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【無視できない招待状】
決着
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胸部にロウガの蹴りの直撃を受けたアースは気を失っていた。
幸いアースが吹き飛ばされた先には庭園があり、運良く柔らかい土を使った花壇の上に着地したことで、落下のダメージを最小限に抑えることができた。
しかしロウガがその隙を見逃すはずもなく、勝利を決定的なものにするため止めを刺そうとアースに迫る。
落下の衝撃で土煙が立ち込める中、ロウガはアースへと接近する。そして倒れるアースの喉元に爪を突き立てようとしたその時、気を失っていたはずの標的に腕を掴まれた。
「グラァァァッ!」
ロウガはその行動を無駄な抵抗だと、力の限り腕を押し込むも、その爪はアースの喉元近くで止まったままピクリとも動かない。
「ガァァァッ!?」
ロウガは恐怖を感じた。手負いの相手だというのに獣としての本能が警鐘を鳴らす。
こいつには手を出してはいけない。今すぐここを立ち去るべきなのだと。
しかし腕を掴まれているため逃げ出すことは出来ない。
最終手段として自分の腕を犠牲にしてまでこの場を去ることを考えたロウガだったが、アースはロウガの腕を掴んだままゆっくりと立ち上がる。
「ア、アース……?」
エレミアはアースの異常な雰囲気を感じ取っていた。
姿かたちは一緒なのに、まるで中身が入れ替わったような違和感があった。
「アースっ!」
エレミアはアースに呼び掛ける。なんとなくだがこのままではいけない気がしたのだ。
「――っ!」
エレミアの呼び掛けでアースは意識を取り戻した。
ロウガを掴んでいた手を離し、アースは立て膝を突く。ロウガはこれ幸いとアースから距離を取った。
「く――がはっ! はぁ……はぁ……しまった、一瞬意識が飛んでいた。ぐっ……肋骨が折れたか……? まだ動けるが……アレを相手にするには万全の状態でなければ厳しい。このままでは時間の問題か……」
吐血しながらもアースは現状を確認する。
ポーションも無い今、このまま戦えばいずれ出血過多によって動きが鈍る。
アースが全力で戦えるのは、もって後数分といったところだろう。
「――っ!? まずい!」
ロウガがすぐ近くにいることを視認したアースは慌てて戦闘態勢を取るも、どうもロウガの様子がおかしいことに気付く。
「……どうした? 襲ってこないのか……?」
何やら怯えているようにこちらを伺うロウガの様子を疑問に思いつつも、仕掛けてこないこの隙に何か打倒する手段はないものかと模索する。
(ここは、花壇か……何か使える植物があるやもしれん。む、あれは……!)
アースは傍らに咲く黄金色の花弁を持つ花を見て、ある考えに至る。
「こいつなら隙を作れるかもしれないな……少し拝借させてもらおう」
アースは黄金色の花を数本摘み取り、手中へと収める。
それも束の間、アースを影が覆い、ふと見上げると眼前には血に飢えた獣の姿が映る。
先程までの恐怖感が失せたのを感じたロウガは、今度こそアースを仕留めようと怒り狂っていた。
「――『天地創造』!」
アースは地面を勢いよく隆起させ、自身の体を打ち上げる。
図らずもアースが魔王城を脱出する際に用いた離脱方法だったが、今回はあの時とは違う。
逃げるためではなく、次の一手への布石だ。
アースは館の全高よりも高く飛び上がり、再び『天与』を使用する。
対するロウガは遠距離への攻撃手段を持たないので、アースの着地の隙をを狙うため、着地点を予測し素早く先回りして待ち構えていた。
大きく跳躍するという隙の大きい行動を取ってまで、離脱から着地までの僅か数秒間の時間を稼いだに過ぎない。
だがアースには数秒あれば充分であった。
「いくぞ、こいつをくらうといい!」
アースとロウガの距離が近づいたその時、アースはいつの間にか左手に握っていた球体をロウガ目掛けて放り投げる。
ロウガは反射的にその球体を爪で弾こうとするも、触れた瞬間に破裂し、粉塵を撒き散らす。
「――! グガッ!? ググァァウ――!」
ロウガの周囲に粉塵が漂い、その粉塵に包まれたロウガは、途端に苦しみだす。
それもその筈で、アースが投げた球体の正体は、庭園に咲いていた黄金色の花『日輪花』をアースの天与により粉末状にし、外側を薄くコーティングしたものだ。
日輪花は普段は野に咲く美しい花だが、その花弁は特殊な性質を持ち、ある手順を踏むことで赤黒く変色し、強烈な臭いを発生させる性質を持つ。
普通なら加工にはかなりの時間がかかるのだが、アースの天与でその工程を一瞬で完了させ、完成したその粉末をロウガへと浴びせたのだ。
「ガ……グゴァッ! ガァッッ!」
粉末の中で悶え苦しむロウガ。
鋭敏な嗅覚を持つロウガが強烈な刺激臭の只中にいるのだから、たまったものではないだろう。
更には目や口内にも入ることで、かなりの刺激や不快感を与えている。これで、ロウガの五感の殆どは封じたと言っても過言ではない。
たまらずその場を離れようとするロウガであったが、もう遅い。
その時には既に着地を済ませ、十分に距離を取ったアースの手から、天与によって作られた一対の小さな曲刀が投擲された後だった。
投擲した曲刀は回転しながら左右から挟み込む形でロウガを襲う。だが投擲した武器が命中したところで、ロウガには大した傷を与えることはできないだろう。
しかし、アースの狙いは別のところにあった。
日輪花の粉末は臭いもさることながら、強力な火薬としても用いられる。
アースの投擲した曲刀はロウガの体には届かず、ロウガの眼前で刃と刃が交わり、火花を散らす。
ドゴォォーーーーーーン!!
瞬間、轟音と共に爆発が起こり、びりびりと周囲の空気を震わせる。火花を火種とし、火薬を爆破させたのだ。
数秒後、黒煙がたちこめる中、そこには未だ倒れぬロウガの姿があった。
しかし、相当なダメージは負っているようで、白目を剥きながら天を仰ぎ硬直していた。
「やはりこの程度では倒れないか。だが……!」
高位の火属性魔法に相当する爆発の直撃であったが、ロウガを打ち倒すには至らなかった。このまま放置していれば回復してしまうだろう。
しかし、アースはそれを想定済みであり、既にロウガの懐へと接近していた。
その存在を本能的に察したのか、ロウガの意識が戻ったが、まだ体は動かせないようで、眼球だけが動きアースの姿を捉えた。
「グ……ガァァァッ!」
「遅い。魔闘流格闘術――奥義。『烈震勁』」
数秒の溜めのあと、アースの放った拳は神速でもなく剛拳でもない。
まるで手を差しのべるかのように、緩やかに伸びたアースの拳がロウガの腹部へと届いた。
それを受けたロウガは、大した痛みも衝撃も感じなかったので、アースの力が尽きたのだと思い、爆発を受け痛む体を無理矢理に動かし、その爪の切っ先をアースへと向ける。
「グォォォォッ! ――!!」
しかし、爪がアースに触れようかというその瞬間、ロウガの動きがピタリと止まる。
ロウガの体内にあった小さな疼きが徐々に大きさを増していき、激しいうねりとなってロウガを襲っていた。
その増大は留まることはなく、体内を駆け巡る。
「――ガァァァァッッ!!」
極限まで高まったうねりが弾けるような音を発し、ロウガは叫び声を上げ、ついに膝をつく。
体力の限界を迎えたのか、そのまま徐々に獣化状態から元の姿へと戻ってゆく。
「あ――が――」
「まだ意識があるのか。だがしばらくは戦闘はできないだろう。命が惜しいのなら、そのまま大人しく寝ているんだな」
「ま……けた、だと? この俺が?」
ロウガが今まで『天与』を使った後に人間の姿に戻る時は、敵を全て打ち倒し、立っているのは自分だけであった。
それなのに、今倒れようとしているのは紛れもなく自分自身だ。その事実がロウガには信じられなかった。
「お前……一体何者だ……?」
「ん? ああ、名乗っていなかったな。俺はアース。――ただの使用人だよ」
「馬鹿……野郎。お前程の男が、使用人に……収まるわけがない……だろ。嘘をつき……やがっ――――」
その言葉を最後まで言い終えることなく、ロウガは気を失い、倒れてしまう。
死闘を制したのはアース。天与持ち同士の戦いが、今ここに決着した。
幸いアースが吹き飛ばされた先には庭園があり、運良く柔らかい土を使った花壇の上に着地したことで、落下のダメージを最小限に抑えることができた。
しかしロウガがその隙を見逃すはずもなく、勝利を決定的なものにするため止めを刺そうとアースに迫る。
落下の衝撃で土煙が立ち込める中、ロウガはアースへと接近する。そして倒れるアースの喉元に爪を突き立てようとしたその時、気を失っていたはずの標的に腕を掴まれた。
「グラァァァッ!」
ロウガはその行動を無駄な抵抗だと、力の限り腕を押し込むも、その爪はアースの喉元近くで止まったままピクリとも動かない。
「ガァァァッ!?」
ロウガは恐怖を感じた。手負いの相手だというのに獣としての本能が警鐘を鳴らす。
こいつには手を出してはいけない。今すぐここを立ち去るべきなのだと。
しかし腕を掴まれているため逃げ出すことは出来ない。
最終手段として自分の腕を犠牲にしてまでこの場を去ることを考えたロウガだったが、アースはロウガの腕を掴んだままゆっくりと立ち上がる。
「ア、アース……?」
エレミアはアースの異常な雰囲気を感じ取っていた。
姿かたちは一緒なのに、まるで中身が入れ替わったような違和感があった。
「アースっ!」
エレミアはアースに呼び掛ける。なんとなくだがこのままではいけない気がしたのだ。
「――っ!」
エレミアの呼び掛けでアースは意識を取り戻した。
ロウガを掴んでいた手を離し、アースは立て膝を突く。ロウガはこれ幸いとアースから距離を取った。
「く――がはっ! はぁ……はぁ……しまった、一瞬意識が飛んでいた。ぐっ……肋骨が折れたか……? まだ動けるが……アレを相手にするには万全の状態でなければ厳しい。このままでは時間の問題か……」
吐血しながらもアースは現状を確認する。
ポーションも無い今、このまま戦えばいずれ出血過多によって動きが鈍る。
アースが全力で戦えるのは、もって後数分といったところだろう。
「――っ!? まずい!」
ロウガがすぐ近くにいることを視認したアースは慌てて戦闘態勢を取るも、どうもロウガの様子がおかしいことに気付く。
「……どうした? 襲ってこないのか……?」
何やら怯えているようにこちらを伺うロウガの様子を疑問に思いつつも、仕掛けてこないこの隙に何か打倒する手段はないものかと模索する。
(ここは、花壇か……何か使える植物があるやもしれん。む、あれは……!)
アースは傍らに咲く黄金色の花弁を持つ花を見て、ある考えに至る。
「こいつなら隙を作れるかもしれないな……少し拝借させてもらおう」
アースは黄金色の花を数本摘み取り、手中へと収める。
それも束の間、アースを影が覆い、ふと見上げると眼前には血に飢えた獣の姿が映る。
先程までの恐怖感が失せたのを感じたロウガは、今度こそアースを仕留めようと怒り狂っていた。
「――『天地創造』!」
アースは地面を勢いよく隆起させ、自身の体を打ち上げる。
図らずもアースが魔王城を脱出する際に用いた離脱方法だったが、今回はあの時とは違う。
逃げるためではなく、次の一手への布石だ。
アースは館の全高よりも高く飛び上がり、再び『天与』を使用する。
対するロウガは遠距離への攻撃手段を持たないので、アースの着地の隙をを狙うため、着地点を予測し素早く先回りして待ち構えていた。
大きく跳躍するという隙の大きい行動を取ってまで、離脱から着地までの僅か数秒間の時間を稼いだに過ぎない。
だがアースには数秒あれば充分であった。
「いくぞ、こいつをくらうといい!」
アースとロウガの距離が近づいたその時、アースはいつの間にか左手に握っていた球体をロウガ目掛けて放り投げる。
ロウガは反射的にその球体を爪で弾こうとするも、触れた瞬間に破裂し、粉塵を撒き散らす。
「――! グガッ!? ググァァウ――!」
ロウガの周囲に粉塵が漂い、その粉塵に包まれたロウガは、途端に苦しみだす。
それもその筈で、アースが投げた球体の正体は、庭園に咲いていた黄金色の花『日輪花』をアースの天与により粉末状にし、外側を薄くコーティングしたものだ。
日輪花は普段は野に咲く美しい花だが、その花弁は特殊な性質を持ち、ある手順を踏むことで赤黒く変色し、強烈な臭いを発生させる性質を持つ。
普通なら加工にはかなりの時間がかかるのだが、アースの天与でその工程を一瞬で完了させ、完成したその粉末をロウガへと浴びせたのだ。
「ガ……グゴァッ! ガァッッ!」
粉末の中で悶え苦しむロウガ。
鋭敏な嗅覚を持つロウガが強烈な刺激臭の只中にいるのだから、たまったものではないだろう。
更には目や口内にも入ることで、かなりの刺激や不快感を与えている。これで、ロウガの五感の殆どは封じたと言っても過言ではない。
たまらずその場を離れようとするロウガであったが、もう遅い。
その時には既に着地を済ませ、十分に距離を取ったアースの手から、天与によって作られた一対の小さな曲刀が投擲された後だった。
投擲した曲刀は回転しながら左右から挟み込む形でロウガを襲う。だが投擲した武器が命中したところで、ロウガには大した傷を与えることはできないだろう。
しかし、アースの狙いは別のところにあった。
日輪花の粉末は臭いもさることながら、強力な火薬としても用いられる。
アースの投擲した曲刀はロウガの体には届かず、ロウガの眼前で刃と刃が交わり、火花を散らす。
ドゴォォーーーーーーン!!
瞬間、轟音と共に爆発が起こり、びりびりと周囲の空気を震わせる。火花を火種とし、火薬を爆破させたのだ。
数秒後、黒煙がたちこめる中、そこには未だ倒れぬロウガの姿があった。
しかし、相当なダメージは負っているようで、白目を剥きながら天を仰ぎ硬直していた。
「やはりこの程度では倒れないか。だが……!」
高位の火属性魔法に相当する爆発の直撃であったが、ロウガを打ち倒すには至らなかった。このまま放置していれば回復してしまうだろう。
しかし、アースはそれを想定済みであり、既にロウガの懐へと接近していた。
その存在を本能的に察したのか、ロウガの意識が戻ったが、まだ体は動かせないようで、眼球だけが動きアースの姿を捉えた。
「グ……ガァァァッ!」
「遅い。魔闘流格闘術――奥義。『烈震勁』」
数秒の溜めのあと、アースの放った拳は神速でもなく剛拳でもない。
まるで手を差しのべるかのように、緩やかに伸びたアースの拳がロウガの腹部へと届いた。
それを受けたロウガは、大した痛みも衝撃も感じなかったので、アースの力が尽きたのだと思い、爆発を受け痛む体を無理矢理に動かし、その爪の切っ先をアースへと向ける。
「グォォォォッ! ――!!」
しかし、爪がアースに触れようかというその瞬間、ロウガの動きがピタリと止まる。
ロウガの体内にあった小さな疼きが徐々に大きさを増していき、激しいうねりとなってロウガを襲っていた。
その増大は留まることはなく、体内を駆け巡る。
「――ガァァァァッッ!!」
極限まで高まったうねりが弾けるような音を発し、ロウガは叫び声を上げ、ついに膝をつく。
体力の限界を迎えたのか、そのまま徐々に獣化状態から元の姿へと戻ってゆく。
「あ――が――」
「まだ意識があるのか。だがしばらくは戦闘はできないだろう。命が惜しいのなら、そのまま大人しく寝ているんだな」
「ま……けた、だと? この俺が?」
ロウガが今まで『天与』を使った後に人間の姿に戻る時は、敵を全て打ち倒し、立っているのは自分だけであった。
それなのに、今倒れようとしているのは紛れもなく自分自身だ。その事実がロウガには信じられなかった。
「お前……一体何者だ……?」
「ん? ああ、名乗っていなかったな。俺はアース。――ただの使用人だよ」
「馬鹿……野郎。お前程の男が、使用人に……収まるわけがない……だろ。嘘をつき……やがっ――――」
その言葉を最後まで言い終えることなく、ロウガは気を失い、倒れてしまう。
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