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【三章】技術大国プラセリア
20.レベル4
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「どれどれ……おおっ!? スキルレベルが上がってる!?」
早速通知のアイコンをタップして内容を確認したら、俺の唯一持つスキル『モデラー』のスキルレベルの上昇の通知だった。
「いつの間にか上がってたのか……全然気付かなかった。そういえばプラセリアに来てから初めてスマホ操作したかも」
いつ通知が来るのかわからないため、周りに怪しまれないようマナーモードにしていたのが失敗だった。
スキルレベルが上がれば使える道具が増えるため、改造の幅が広がり、更なる強化が可能になるはずだ。
「今度からこまめに確認する癖をつけるか……いや、でも不自然に見られるかもな――――ああもう、細かいことを考えるのは後だ! 今はレベルアップして何ができるようになったかの確認を先にしよう!」
俺はさっそく自身のステータス画面を開き、モデラースキルの詳細を確認する。
――――――――――――――
【イマジニウムパテ】
魔動人形を構成する素材と同等の性質を持つパテを生成する。魔力を流すことで硬化する。このスキルで生成したものは消滅しない。(魔力消費特大)
――――――――――――――
「イマジニウム……? これが魔動人形に使われている素材の名称なのか? いや、それよりもこれはもしかして……!?」
パテとは簡単に言うと粘土のようなものだ。プラモデルにおいての役割は、細かい傷を埋めたり、自由に形を作りパーツを成型したりできる。
エーテルコーティングもそうだったが、魔動人形に直接塗ったりするものに関しては、他の道具と違い消滅はしないようだ。その分魔力消費量は増えるみたいだけど。
「イマジニウムパテ生成!」
さっそくスキルでパテを生成する。
すると、俺の手には五センチほどの長さの白い円柱が出現した。学校とかで使われてるチョークぐらいのサイズ感だ。
ぐねぐねとパテを曲げたり引っ張ってみたりして感触を確認する。少し熱を加え、柔らかくなった飴のような手触りだ。
「うん、俺の知ってるタイプのパテみたいだな。これをこねくりまわして形を作るやつだ」
魔力消費量特大と説明文にあったけど、一回の生成では体感できない程度の消費のようだ。
「よーし、それじゃ……」
ポチポチとスマホをタップしていく。スマホ操作をするだけでもスキルの使用ができるのだ。いちいち発動を言葉にしなくて済むので連続で使う場合はこっちの方が早い。
「う……なんかダルくなってきた……」
何回生成しただろうか。途中から手に持ちきれなくなり、近くにあったテーブルに置いていたのだが、気が付いたらパテが山のように積み重なっていた。
それだけの数のスキルを連続使用したからか、頭がボーッとしてきて、体に倦怠感を覚える。これは要注意だ。
この世界の人は魔力を使い切ると気を失ってしまう。しばらくすれば目が覚めるのだが、丸一日は横になっていないと完全に回復しない。
この大事な時に寝ているわけにはいかない。体感八割ほど魔力を消費した時点でスキルの使用を止める。
「うん、これだけあれば十分かな」
俺がパテを大量に生成した理由、それはイマジナリークラフターの『素材』として利用できると思ったからだ。
今までは捨てられていたランナーを素材としていたけど、このパテでも代用できるはずだ。
実際に試してみないとわからないが、『魔動人形と同等の性質を持つ素材』と説明文に書かれていたのできっと大丈夫だろう。
「――ま、リンが帰ってこないと試せないし、しばらくは体を休めていよう。少し休憩すればこの倦怠感も抜けるかもだし……」
俺は魔力を大量消費したことで疲れた体を癒すため、しばらく横になることにした。
早速通知のアイコンをタップして内容を確認したら、俺の唯一持つスキル『モデラー』のスキルレベルの上昇の通知だった。
「いつの間にか上がってたのか……全然気付かなかった。そういえばプラセリアに来てから初めてスマホ操作したかも」
いつ通知が来るのかわからないため、周りに怪しまれないようマナーモードにしていたのが失敗だった。
スキルレベルが上がれば使える道具が増えるため、改造の幅が広がり、更なる強化が可能になるはずだ。
「今度からこまめに確認する癖をつけるか……いや、でも不自然に見られるかもな――――ああもう、細かいことを考えるのは後だ! 今はレベルアップして何ができるようになったかの確認を先にしよう!」
俺はさっそく自身のステータス画面を開き、モデラースキルの詳細を確認する。
――――――――――――――
【イマジニウムパテ】
魔動人形を構成する素材と同等の性質を持つパテを生成する。魔力を流すことで硬化する。このスキルで生成したものは消滅しない。(魔力消費特大)
――――――――――――――
「イマジニウム……? これが魔動人形に使われている素材の名称なのか? いや、それよりもこれはもしかして……!?」
パテとは簡単に言うと粘土のようなものだ。プラモデルにおいての役割は、細かい傷を埋めたり、自由に形を作りパーツを成型したりできる。
エーテルコーティングもそうだったが、魔動人形に直接塗ったりするものに関しては、他の道具と違い消滅はしないようだ。その分魔力消費量は増えるみたいだけど。
「イマジニウムパテ生成!」
さっそくスキルでパテを生成する。
すると、俺の手には五センチほどの長さの白い円柱が出現した。学校とかで使われてるチョークぐらいのサイズ感だ。
ぐねぐねとパテを曲げたり引っ張ってみたりして感触を確認する。少し熱を加え、柔らかくなった飴のような手触りだ。
「うん、俺の知ってるタイプのパテみたいだな。これをこねくりまわして形を作るやつだ」
魔力消費量特大と説明文にあったけど、一回の生成では体感できない程度の消費のようだ。
「よーし、それじゃ……」
ポチポチとスマホをタップしていく。スマホ操作をするだけでもスキルの使用ができるのだ。いちいち発動を言葉にしなくて済むので連続で使う場合はこっちの方が早い。
「う……なんかダルくなってきた……」
何回生成しただろうか。途中から手に持ちきれなくなり、近くにあったテーブルに置いていたのだが、気が付いたらパテが山のように積み重なっていた。
それだけの数のスキルを連続使用したからか、頭がボーッとしてきて、体に倦怠感を覚える。これは要注意だ。
この世界の人は魔力を使い切ると気を失ってしまう。しばらくすれば目が覚めるのだが、丸一日は横になっていないと完全に回復しない。
この大事な時に寝ているわけにはいかない。体感八割ほど魔力を消費した時点でスキルの使用を止める。
「うん、これだけあれば十分かな」
俺がパテを大量に生成した理由、それはイマジナリークラフターの『素材』として利用できると思ったからだ。
今までは捨てられていたランナーを素材としていたけど、このパテでも代用できるはずだ。
実際に試してみないとわからないが、『魔動人形と同等の性質を持つ素材』と説明文に書かれていたのできっと大丈夫だろう。
「――ま、リンが帰ってこないと試せないし、しばらくは体を休めていよう。少し休憩すればこの倦怠感も抜けるかもだし……」
俺は魔力を大量消費したことで疲れた体を癒すため、しばらく横になることにした。
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