕事だし、社長が言ったならしょうがないか⋯ 相手が誰なのかちゃんと自覚を持って過ごしてほしい』
「え?」
『雪弥に告られてるだろ?』
「⋯⋯ 考え過ぎだよ」
『心配なんだよ』
いつになく真剣な秋良の声に、それ以上言葉を返す事は出来なかった。
『本当はすげー嫌。今すぐ帰って来いって言いたいし社長に抗議したいくらいだけど、ナナツボシのためでもあるから我慢する』
「⋯ うん」
意外にすんなり話はついて拍子抜けする。
その後は何でもない様な雑談をして、30分程で電話を切った。
しんと静まった部屋は少し寂しくて、テレビを付ける。
自分の家だと思って過ごして良いと言われても雪弥の家に来るのもまだ3回目だ。
やはり人の家にいる感は拭えない。
雑談であっても、もう少し秋良と話しておけば良かったと後悔しながらぼんやりテレビ画面を見ていた。
テレビには撫子が映っていた。
秋良とはナナツボシも学校も、家も同じでいつも一緒にいる気がしてたけど、こんなにも寂しい気持ちになってしまうのは何故だろう。
家族も増えたし、雪弥も良くしてくれる。
それなのにひとりではどうしょうもない寂しさが纏わり付いて、早々にリビングから引き上げると、雪弥の匂いのする布団に潜り込んだ。
寝付くまでには時間が掛かる覚悟で目を瞑ったが実際はそんな事無くて、次に目を覚ました時には空が白みかけていた。
背後からは体を包み込む様にして眠る雪弥の寝息が聞こえる。
寝入っている所を見ると、割と早く帰って来れたんだろう。
それでも睡眠時間が少ない事に変わりないだろうと、動いて起こしてしまうのは可哀想で身動き取れずに微睡んでいると再び眠りに落ちていた。
次に目が覚めた頃には室内はしっかり明るくなっていた。
変わらず、腕は腹の所に巻き付いたままだったが、流石に起きなければと、そっと雪弥の腕を退かしベッドから降りた。
スーツケースから洋服を出して、顔を洗って歯を磨いて、着替える。
休日らしいゆったりとした時間の中で準備を始める。
一通り準備が終わると、鞄の中から昨日貰った資料と台本を取り出して読み進める。
鷹と月海の出会いのシーンが終わると鷹が所属する劇団に月海を誘う回想シーン。
直ぐに現代に戻って、劇団で稽古をする劇団員とのシーン。
実際に舞台を使って撮るシーンもある様で、雪弥と同じ劇団で芝居をしてた時と重なる部分が多い。
だから余計に緊張する。
演技云々も勿論、母親との苦い思い出に囚われてしまいそうで怖い。
出来ればこの気持ちも、クランクイン迄には払拭したい所だ。
「はぁ⋯ 」
いつの間に起きていたのか、隣に座った雪弥にどうした?と顔を覗き込まれた。
「あ、起きた?」
「うん、結構早く帰って来れたから寝れた。
それより、何の溜め息?」
「うん⋯ 台本読んだら、母さんの事思い出しただけ」
雪弥はそうかと言って頭をぽんぽんと叩いた。
「そうだ。山口来る前になにか食材買って来ようかと思うんだけど、雪弥何か欲しい物ある?」
「俺も行く」
「ゆっくりしてて良いのに」
「俺が一緒に行きたいから良い」
その雪弥のストレートな言葉と優し気な表情に少し照れくささを感じた。
「じゃっ、じゃあ準備して行こう?」
「うん」
雪弥はクスリと笑って、寝室に戻って行った。
雪弥が近所のスーパーに行くなんて、どんな重装備で出てくるのかと期待したが、案外普通で休日らしいラフな服装に黒縁の眼鏡をかけただけの、変装とは言えない服装で拍子抜けする。
「行くか」
「そんなんで外出て大丈夫?」
「どうだろ?余り気にしてない。
なかなか食材とか買いに行かないし」
「まぁそうだよね」
「自分が気にする程周りも気にしてないよ」
雪弥がそう言うなら大丈夫なのかも知れない。
雪弥に習って自分も少しくらい変装した方が良いかと思ったが、雪弥の意見にも頷けたので財布とスマートフォンだけをポケットに突っ込むと玄関に向かった。
雪弥の言う通り、特に声を掛けられること無く、目的であった買い出しを済ませることが出来た。
マンションに戻ると、12時を過ぎていて大急ぎで支度をする。
雪弥も手伝ってくれて、 山口が来るまでには作り終わると思ったが、山口が来たのが約束の時間よりは若干早く、結果待たせる事になってしまった。
「なんか急かしちゃったみたいでごめん。
雪弥さんもスイマセン」
「いや、大丈夫」
「気にしないで食べて」
「ありがとう。いただきます」
美味いと食べる山口を見てから、箸を持って料理を摘む。
食事が進むと、山口から質問が飛んでくる。
「役作りだっけ?
何か特別にやってる事あるの?」
「いや、昨日は夜雪弥が仕事だったから何も。
今日も夕方から仕事だし」
「確かに雪弥さんはTRAPとして出るよりも1人の方が露出多いですよね。単純に千尋さんよりも仕事量倍なんじゃないかって思ってます」
「何?山口は雪弥のファンなの?」
「うん、中学の頃から見てたよ。
特に最近は吉澤達もいるし、前より気にして見てる」
山口は持っていた箸を茶碗の上に置くと座り直した。
「⋯ で、相談なんですが」
山口の真剣な表情に、同じく箸を置く。
雪弥は握っていたグラスをテーブルに置いた。
「うん」
「俺の叔父さんがマネージャー業やっているんだけど、昔からその姿を見てきてて、人の為に懇親的に働く姿が幼心にかっこいいと感じてさ。
中学の頃から自分も将来はマネージャー業やりたいと思い始めたんだ。だから高校卒業したら柊に行くんだけどね」
「マネージャーか⋯ 」
「うん。だからこの前鷹城さんに話聞いたりもしたんだ。吉澤や雪弥さんなら “マネージャー” という職種の人と関わる機会も多いんじゃないかと思って、話しを聞きにお邪魔させてもらいました」
「それなら秋の方が詳しいんじゃないか?その辺り」
「はい、雨野にもそういう専門に行く事は話して意見もらいました。
今回の事はまだ言ってないんですけど」
「今回の事?」
「実は文化祭の時、為平社長にROOTでバイトしないかって声かけてもらって、学校もあるしそんな片手間で出来る仕事ではない事くらい分かる。けど、専門行ったからって望む職種に就ける訳じゃないだろうからチャンスだとも思ってて⋯ 」
「なるほど」
「前からの夢でもあるし、やる気はあるつもりだし、この話を受けたらそういう現場も見る機会がある訳で、でも学校で学ぶ事だって大切だとも思っている訳ですよ。だからどうしたもんかと思ってて⋯ 」
「為平社長はその辺りの事も解ってて声掛けていると俺は思う。例えば、蛍のマネージャーに付くなら学校に行っている時間と仕事の時間はほぼ一緒な訳だし、最初からタレントに付けるも限らない。本気でマネージャー業やりたいなら、こんなチャンス無いと思うけど」
「うん、社長は思い付きで喋っている様な印象受けるけどそこは良く考えてる人だと思うよ。今まで冗談だと思っても嘘だったことはないしさ、本気で自分の近くに山口を置きたいと思っていると思う。社長直々に声掛かったのは凄いよ、山口」
俯き気味だった山口の顔が上がって驚いた表情に変わっていた。
「そうかな⋯ 」
「うん。それに、山口に付いて貰えたら俺も心強い」
「雨野にも似た様な事言われたよ」
「あはは⋯ だろうね」
山口はスッキリした様な顔で笑うと、再び真剣な顔をした。
「ありがとう。
雪弥さんも、ありがとうございます」
「いや、大したことしてない」
「いえ、充分すぎる程です」
山口の言葉に雪弥も安心している様だった。
人前で余り笑っているのを見た事が無かったが、山口の人の良さがそうさせたんだろう。
会うのが2回目で家にあげたのも不思議に思っていたくらいだが、雪弥のその表情を見て不思議と納得させられた。
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