40 / 47
番外編
とある王太子の運命
しおりを挟む
ルードヴィヒ・クライス・シュテルンリヒトはシュテルンリヒト王国の王太子である。
ルードヴィヒが王太子として立てられたのは五歳のときで、七つ上の兄であるヴィルヘルムの二次性がオメガであると判明したからだった。
憧れだった優秀な兄はオメガであるというだけで廃嫡され、離宮へと移された。
幼いルードヴィヒにとって、それはとても不思議な出来事でどうしてオメガだと王にはなれないのだろう、と思ったのだ。同時に、兄が廃嫡されたとして、自分もオメガだったならどうするのだろうか、と。
「やぁ、ヴァイツェン。今日は池の中にいるのか?」
まだ新緑の季節のことだった。
王立シュテルンリヒト魔法学園。その裏庭にある小さな池で、ルードヴィヒは学友を見つけた。
池といっても特に生物を飼っているわけではない。隣にある薬草園では育てられない水生の薬草を育てるためだけにあるその池で、学友――アデル・ヴァイツェンは膝下までを水につけて佇んでいた。
日射しは温かく、麗らかな陽気を感じるとはいえ、シュテルンリヒト王国は大陸の北に位置している。この時期まだ水は冷たく、とてもではないが水遊びをするような気温ではない。
不思議に思って声をかけると、アデルは微かに眉を寄せた後にっこりと微笑んだ。薄紅の髪が風に揺れて、緑の瞳が弧を描く。
「こんにちは、王太子殿下。こんなところで奇遇ですね。今日は少し暑いので池で涼んでいました」
そう言ってアデルはざぶざぶと池のほとりに戻ってくる。手には濡れた教科書を大切そうに持っていた。
「うっかり落としてしまって」
ルードヴィヒの視線に気が付いたのか、アデルが聞かれる前に答えた。
教科書はすっかり水に濡れて、水滴を滴らせていた。あれは確か明日の一時限目に使用する魔法学概論の教科書だ。明日までに乾くだろうか。
ふとそう思ってルードヴィヒは手を差し出した。アデルはそんなルードヴィヒを見て今度は隠すことなく眉を寄せた。
「何か?」
「教科書を乾かそうかと思って」
「は?」
不思議そうなアデルには構わず、ルードヴィヒは教科書を手に取った。呆気にとられたアデルからの抵抗はなくて、文句を言われないうちに、と短く詠唱を唱える。
するとルードヴィヒの手のひら――否、手に持った教科書を中心にして小さな風が巻き起こる。
火と風の属性魔法を合わせたその魔法は、物体を乾燥させる魔法だ。
教科書の頁が一枚ずつばらばらと捲られて、その水気を飛ばしていく。ものの数秒でびしょ濡れだった教科書が乾いていく様子を、アデルは可愛らしい瞳をまんまるに見開いて見つめていた。
「こういう生活魔法は見たことがないのか?」
素直なアデルの反応が嬉しくて、訊ねればアデルは素直に頷いた。
この国では魔法は基本的に貴族のものだ。平民は初等学校で文字の読み書きや基本的な魔力の扱い方を学ぶだけで、それ以上のことを学ぶ機会がないのだ。魔力は持っていても使い方が分からない。
そもそも平民の魔力は少なく、そう大きな魔法を使うことも出来ない。だからこそ、王侯貴族は彼らを従え、守るのだ。
それでも例外はあって、それがこのアデル・ヴァイツェンだった。
王都のスラム街出身の、規格外の魔力を持つ少年。特待生として学園に入学した彼は、その容姿や二次性も相まって、おそらく王太子である自分と同じくらいの有名人だ。
――平民でオメガの特待生。魔法属性を六つも持った女神の愛し子。
素晴らしい才能を持つそのオメガはしかし、学園に入学するまで魔法の基礎さえ学ぶことが出来なかったらしい。貴族にとってごく一般的な生活魔法でさえ知らないと言った彼は、ルードヴィヒが持つ乾いた教科書を信じられないものを見る目で見ていた。
「乾いたぞ」
「……ありがとうございます」
小さく礼を述べて、アデルは唇を噛む。
何か言いたげに瞬きを繰り返していたが、結局そのまま口を噤んでしまった。
そして素早く頭を下げて、池の縁に置いていた鞄を掴んだ。逃げるように駆けていく、その後ろ姿にルードヴィヒは苦笑する。
――相変わらず嫌われている。
アデルが警戒する子猫のような態度をとるのは、別にルードヴィヒに限ったことではない。
彼は周囲の生徒――それもルードヴィヒのようなアルファ性の生徒には、だいたい距離を取って早々に逃げてしまうのだ。
愛らしい容姿とは裏腹に性格がきつく、とっつきにくい。
それが特待生アデル・ヴァイツェンが学園に入学してからの二か月で得た周囲からの評価だった。
もちろん、王太子であるルードヴィヒが近寄り話しかければ、最低限の礼儀を返してくれるし、取ってつけたような笑顔を返してくれる。しかし、それはひどく距離を感じるものだった。
そんなルードヴィヒとアデルであったが、それでも初対面のときよりも会話が続くようになったと思う。最初はもう、本当にひどいものだったのだから。
あれは初めて授業を受けた日のことだった。
放課後、ルードヴィヒは学園の裏庭をひとりで歩いていた。
何か目的があったわけではない。そのときのルードヴィヒはただ「ひとりで歩く」という行為をしてみたかったのだ。
生まれたときから王宮で人に囲まれる暮らしをしていたルードヴィヒであったが、五歳で王太子となってからはさらに多くの人間が常にそばに侍っていた。護衛騎士や侍従、使用人や侍女たち。数えだせばきりがないほどの大人たちに囲まれて、息苦しいと思う暇すらなかったし、それが当たり前だと教えられていた。
しかし、学園には侍従や護衛騎士は連れてくることが出来ない。
それはどれだけ高位の貴族や王族にも覆せない決まりで、学園に自由に出入りできるのは生徒と教師のみだった。
だからこそ、兄のときは同じ年頃の騎士候補生たちが兄の護衛となったし、そのために特別に集められたのだ。もちろん、王太子であるルードヴィヒでも特例とはならず、ルードヴィヒは学園で一人の生徒として他の大勢と同じように扱われている。
心配性の母はたいそうそのことを気にしていたけれど、ルードヴィヒとしては学園がこれほどまでに自由な気分になれる場所とは思ってもいなかった。
お目付け役のアロイスや護衛を兼ねたゲオルグとライナルトは、もちろんいつもルードヴィヒのそばに控えていた。とはいえ、幼い頃からの友人たちである。
融通の利かない王宮の騎士や侍従たちとは違い、ある程度の願いは叶えてくれる。
だからこそルードヴィヒは、供のひとりも連れずに己だけで裏庭を散歩することが出来たのだ。それが例え、絶対に安全だと言われている学園の中だけだったとしても、ルードヴィヒには十分だった。
学園の広々とした裏庭には、授業や研究で使う薬草園や魔獣の飼育小屋があった。
ところどころに植えられた木々は春らしく若葉が生い茂り、瑞々しく輝いていた。
硝子で覆われた温室を覗き込み、そばにある池を泳ぐ魚を眺めた。
このときのルードヴィヒはとても自由だった。
だから少し、浮かれていたのかもしれない。
生まれて初めての自由に高揚する気分のまま、気の向くままに歩いていたときだ。木の上から誰かが落ちて――否、降りて来た。
柔らかそうな薄紅の髪に若葉のように輝く緑色の瞳。
目を瞠るほど可愛らしい容姿をした彼は、黒いローブについたいくつもの葉を面倒くさそうに払いながら顔を上げてルードヴィヒの方を見た。
大きな緑の瞳がルードヴィヒを捉えて、微かに見開かれた。おそらく、彼はこの場に自分以外の誰かがいたことに驚いたのだろう。
それはルードヴィヒだって同じだった。こんなひと気のない場所に人がいたことにも驚いたし、木の上から降りて来たことにも驚いた。
しかし、それとは関係なしに雷に打たれたような衝撃を受けたのだ。
こんなに心惹かれる人間がこの世に存在しているとは思わなかった。
呆けたように見つめ続けるルードヴィヒを、目の前の彼はどう思ったのだろうか。不思議そうに相手もこちらを見返してきて、絡んだ視線がただ嬉しいと思った。
同時に、鼻腔を擽ったのは甘く優しい花のような香りだった。
その匂いを嗅いだ瞬間、ルードヴィヒはかつて大好きだった兄が囚われていた美しい離宮を思い出した。オメガである兄を守るために与えられた黄金の鳥籠。そこには、兄の世話をするために多くのオメガたちが集められていた。
彼からはあの離宮にいた侍従たちとよく似た芳しい香りがした。――アルファを魅了するオメガのフェロモンだ。
そのことに思い至って、ルードヴィヒは目の前の彼がオメガであることを理解した。
そして、分かってしまったのだ。
――彼が、自分の運命だ。
この世界には運命の番という概念がある。
それはアルファとオメガにだけ与えられた、女神が定めた自らの唯一。魂の片割れ。
出会えばひと目で恋に落ち、激しくお互いを求めあうという。
ルードヴィヒは特に現実主義というわけではないが、かといって運命に憧れるほど純粋な立場でもなかった。
だから、絵空事のように語られるそんな夢物語を信じているわけではなかった。
そもそもこの広い世界にいるらしいたったひとりだ。出会えるとも思っていなかったし、出会ったところで自分は王太子だ。立派な婚約者もいるのだから、運命の番と結婚することなんて出来ない。
それなのに、出会ってしまった。
ルードヴィヒが王太子として立てられたのは五歳のときで、七つ上の兄であるヴィルヘルムの二次性がオメガであると判明したからだった。
憧れだった優秀な兄はオメガであるというだけで廃嫡され、離宮へと移された。
幼いルードヴィヒにとって、それはとても不思議な出来事でどうしてオメガだと王にはなれないのだろう、と思ったのだ。同時に、兄が廃嫡されたとして、自分もオメガだったならどうするのだろうか、と。
「やぁ、ヴァイツェン。今日は池の中にいるのか?」
まだ新緑の季節のことだった。
王立シュテルンリヒト魔法学園。その裏庭にある小さな池で、ルードヴィヒは学友を見つけた。
池といっても特に生物を飼っているわけではない。隣にある薬草園では育てられない水生の薬草を育てるためだけにあるその池で、学友――アデル・ヴァイツェンは膝下までを水につけて佇んでいた。
日射しは温かく、麗らかな陽気を感じるとはいえ、シュテルンリヒト王国は大陸の北に位置している。この時期まだ水は冷たく、とてもではないが水遊びをするような気温ではない。
不思議に思って声をかけると、アデルは微かに眉を寄せた後にっこりと微笑んだ。薄紅の髪が風に揺れて、緑の瞳が弧を描く。
「こんにちは、王太子殿下。こんなところで奇遇ですね。今日は少し暑いので池で涼んでいました」
そう言ってアデルはざぶざぶと池のほとりに戻ってくる。手には濡れた教科書を大切そうに持っていた。
「うっかり落としてしまって」
ルードヴィヒの視線に気が付いたのか、アデルが聞かれる前に答えた。
教科書はすっかり水に濡れて、水滴を滴らせていた。あれは確か明日の一時限目に使用する魔法学概論の教科書だ。明日までに乾くだろうか。
ふとそう思ってルードヴィヒは手を差し出した。アデルはそんなルードヴィヒを見て今度は隠すことなく眉を寄せた。
「何か?」
「教科書を乾かそうかと思って」
「は?」
不思議そうなアデルには構わず、ルードヴィヒは教科書を手に取った。呆気にとられたアデルからの抵抗はなくて、文句を言われないうちに、と短く詠唱を唱える。
するとルードヴィヒの手のひら――否、手に持った教科書を中心にして小さな風が巻き起こる。
火と風の属性魔法を合わせたその魔法は、物体を乾燥させる魔法だ。
教科書の頁が一枚ずつばらばらと捲られて、その水気を飛ばしていく。ものの数秒でびしょ濡れだった教科書が乾いていく様子を、アデルは可愛らしい瞳をまんまるに見開いて見つめていた。
「こういう生活魔法は見たことがないのか?」
素直なアデルの反応が嬉しくて、訊ねればアデルは素直に頷いた。
この国では魔法は基本的に貴族のものだ。平民は初等学校で文字の読み書きや基本的な魔力の扱い方を学ぶだけで、それ以上のことを学ぶ機会がないのだ。魔力は持っていても使い方が分からない。
そもそも平民の魔力は少なく、そう大きな魔法を使うことも出来ない。だからこそ、王侯貴族は彼らを従え、守るのだ。
それでも例外はあって、それがこのアデル・ヴァイツェンだった。
王都のスラム街出身の、規格外の魔力を持つ少年。特待生として学園に入学した彼は、その容姿や二次性も相まって、おそらく王太子である自分と同じくらいの有名人だ。
――平民でオメガの特待生。魔法属性を六つも持った女神の愛し子。
素晴らしい才能を持つそのオメガはしかし、学園に入学するまで魔法の基礎さえ学ぶことが出来なかったらしい。貴族にとってごく一般的な生活魔法でさえ知らないと言った彼は、ルードヴィヒが持つ乾いた教科書を信じられないものを見る目で見ていた。
「乾いたぞ」
「……ありがとうございます」
小さく礼を述べて、アデルは唇を噛む。
何か言いたげに瞬きを繰り返していたが、結局そのまま口を噤んでしまった。
そして素早く頭を下げて、池の縁に置いていた鞄を掴んだ。逃げるように駆けていく、その後ろ姿にルードヴィヒは苦笑する。
――相変わらず嫌われている。
アデルが警戒する子猫のような態度をとるのは、別にルードヴィヒに限ったことではない。
彼は周囲の生徒――それもルードヴィヒのようなアルファ性の生徒には、だいたい距離を取って早々に逃げてしまうのだ。
愛らしい容姿とは裏腹に性格がきつく、とっつきにくい。
それが特待生アデル・ヴァイツェンが学園に入学してからの二か月で得た周囲からの評価だった。
もちろん、王太子であるルードヴィヒが近寄り話しかければ、最低限の礼儀を返してくれるし、取ってつけたような笑顔を返してくれる。しかし、それはひどく距離を感じるものだった。
そんなルードヴィヒとアデルであったが、それでも初対面のときよりも会話が続くようになったと思う。最初はもう、本当にひどいものだったのだから。
あれは初めて授業を受けた日のことだった。
放課後、ルードヴィヒは学園の裏庭をひとりで歩いていた。
何か目的があったわけではない。そのときのルードヴィヒはただ「ひとりで歩く」という行為をしてみたかったのだ。
生まれたときから王宮で人に囲まれる暮らしをしていたルードヴィヒであったが、五歳で王太子となってからはさらに多くの人間が常にそばに侍っていた。護衛騎士や侍従、使用人や侍女たち。数えだせばきりがないほどの大人たちに囲まれて、息苦しいと思う暇すらなかったし、それが当たり前だと教えられていた。
しかし、学園には侍従や護衛騎士は連れてくることが出来ない。
それはどれだけ高位の貴族や王族にも覆せない決まりで、学園に自由に出入りできるのは生徒と教師のみだった。
だからこそ、兄のときは同じ年頃の騎士候補生たちが兄の護衛となったし、そのために特別に集められたのだ。もちろん、王太子であるルードヴィヒでも特例とはならず、ルードヴィヒは学園で一人の生徒として他の大勢と同じように扱われている。
心配性の母はたいそうそのことを気にしていたけれど、ルードヴィヒとしては学園がこれほどまでに自由な気分になれる場所とは思ってもいなかった。
お目付け役のアロイスや護衛を兼ねたゲオルグとライナルトは、もちろんいつもルードヴィヒのそばに控えていた。とはいえ、幼い頃からの友人たちである。
融通の利かない王宮の騎士や侍従たちとは違い、ある程度の願いは叶えてくれる。
だからこそルードヴィヒは、供のひとりも連れずに己だけで裏庭を散歩することが出来たのだ。それが例え、絶対に安全だと言われている学園の中だけだったとしても、ルードヴィヒには十分だった。
学園の広々とした裏庭には、授業や研究で使う薬草園や魔獣の飼育小屋があった。
ところどころに植えられた木々は春らしく若葉が生い茂り、瑞々しく輝いていた。
硝子で覆われた温室を覗き込み、そばにある池を泳ぐ魚を眺めた。
このときのルードヴィヒはとても自由だった。
だから少し、浮かれていたのかもしれない。
生まれて初めての自由に高揚する気分のまま、気の向くままに歩いていたときだ。木の上から誰かが落ちて――否、降りて来た。
柔らかそうな薄紅の髪に若葉のように輝く緑色の瞳。
目を瞠るほど可愛らしい容姿をした彼は、黒いローブについたいくつもの葉を面倒くさそうに払いながら顔を上げてルードヴィヒの方を見た。
大きな緑の瞳がルードヴィヒを捉えて、微かに見開かれた。おそらく、彼はこの場に自分以外の誰かがいたことに驚いたのだろう。
それはルードヴィヒだって同じだった。こんなひと気のない場所に人がいたことにも驚いたし、木の上から降りて来たことにも驚いた。
しかし、それとは関係なしに雷に打たれたような衝撃を受けたのだ。
こんなに心惹かれる人間がこの世に存在しているとは思わなかった。
呆けたように見つめ続けるルードヴィヒを、目の前の彼はどう思ったのだろうか。不思議そうに相手もこちらを見返してきて、絡んだ視線がただ嬉しいと思った。
同時に、鼻腔を擽ったのは甘く優しい花のような香りだった。
その匂いを嗅いだ瞬間、ルードヴィヒはかつて大好きだった兄が囚われていた美しい離宮を思い出した。オメガである兄を守るために与えられた黄金の鳥籠。そこには、兄の世話をするために多くのオメガたちが集められていた。
彼からはあの離宮にいた侍従たちとよく似た芳しい香りがした。――アルファを魅了するオメガのフェロモンだ。
そのことに思い至って、ルードヴィヒは目の前の彼がオメガであることを理解した。
そして、分かってしまったのだ。
――彼が、自分の運命だ。
この世界には運命の番という概念がある。
それはアルファとオメガにだけ与えられた、女神が定めた自らの唯一。魂の片割れ。
出会えばひと目で恋に落ち、激しくお互いを求めあうという。
ルードヴィヒは特に現実主義というわけではないが、かといって運命に憧れるほど純粋な立場でもなかった。
だから、絵空事のように語られるそんな夢物語を信じているわけではなかった。
そもそもこの広い世界にいるらしいたったひとりだ。出会えるとも思っていなかったし、出会ったところで自分は王太子だ。立派な婚約者もいるのだから、運命の番と結婚することなんて出来ない。
それなのに、出会ってしまった。
382
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。