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5.初めてのときめき
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社交界の日がやってきた。
ミアは用意していたドレスにアクセサリーを身に着けて、髪をアップに整える。
「ミア様、大変お美しいです」
召使い達がみな感嘆のため息をついた。
ミアはもともと美しい容姿をしているので、着飾れば見惚れるほどに綺麗だった。
「ありがとう。行ってきます」
手伝ってくれた使用人たちに声をかけ、迎えの馬車に乗り込んだ。
少し揺られ、王宮へと向かう。
王宮の敷地に入り、指定された場所で馬車を降りる。
エスコートを受けて、会場となる王宮大広間へと着いた。
当り前だが、王宮には社交界以外は行くことはまずない。
父は議員職に就いているが、そうした特別な者でない限り入れる場所ではないのだ。
ミアは大広間の入口で緊張していた。
前回はサラサと一緒だったので一人来るのは初めてだ。
クラスメイトが何人かいるが、ミアはもともと友達が多い方ではない。
でも入り口でグズグズしているわけにもいかないし……。
仕方なく中に入った。
(端の方に居ればいいかしら)
そう思ったが、ミアはその美しさから人目を引いていた。
入った瞬間から、注目を集めていた。
「ミアさん、お姉様のご婚約おめでとうございます」
そう近くの人に声をかけられると、それをきっかけにわらわらと寄ってきて話しかけられた。
「レスカルト家のミアさんね。初めまして。お姉様がご婚約された話は聞いています」
「凄いわよね、第7王位継承者のカズバン様とご婚約なんて」
「サラサ様は美しいから当然ですわよね」
名前も知らないような人たちが声をかけて来て、ミアは当惑しつつ曖昧に笑顔を浮かべる。
「でもまぁ、サラサ様は社交界でも積極的でしたからね……」
「あぁ、ねぇ。カズバン様を見つけた時も、誰よりも積極的でらっしゃったから……」
含み笑いをしながらそう話す人もいた。
その雰囲気からサラサが社交界で男性に積極的にアプローチをしていたことがうかがえる。
サラサのことだ、周りの目など気にせずに自分本位で動いていたのかもしれない。
(なるほど……。お姉様の振る舞いをよく思わない人もいたのね……)
きっと自分の振る舞いも見られているのだろうとミアは思った。
そもそもミアは姉サラサのように積極的に動けるタイプではないので、社交界中も自分から誰かに話しかけることはほぼなかった。
もちろん、その美しさから話しかけてくる男性は多かったがサラサのように会話が弾まないと気が付くと、皆離れて行ったのだ。
(もう帰りたいわ……)
ミアは疲れてしまい、会場の外である庭園が見えるバルコニーへ出た。
夜風が心地よくて、気持ちがさっぱりしてくる。
少し肌寒いので、誰もいないところがまた良かった。
「私にはこういう場所は合わないわね……」
ぽつりと呟いた。
すると――。
「疲れたのか?」
不意にそう声をかけられてミアは顔を上げた。
辺りを見回すが、近くには誰もいない。
「え……?」
「ここだよ、ミア」
声がする方を見ると、バルコニーの外の園庭側にクラウが立っていた。
手すり脇の茂みにおり、暗さもあって人がいることに気が付かなった。
「クラウ様! どうしてここへ?」
「俺も一応、出席するよう言われたんだけどね。正式な場は平気だけど、こういう男女交流の場は苦手だから逃げてきた」
社交界をはっきり男女交流の場だと言うクラウに少し驚く。
社交の場という名目だが、ここ最近では結婚相手を見つけるお見合い会場と化していることが多かった。
クラウはそこに気が付いていたから揶揄するような言い方をしたのだ。
「私も……、苦手です」
「だろうな」
苦笑するクラウを見る。
ミアがいるバルコニーの方が少し高い位置にあるので、園庭側にいるクラウを見下ろす形となる。
背の高いクラウを見下ろすのはなんだか不思議な気分だった。
「ミアのお姉さんはカズバン殿に嫁ぐそうだな。おめでとう」
「ありがとうございます」
「? 浮かない顔だな」
暗い中でもその表情の違いに気が付いたクラウは首を傾げた。
ミアは苦笑した。
「お姉様の結婚は喜ばしいことですけど、私にとってはどうでもいいことなので……」
そう口に出て、しまったと手で塞ぐ。
仮にも姉の結婚をどうでもいいだなんて言っていいことではない。
ミアが焦っていると、クラウはぽかんとした顔をした後、フフっと笑った。
「姉の結婚がどうでもいいとかはっきりいうね。まさか仲が悪いのか?」
「……良くはありませんね。私とお姉様は異母兄弟なのです。実母が亡くなって、レスカルト家へ引き取られました。だからお義母様やお姉様にとって私は疎ましい存在のようで……。好かれていないようです」
暗くならないように笑って話すが、クラウは真剣に聞いていてくれた。
「いじめられているのか?」
「いいえ……、そんなに露骨に酷いことはされていませんよ」
ミアの言い方にクラウもなんとなく状況は理解したのだろう。
顔は険しいままだった。
ミアは後悔した。
どうしてクラウにこんな話をしてしまったのだろう。
母や姉の悪口みたいなことを……。絶対話してはいけないことなのに……。
親しくなった相手だから、口が滑ってしまったのかもしれない。
ポロっと口から出た話だったが、一番言ってはいけない話だった。
「クラウ様、ごめんなさい。今の話は聞かなかったことにしてくださいね」
クラウは誰かに話したりはしないだろうが、念のためそう口止めする。
クラウは小さく頷いた後、ミアを見つめた。
「……ミア、辛いことが多いか?」
「いいえ……。愛人の娘を引き取ってくださっただけでも感謝しています。衣食住を与えられ、学校にも行かせてもらえている。母と二人で暮らしていたころより、良い暮らしを与えてもらっています」
だからサラサや義母の仕打ちなどたいしたことではなかった。
極力関わらないよう過ごせば、特に辛いことはない。
「……そうか。何かあれば俺に言え」
「クラウ様……、ありがとうございます」
心配してくれるクラウの気持ちに嬉しくなる。
暗くて気が付かなかったが、クラウは軍服のような服を着ていた。
隣国の正装なのだろう。
凛としていてとても素敵だった。
「ミアは……、今日の社交界で良い人と巡り会えたか?」
クラウはどこか言いにくそうに聞いてきた。
「いいえ。私、人付き合いが苦手だからか、皆さん話はしてくださいますが最後はどこかへ行ってしまうようです」
自嘲気味に笑う。
するとクラウも軽く微笑んだ。
「そうか……。今日のミアは一段と美しいからもう他の男性と巡り会ってしまったかと思った」
「え……」
一段と美しい。
そう言われて、ミアはドキッとした。
そして頬が熱くなり鼓動が早くなる。
(クラウ様に美しいなんて言われるとドキドキしてしまうわ……)
「クラウ様も……、凛としていつも以上に素敵なので女性が放っておかないのでは?」
そう言うとクラウは少し驚いた顔をした後、満面の笑顔を見せた。
「なんだろうな、ミアにそう言われると嬉しい気持ちになる。俺は最初だけ顔を出しただけだから、女性とまともに会話すらしていないよ」
クラウは手すりから身を乗り出して自分を見ているミアに言った。
「ミアだけだ。こうして話をしたのは」
クラウの言葉に、ミアは胸の奥が締め付けられるような感じがした。
ドキドキして苦しい。
でも辛い苦しさだけではなく、もっとクラウに近づきたい。
手を伸ばして触れてみたい。
初めて味わう感覚だった。
「クラウ様……、あの……」
もっと話がしたい。
ミアは園庭へ降りようと考えた。
すると会場から締めの挨拶が聞こえ、社交界がお開きになるのが分かった。
「あ……」
「もう帰る時間だろう? ミア、またいつものところで話そう」
いつものところとは、あの湖を指しているのだろう。
「はい。お待ちしていますね」
「あぁ……。そうだ、ミア」
クラウがミアを呼び止めた。
「なんでしょうか?」
「今度は俺とダンスでもしよう」
クラウはそう言って微笑むと、暗闇の中へ消えて行った。
「社交界でダンス……」
それは‘あなたと親しくなりたい’‘あなたのことをもっと知りたい’
この国の社交界の場でダンスを誘うということはそんな意味が込められている。
クラウがそれをわかっていて言ったかは不明だ。
でも……。
「クラウ様……」
ミアは胸がドキドキして止まらなかった。
初めて異性にときめきを覚えたのだ。
(嬉しい……。私ももっとクラウ様のことが知りたいです)
ミアは自然と頬が緩んで笑みがこぼれた。
ミアは用意していたドレスにアクセサリーを身に着けて、髪をアップに整える。
「ミア様、大変お美しいです」
召使い達がみな感嘆のため息をついた。
ミアはもともと美しい容姿をしているので、着飾れば見惚れるほどに綺麗だった。
「ありがとう。行ってきます」
手伝ってくれた使用人たちに声をかけ、迎えの馬車に乗り込んだ。
少し揺られ、王宮へと向かう。
王宮の敷地に入り、指定された場所で馬車を降りる。
エスコートを受けて、会場となる王宮大広間へと着いた。
当り前だが、王宮には社交界以外は行くことはまずない。
父は議員職に就いているが、そうした特別な者でない限り入れる場所ではないのだ。
ミアは大広間の入口で緊張していた。
前回はサラサと一緒だったので一人来るのは初めてだ。
クラスメイトが何人かいるが、ミアはもともと友達が多い方ではない。
でも入り口でグズグズしているわけにもいかないし……。
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「ミアさん、お姉様のご婚約おめでとうございます」
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「レスカルト家のミアさんね。初めまして。お姉様がご婚約された話は聞いています」
「凄いわよね、第7王位継承者のカズバン様とご婚約なんて」
「サラサ様は美しいから当然ですわよね」
名前も知らないような人たちが声をかけて来て、ミアは当惑しつつ曖昧に笑顔を浮かべる。
「でもまぁ、サラサ様は社交界でも積極的でしたからね……」
「あぁ、ねぇ。カズバン様を見つけた時も、誰よりも積極的でらっしゃったから……」
含み笑いをしながらそう話す人もいた。
その雰囲気からサラサが社交界で男性に積極的にアプローチをしていたことがうかがえる。
サラサのことだ、周りの目など気にせずに自分本位で動いていたのかもしれない。
(なるほど……。お姉様の振る舞いをよく思わない人もいたのね……)
きっと自分の振る舞いも見られているのだろうとミアは思った。
そもそもミアは姉サラサのように積極的に動けるタイプではないので、社交界中も自分から誰かに話しかけることはほぼなかった。
もちろん、その美しさから話しかけてくる男性は多かったがサラサのように会話が弾まないと気が付くと、皆離れて行ったのだ。
(もう帰りたいわ……)
ミアは疲れてしまい、会場の外である庭園が見えるバルコニーへ出た。
夜風が心地よくて、気持ちがさっぱりしてくる。
少し肌寒いので、誰もいないところがまた良かった。
「私にはこういう場所は合わないわね……」
ぽつりと呟いた。
すると――。
「疲れたのか?」
不意にそう声をかけられてミアは顔を上げた。
辺りを見回すが、近くには誰もいない。
「え……?」
「ここだよ、ミア」
声がする方を見ると、バルコニーの外の園庭側にクラウが立っていた。
手すり脇の茂みにおり、暗さもあって人がいることに気が付かなった。
「クラウ様! どうしてここへ?」
「俺も一応、出席するよう言われたんだけどね。正式な場は平気だけど、こういう男女交流の場は苦手だから逃げてきた」
社交界をはっきり男女交流の場だと言うクラウに少し驚く。
社交の場という名目だが、ここ最近では結婚相手を見つけるお見合い会場と化していることが多かった。
クラウはそこに気が付いていたから揶揄するような言い方をしたのだ。
「私も……、苦手です」
「だろうな」
苦笑するクラウを見る。
ミアがいるバルコニーの方が少し高い位置にあるので、園庭側にいるクラウを見下ろす形となる。
背の高いクラウを見下ろすのはなんだか不思議な気分だった。
「ミアのお姉さんはカズバン殿に嫁ぐそうだな。おめでとう」
「ありがとうございます」
「? 浮かない顔だな」
暗い中でもその表情の違いに気が付いたクラウは首を傾げた。
ミアは苦笑した。
「お姉様の結婚は喜ばしいことですけど、私にとってはどうでもいいことなので……」
そう口に出て、しまったと手で塞ぐ。
仮にも姉の結婚をどうでもいいだなんて言っていいことではない。
ミアが焦っていると、クラウはぽかんとした顔をした後、フフっと笑った。
「姉の結婚がどうでもいいとかはっきりいうね。まさか仲が悪いのか?」
「……良くはありませんね。私とお姉様は異母兄弟なのです。実母が亡くなって、レスカルト家へ引き取られました。だからお義母様やお姉様にとって私は疎ましい存在のようで……。好かれていないようです」
暗くならないように笑って話すが、クラウは真剣に聞いていてくれた。
「いじめられているのか?」
「いいえ……、そんなに露骨に酷いことはされていませんよ」
ミアの言い方にクラウもなんとなく状況は理解したのだろう。
顔は険しいままだった。
ミアは後悔した。
どうしてクラウにこんな話をしてしまったのだろう。
母や姉の悪口みたいなことを……。絶対話してはいけないことなのに……。
親しくなった相手だから、口が滑ってしまったのかもしれない。
ポロっと口から出た話だったが、一番言ってはいけない話だった。
「クラウ様、ごめんなさい。今の話は聞かなかったことにしてくださいね」
クラウは誰かに話したりはしないだろうが、念のためそう口止めする。
クラウは小さく頷いた後、ミアを見つめた。
「……ミア、辛いことが多いか?」
「いいえ……。愛人の娘を引き取ってくださっただけでも感謝しています。衣食住を与えられ、学校にも行かせてもらえている。母と二人で暮らしていたころより、良い暮らしを与えてもらっています」
だからサラサや義母の仕打ちなどたいしたことではなかった。
極力関わらないよう過ごせば、特に辛いことはない。
「……そうか。何かあれば俺に言え」
「クラウ様……、ありがとうございます」
心配してくれるクラウの気持ちに嬉しくなる。
暗くて気が付かなかったが、クラウは軍服のような服を着ていた。
隣国の正装なのだろう。
凛としていてとても素敵だった。
「ミアは……、今日の社交界で良い人と巡り会えたか?」
クラウはどこか言いにくそうに聞いてきた。
「いいえ。私、人付き合いが苦手だからか、皆さん話はしてくださいますが最後はどこかへ行ってしまうようです」
自嘲気味に笑う。
するとクラウも軽く微笑んだ。
「そうか……。今日のミアは一段と美しいからもう他の男性と巡り会ってしまったかと思った」
「え……」
一段と美しい。
そう言われて、ミアはドキッとした。
そして頬が熱くなり鼓動が早くなる。
(クラウ様に美しいなんて言われるとドキドキしてしまうわ……)
「クラウ様も……、凛としていつも以上に素敵なので女性が放っておかないのでは?」
そう言うとクラウは少し驚いた顔をした後、満面の笑顔を見せた。
「なんだろうな、ミアにそう言われると嬉しい気持ちになる。俺は最初だけ顔を出しただけだから、女性とまともに会話すらしていないよ」
クラウは手すりから身を乗り出して自分を見ているミアに言った。
「ミアだけだ。こうして話をしたのは」
クラウの言葉に、ミアは胸の奥が締め付けられるような感じがした。
ドキドキして苦しい。
でも辛い苦しさだけではなく、もっとクラウに近づきたい。
手を伸ばして触れてみたい。
初めて味わう感覚だった。
「クラウ様……、あの……」
もっと話がしたい。
ミアは園庭へ降りようと考えた。
すると会場から締めの挨拶が聞こえ、社交界がお開きになるのが分かった。
「あ……」
「もう帰る時間だろう? ミア、またいつものところで話そう」
いつものところとは、あの湖を指しているのだろう。
「はい。お待ちしていますね」
「あぁ……。そうだ、ミア」
クラウがミアを呼び止めた。
「なんでしょうか?」
「今度は俺とダンスでもしよう」
クラウはそう言って微笑むと、暗闇の中へ消えて行った。
「社交界でダンス……」
それは‘あなたと親しくなりたい’‘あなたのことをもっと知りたい’
この国の社交界の場でダンスを誘うということはそんな意味が込められている。
クラウがそれをわかっていて言ったかは不明だ。
でも……。
「クラウ様……」
ミアは胸がドキドキして止まらなかった。
初めて異性にときめきを覚えたのだ。
(嬉しい……。私ももっとクラウ様のことが知りたいです)
ミアは自然と頬が緩んで笑みがこぼれた。
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