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8.嫉妬の夢
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あれはきっとカザヤ様だったのだろうと、騎士団訓練を見ながら思った。
王宮騎士団の訓練後、いつも目の端に止まっていた男性の姿が見られなくなった。いつも手当の時間はワサト隊長の側にいる、長身で体躯もしっかりした若い男性。
頭から甲冑に身を包んでいるため顔が分からないが、時々、その人から強い視線を感じることがあった。
最近、その人の姿がない。
騎士団の人にそれとなくその男性のことを聞けば、騎士団を辞めて田舎に帰ったらしいという噂を聞いたと教えられた。
きっと国王に就任したため、忙しくて訓練に参加する時間がないのだろう。
そう予測するのは、毎日部屋に行ってもギリギリまで忙しそうにする姿を見ているからだ。
「私なんか相手にせずに休んでほしいのに……」
そんな思いが言葉に出る。
しゃがみ込んだ先の花壇に生える小さな花が頷くように揺れた。
「ラナに癒しを求めているから毎日部屋に呼ぶんだろう?」
急にそう声をかけられ、ハッと顔を上げる。
そこにはワサト隊長が口角をあげ、汗を拭きながら立っていた。騎士団の訓練は解散となり、みんな訓練場を引き上げ始めている。
周りには誰もいなくなったけれど、ワサト隊長が声をかけてきたということはどこか手当てをしてほしいのだろうか。
「ワサト隊長様。どこかお怪我を?」
手当てをしようと薬が入っているバックを漁る。それを軽く手で制された。
「いや、どこも怪我なんてしていないよ。ただラナが寂しそうな顔をしていたから、つい声をかけちまっただけだ」
その含むいい方にサッと頬が熱くなる。
考えていたことを読まれてしまったようだ。
「‘彼’はさすがにもう訓練には参加できないからな。田舎に帰ったことにさせてもらったよ。時間がある時に個別に練習相手をしているけれどな」
そんな時間がどこにあるのだろう。
そんな疑問がよぎるが、カザヤ様のすべてを知るわけではないので口には出さなかった。
「そうでしたか。ご無理なさらなければよいのですが……」
「ラナとの時間が唯一安らげる時なんだ。嫌がらずに相手をしてあげてくれないか」
国王であるカザヤ様に対しての物言いにしては偉そうだが、ワサト隊長からはカザヤ様の師としての顔が見られた。
その口ぶりから、きっと私が毎日部屋に呼ばれていることも聞いているのだろう。
それだけワサト隊長がカザヤ様から信頼されているのだと感じる。
「私が安らげるだなんて、ご冗談を……。私はただただカザヤ様に休んでいただきたいのです」
「だからそれが……。フッ、まぁいいか。あまり俺がでしゃばるのもな」
ワサト隊長は苦笑しながらガシガシと頭をかく。
私が首をかしげると、ワサト隊長が私に向き合った。
「カザヤ様はお前との時間を求めている。お前はただカザヤ様に寄り添えばいいんだと思うぞ」
難しく考えるな。
そう言われている気がした。
「それでよいのでしょうか……」
「お前の心配はわかるがな。お前がカザヤ様の休息になっているんだ。お前があれこれ考えすぎることではないと思うぞ」
私なんかが休息になるのだろうか。邪魔になっていないだろうか。
カザヤ様から毎日来るようにと言い出した手前、もう来るなと言えないだけなのではないだろうか。
そんなことばかりが頭をよぎる。
そう思ってしまうくらいに、カザヤ様は忙しそうだから……。
俯く私の頭をワサト隊長は慰めるように撫でた。
「もっと胸を張れ。お前は薬師としてカザヤ様を癒すんだ」
そう言われてハッとする。
そうだ、私は薬師だ。何のために行くべきか、意味が見いだせた気がした。
「癒す……。そうですね、ワサト隊長様、ありがとうございます。私がカザヤ様の元へ行く意味を見つけた気がします」
そう答えると、少し複雑そうな顔をされた。
「こうでも言わないと、お前は納得しないだろう?」
ボソッと呟くワサト隊長に首をかしげる。
風の音でうまく聞き取れなかった。
「おっと……!」
「なんですか?」
「いいや。ちょっとばかり殺気を感じただけさ」
慌てたように私の頭から手が離れた。
ワサト隊長の視線の先を追うが、誰もそこにはいなかった。
仕事終わりに、いつも通りカザヤ様の部屋を訪ねる。
声がかかり室内に入ると普段はいるバルガの姿はなく、カザヤ様が珍しくソファーに座っていた。いつも穏やかな表情のカザヤ様が、どこか不機嫌そうにむすっとしている。
どうしたのだろうか?
いつもと違う様子に戸惑って、ソファーの側で足が止まる。
「カザヤ様……? どうかなさいましたか?」
控えめに声をかけると、カザヤ様は私の手首をつかんで引き寄せた。
「きゃぁ!」
バランスを崩してソファーに倒れ込む。
弾みでカザヤ様の胸に飛び込む形となってしまった。慌てて離れようとするが、カザヤ様の手が肩を掴んで離さない。
その筋肉質な逞しい体とカザヤ様のいい香りがして顔が真っ赤になり、呼吸が苦しくなってしまう。
「カ、カザヤ様!」
声をかけると、頭上から「はぁぁ」と深いため息が聞こえた。
そしてゆっくりと体を離される。
「ごめん」
そこにはいつもの穏やかな表情を浮かべたカザヤ様がいた。もう不機嫌そうな様子も見られない。
あれは何だったんだろう。
聞きたいが、胸がドキドキして言葉にならなかった。
「あ、お茶入れますね」
側から離れる理由を作って、お茶セットが置いてあるワゴンへと向かう。動揺のせいか、茶葉がうまくセットできない。
ゆっくりゆっくりやっていると、後ろに気配を感じた。
カザヤ様が肩越しに手元を覗き込んでくる。
「なんの紅茶?」
「ア、アールグレイです…」
「いい香りだ。俺好きなんだよね」
距離が近い。顔が熱くなる。
カザヤ様に耳元で言われ、ドキッとしてお湯をこぼす。
「あつっ!」
「大丈夫か?」
カザヤ様が慌てて私の手を掴むと洗面まで連れて行く。冷たい水を流して私の手を冷やした。
『好きなんだよね』
なんて耳元で言われたら、紅茶の話だと分かっていても顔が赤くなって手元が震えてしまった。
今も後ろから抱きしめられるような形で手を冷やされている。背中にカザヤ様の温もりを感じ、大きな手が私を包んでいる。
心臓がドキドキなって口から飛び出すのではないかと思うくらいだ。
冷やし終えると、カザヤ様は私の手を掴んでやけどをしていないかまじまじと見つめる。手を引っ込めたいのにしっかりと掴まれていて動かせない。
「ありがとうございます。あの……、もう大丈夫ですから……」
恥ずかしくて目をそらす。
しかしカザヤ様は手を放そうとしない。
「カ、カザヤ様……? 今日はどうしたのですか?」
沈黙が気まずくて、なんとか言葉を絞り出す。
深まれた手は熱い。触れ合うだけでこんなにドキドキするなんて思いもしなかった。
「お前に……」
カザヤ様は呟いて顔を歪めた。
「お前に触れるのは、俺だけであってほしいと思ってしまったからかな……」
苦しそうなその顔から目が離せなかった。
どういう意味だろう……?
「私に触れる……?」
「なんでもない。お茶は俺が入れよう。お前は座っていな」
顔をあげたカザヤ様はいつものように笑顔を向けた。
紅茶を入れなおす姿を見ながら、私は胸を落ち着かせる。
どうして急にあんなことを? 私に触れるのはカザヤ様だけがいいと思った?
それってどういう……。
はっと目を見開いた。
昼間の出来事が頭をよぎる。
『お前は薬師としてカザヤ様を癒すんだ』
ワサト隊長はそう言って私の頭を撫でた。その後、慌てたように手を放していた。
まさか……。
「カザヤ様、今日訓練場の近くにいらっしゃいましたか?」
そう聞くと、カザヤ様は振り返って笑顔を見せた。
「今日はずっと執務室にいたよ」
「そうですか……」
どうして? なんで? とか聞かないのね。
私は出されたお紅茶を受け取って、温かい湯気を冷ますように息を吹きかけた。
湯気が私の頬を温める。
「顔が赤い。そんなに熱かった?」
クスっと笑われて曖昧に微笑みながら目をそらす。
だって、勘違いかもしれないし。私が自意識過剰なだけかもしれないし。
まさか、カザヤ様があの時、嫉妬してくれただなんて都合よすぎる夢でしょう?
王宮騎士団の訓練後、いつも目の端に止まっていた男性の姿が見られなくなった。いつも手当の時間はワサト隊長の側にいる、長身で体躯もしっかりした若い男性。
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最近、その人の姿がない。
騎士団の人にそれとなくその男性のことを聞けば、騎士団を辞めて田舎に帰ったらしいという噂を聞いたと教えられた。
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そう予測するのは、毎日部屋に行ってもギリギリまで忙しそうにする姿を見ているからだ。
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「ワサト隊長様。どこかお怪我を?」
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「いや、どこも怪我なんてしていないよ。ただラナが寂しそうな顔をしていたから、つい声をかけちまっただけだ」
その含むいい方にサッと頬が熱くなる。
考えていたことを読まれてしまったようだ。
「‘彼’はさすがにもう訓練には参加できないからな。田舎に帰ったことにさせてもらったよ。時間がある時に個別に練習相手をしているけれどな」
そんな時間がどこにあるのだろう。
そんな疑問がよぎるが、カザヤ様のすべてを知るわけではないので口には出さなかった。
「そうでしたか。ご無理なさらなければよいのですが……」
「ラナとの時間が唯一安らげる時なんだ。嫌がらずに相手をしてあげてくれないか」
国王であるカザヤ様に対しての物言いにしては偉そうだが、ワサト隊長からはカザヤ様の師としての顔が見られた。
その口ぶりから、きっと私が毎日部屋に呼ばれていることも聞いているのだろう。
それだけワサト隊長がカザヤ様から信頼されているのだと感じる。
「私が安らげるだなんて、ご冗談を……。私はただただカザヤ様に休んでいただきたいのです」
「だからそれが……。フッ、まぁいいか。あまり俺がでしゃばるのもな」
ワサト隊長は苦笑しながらガシガシと頭をかく。
私が首をかしげると、ワサト隊長が私に向き合った。
「カザヤ様はお前との時間を求めている。お前はただカザヤ様に寄り添えばいいんだと思うぞ」
難しく考えるな。
そう言われている気がした。
「それでよいのでしょうか……」
「お前の心配はわかるがな。お前がカザヤ様の休息になっているんだ。お前があれこれ考えすぎることではないと思うぞ」
私なんかが休息になるのだろうか。邪魔になっていないだろうか。
カザヤ様から毎日来るようにと言い出した手前、もう来るなと言えないだけなのではないだろうか。
そんなことばかりが頭をよぎる。
そう思ってしまうくらいに、カザヤ様は忙しそうだから……。
俯く私の頭をワサト隊長は慰めるように撫でた。
「もっと胸を張れ。お前は薬師としてカザヤ様を癒すんだ」
そう言われてハッとする。
そうだ、私は薬師だ。何のために行くべきか、意味が見いだせた気がした。
「癒す……。そうですね、ワサト隊長様、ありがとうございます。私がカザヤ様の元へ行く意味を見つけた気がします」
そう答えると、少し複雑そうな顔をされた。
「こうでも言わないと、お前は納得しないだろう?」
ボソッと呟くワサト隊長に首をかしげる。
風の音でうまく聞き取れなかった。
「おっと……!」
「なんですか?」
「いいや。ちょっとばかり殺気を感じただけさ」
慌てたように私の頭から手が離れた。
ワサト隊長の視線の先を追うが、誰もそこにはいなかった。
仕事終わりに、いつも通りカザヤ様の部屋を訪ねる。
声がかかり室内に入ると普段はいるバルガの姿はなく、カザヤ様が珍しくソファーに座っていた。いつも穏やかな表情のカザヤ様が、どこか不機嫌そうにむすっとしている。
どうしたのだろうか?
いつもと違う様子に戸惑って、ソファーの側で足が止まる。
「カザヤ様……? どうかなさいましたか?」
控えめに声をかけると、カザヤ様は私の手首をつかんで引き寄せた。
「きゃぁ!」
バランスを崩してソファーに倒れ込む。
弾みでカザヤ様の胸に飛び込む形となってしまった。慌てて離れようとするが、カザヤ様の手が肩を掴んで離さない。
その筋肉質な逞しい体とカザヤ様のいい香りがして顔が真っ赤になり、呼吸が苦しくなってしまう。
「カ、カザヤ様!」
声をかけると、頭上から「はぁぁ」と深いため息が聞こえた。
そしてゆっくりと体を離される。
「ごめん」
そこにはいつもの穏やかな表情を浮かべたカザヤ様がいた。もう不機嫌そうな様子も見られない。
あれは何だったんだろう。
聞きたいが、胸がドキドキして言葉にならなかった。
「あ、お茶入れますね」
側から離れる理由を作って、お茶セットが置いてあるワゴンへと向かう。動揺のせいか、茶葉がうまくセットできない。
ゆっくりゆっくりやっていると、後ろに気配を感じた。
カザヤ様が肩越しに手元を覗き込んでくる。
「なんの紅茶?」
「ア、アールグレイです…」
「いい香りだ。俺好きなんだよね」
距離が近い。顔が熱くなる。
カザヤ様に耳元で言われ、ドキッとしてお湯をこぼす。
「あつっ!」
「大丈夫か?」
カザヤ様が慌てて私の手を掴むと洗面まで連れて行く。冷たい水を流して私の手を冷やした。
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なんて耳元で言われたら、紅茶の話だと分かっていても顔が赤くなって手元が震えてしまった。
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「ありがとうございます。あの……、もう大丈夫ですから……」
恥ずかしくて目をそらす。
しかしカザヤ様は手を放そうとしない。
「カ、カザヤ様……? 今日はどうしたのですか?」
沈黙が気まずくて、なんとか言葉を絞り出す。
深まれた手は熱い。触れ合うだけでこんなにドキドキするなんて思いもしなかった。
「お前に……」
カザヤ様は呟いて顔を歪めた。
「お前に触れるのは、俺だけであってほしいと思ってしまったからかな……」
苦しそうなその顔から目が離せなかった。
どういう意味だろう……?
「私に触れる……?」
「なんでもない。お茶は俺が入れよう。お前は座っていな」
顔をあげたカザヤ様はいつものように笑顔を向けた。
紅茶を入れなおす姿を見ながら、私は胸を落ち着かせる。
どうして急にあんなことを? 私に触れるのはカザヤ様だけがいいと思った?
それってどういう……。
はっと目を見開いた。
昼間の出来事が頭をよぎる。
『お前は薬師としてカザヤ様を癒すんだ』
ワサト隊長はそう言って私の頭を撫でた。その後、慌てたように手を放していた。
まさか……。
「カザヤ様、今日訓練場の近くにいらっしゃいましたか?」
そう聞くと、カザヤ様は振り返って笑顔を見せた。
「今日はずっと執務室にいたよ」
「そうですか……」
どうして? なんで? とか聞かないのね。
私は出されたお紅茶を受け取って、温かい湯気を冷ますように息を吹きかけた。
湯気が私の頬を温める。
「顔が赤い。そんなに熱かった?」
クスっと笑われて曖昧に微笑みながら目をそらす。
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