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【無視できない招待状】
交易路開通
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アースの用意した作物を何度か収穫し終えた頃、クレミアル街道へ繋がる道を作り終えたアースがリーフェルニア領へと帰還する。
「あっ、お帰りなさいアース。ご苦労様。疲れているでしょうから、ゆっくり休んでちょうだい」
帰還したアースをエレミアが館へ迎え入れ、労いの言葉をかける。
「ああ、ただいまエレミア。クレミアル街道への道は完成したぞ。しかし今更だが勝手に道を繋げてよかったのか――ん? 何やら外が騒がしいみたいだが、何かあったのか?」
館への道すがら忙しなく動き回る領民を見かけたので、アースは何かあったのかと疑問に思いエレミアに問いかける。
「ああ、それなら心配ないわ。アースが道を作ってる間に、例の鉱山から発掘してきた鉱石とか色々な物を運んでる途中なのよ」
「む、そうなのか……そちらも俺が行ければ効率よく採取できたんだがな」
確かにアースの『天与』を使えば、採掘作業などあっという間に終えられるだろう。
しかしエレミアをはじめ、領民の総意としてアース一人だけに負担はかけまいとしている。
アースの力に頼りきりにならないように、できる部分は全員で分担すると決めたのだ。
「いいのよ、アース。あなた一人だけに負担はかけられないわ。ここは私達の街なんだから皆で協力し合いましょ? アースの身体は一つだけなんだもの、なんでも一人でやる必要はないわ。ねっ?」
「――そうか。……そうだったな。共に頑張ろう」
魔王軍に居た頃は誰にも相談できずに、一人で抱え込むことが多かった。
このリーフェルニア領では自分を偽らず、周りの人間はありのままの自分を受け入れて協力してくれる。改めてその事実を認識したアースの表情は晴れやかであった。
「――――それはそれとして、運び込まれた鉱石に興味がある。何処へ運ばれているんだ?」
「ふふっ、錬金術師としての血が騒ぐ……ってやつかしら? 私としてはちゃんと休んで欲しいんだけど……そんなに目を輝かせられると何も言えないわ」
「む……そんなに顔に出ていたか?」
実際には微妙な表情の変化でしかなかったが、何故エレミアが気付いたのかは彼女自身にしかわからないだろう。
「普段は無表情なのに、たまに子供みたいな顔するんだから。そういうところがちょっとかわい……ゴホンゴホン!」
「……? どうした? 体調でも悪いのか?」
「べ、べべべ別に何でも無いわよ! ……えーと、鉱石だったら、今は使われなくなった鍛冶施設に運ばれているわ。コハクが指揮を執って設備を復旧しているところよ」
かつては鍛冶屋がこの街にも居たのだが、高齢だったため数年前に亡くなってしまっていた。
その後溶鉱炉などの設備は残っていたものの、他に心得がある者がおらず、今まで使われずに放置されていたのだ。
ドワーフ族は山間に住む種族であり、豊富な鉱山資源に囲まれ育つので、鍛冶師を生業とする者が多い。
コハクも祖父が鍛冶師であり、多くを教われる環境で育ったためその知識を買われ、今回指揮を任されたのである。
「そうか、なら少し寄ってみるとしよう。道の完成の件、レオナルドに伝えておいてもらえるか?」
「ええ、わかったわ。見学もほどほどにね」
アースは作業の様子を見に、鍛冶施設へと向かうことにした。
「あっ、お帰りなさいアース。ご苦労様。疲れているでしょうから、ゆっくり休んでちょうだい」
帰還したアースをエレミアが館へ迎え入れ、労いの言葉をかける。
「ああ、ただいまエレミア。クレミアル街道への道は完成したぞ。しかし今更だが勝手に道を繋げてよかったのか――ん? 何やら外が騒がしいみたいだが、何かあったのか?」
館への道すがら忙しなく動き回る領民を見かけたので、アースは何かあったのかと疑問に思いエレミアに問いかける。
「ああ、それなら心配ないわ。アースが道を作ってる間に、例の鉱山から発掘してきた鉱石とか色々な物を運んでる途中なのよ」
「む、そうなのか……そちらも俺が行ければ効率よく採取できたんだがな」
確かにアースの『天与』を使えば、採掘作業などあっという間に終えられるだろう。
しかしエレミアをはじめ、領民の総意としてアース一人だけに負担はかけまいとしている。
アースの力に頼りきりにならないように、できる部分は全員で分担すると決めたのだ。
「いいのよ、アース。あなた一人だけに負担はかけられないわ。ここは私達の街なんだから皆で協力し合いましょ? アースの身体は一つだけなんだもの、なんでも一人でやる必要はないわ。ねっ?」
「――そうか。……そうだったな。共に頑張ろう」
魔王軍に居た頃は誰にも相談できずに、一人で抱え込むことが多かった。
このリーフェルニア領では自分を偽らず、周りの人間はありのままの自分を受け入れて協力してくれる。改めてその事実を認識したアースの表情は晴れやかであった。
「――――それはそれとして、運び込まれた鉱石に興味がある。何処へ運ばれているんだ?」
「ふふっ、錬金術師としての血が騒ぐ……ってやつかしら? 私としてはちゃんと休んで欲しいんだけど……そんなに目を輝かせられると何も言えないわ」
「む……そんなに顔に出ていたか?」
実際には微妙な表情の変化でしかなかったが、何故エレミアが気付いたのかは彼女自身にしかわからないだろう。
「普段は無表情なのに、たまに子供みたいな顔するんだから。そういうところがちょっとかわい……ゴホンゴホン!」
「……? どうした? 体調でも悪いのか?」
「べ、べべべ別に何でも無いわよ! ……えーと、鉱石だったら、今は使われなくなった鍛冶施設に運ばれているわ。コハクが指揮を執って設備を復旧しているところよ」
かつては鍛冶屋がこの街にも居たのだが、高齢だったため数年前に亡くなってしまっていた。
その後溶鉱炉などの設備は残っていたものの、他に心得がある者がおらず、今まで使われずに放置されていたのだ。
ドワーフ族は山間に住む種族であり、豊富な鉱山資源に囲まれ育つので、鍛冶師を生業とする者が多い。
コハクも祖父が鍛冶師であり、多くを教われる環境で育ったためその知識を買われ、今回指揮を任されたのである。
「そうか、なら少し寄ってみるとしよう。道の完成の件、レオナルドに伝えておいてもらえるか?」
「ええ、わかったわ。見学もほどほどにね」
アースは作業の様子を見に、鍛冶施設へと向かうことにした。
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