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【天災との遭遇】
天災級
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「え……? アース、さん……?」
「ガウェイン、よく時間を稼いでくれた。後は任せてくれ」
「――え? あ、はい……」
アースはポーションで傷を回復させ、伐採に使っていた斧と同じ性能の戦斧で、力の限りメタルイーターの背中を切りつけた。だが恐ろしいことに体表が少し欠けた程度であり、与えたダメージとしては微々たるものだろう。
体勢を崩したメタルイーターがゆっくりと起き上がると、攻撃されたことに怒り、その矛先をアースへと向け咆哮する。
「グォォォァァァッッッ!!」
その気迫にビリビリと周囲の空気が震える。
しかしアースはそれに気圧されることなく、咆哮するため大きく開いた口を目掛けて斧を振るうが、すんでのところで口を閉じられ、またしても体表を少し傷つけた程度に終わる。
「口内なら攻撃が通ると思ったが……さすがにそこまでの隙はないか。はあっ!」
アースはそのまま流れるような動きで戦斧を操り次々と攻撃を命中させていくも、メタルイーターに対し有効なダメージを与えられていなかった。
「す、凄い……! あの動き、一撃の重さ……! どれをとっても一級品ッス!」
巨大な戦斧を振り回しているとは思えない程の連撃、攻撃が命中した瞬間、周囲にまでに伝わってくる衝撃。
ガウェインはもちろんのこと、戦闘に関して素人であるコハクにもその凄まじさが伝わっていた。
「せやな……ウチもアースのあんちゃんがここまで強いとは思っとらんかったわ。それでもあのメタルイーターに対して有効打にはなっとらんみたいやな……どうやらここら一帯のレアメタルを複数種類取り込んだことで、あいつの体はワケわからん性能になっとるみたいや」
鉄と同等の硬度を持つタイタンウッドをも断ち斬る威力を誇るアースの攻撃だが、メタルイーターはその攻撃を幾度と受けても倒れる気配がない。
その体表の硬さもさることながら、受けた衝撃も緩和しているように見えることから、アダマンタイト以外の鉱物の特性も持っているようだ。
「アダマンタイトの硬さに、衝撃を分散させるのは……流砂鉄か? ……さっき近くで絶魔鉱も見かけたしもしかしたら魔法も弾くかもしれんなぁ」
『アダマンタイト』とは、現存している金属の中で最大の硬度を持つとされているものだ。
『流砂鉄』は金属ながら個体と液体の中間の性質を持ち、受けた衝撃を全体へ均一に分散させ、やわらげる性質がある。
『絶魔鉱』は読んで字のごとく、魔力を通さない性質を持ち、魔法攻撃に対して絶大な防御性能を誇る。
そのいずれもが希少な鉱物であり、一つだけでも莫大な富を得ることができる代物だ。
それら全ての特性を併せ持つ魔物がいるなど信じたくはないが、実際目の前にすると絶望しかない。
「そんなのAランク……いや、Sランク……それこそ災害級の魔物じゃないッスか……いくらアースさんが凄くてもこれじゃあ……」
「せやな……しかも他にも色々と取り込んどるやろうし、どんだけ凄いかちょっと想像つかんわ」
Sランクに分類される魔物は天災と同じような扱いを受けており、一度現れれば街一つは容易く壊滅させてしまう。
対抗する手段を持たなければ、ただただ過ぎ去るのを待つしかない、まさしく天災だ。
ガンッッ! カンッ! キィン!
幾度となく攻撃を打ち込み続けたアースだったが、激しい攻撃の連続に、ついに戦斧が悲鳴をあげていた。
アースの能力によって強化されているが、それでもメタルイーターの纏う特殊合金とのぶつかり合いには耐えられなかったようだ。
「くっ、このままではまずいか……」
アースは不利なこの状況に焦りを感じ始めていた。
武器として持ってきたのはこの戦斧だけであり、これを失ってしまってはかなり不利になる。
『天与』はなるべく使わないよう約束したのだが、こうなってしまったのなら仕方がない。
「すまんなレオナルド……約束は守れそうにない」
逃げようと思えば全員を連れて逃げられたかもしれない。
だがここまでの驚異となった魔物を放置してはリーフェルニア領に危険を及ぼす可能性がある。
アースは『天与』を使いその力の全てを以て、敵を倒すことを決意した。
「ガウェイン、よく時間を稼いでくれた。後は任せてくれ」
「――え? あ、はい……」
アースはポーションで傷を回復させ、伐採に使っていた斧と同じ性能の戦斧で、力の限りメタルイーターの背中を切りつけた。だが恐ろしいことに体表が少し欠けた程度であり、与えたダメージとしては微々たるものだろう。
体勢を崩したメタルイーターがゆっくりと起き上がると、攻撃されたことに怒り、その矛先をアースへと向け咆哮する。
「グォォォァァァッッッ!!」
その気迫にビリビリと周囲の空気が震える。
しかしアースはそれに気圧されることなく、咆哮するため大きく開いた口を目掛けて斧を振るうが、すんでのところで口を閉じられ、またしても体表を少し傷つけた程度に終わる。
「口内なら攻撃が通ると思ったが……さすがにそこまでの隙はないか。はあっ!」
アースはそのまま流れるような動きで戦斧を操り次々と攻撃を命中させていくも、メタルイーターに対し有効なダメージを与えられていなかった。
「す、凄い……! あの動き、一撃の重さ……! どれをとっても一級品ッス!」
巨大な戦斧を振り回しているとは思えない程の連撃、攻撃が命中した瞬間、周囲にまでに伝わってくる衝撃。
ガウェインはもちろんのこと、戦闘に関して素人であるコハクにもその凄まじさが伝わっていた。
「せやな……ウチもアースのあんちゃんがここまで強いとは思っとらんかったわ。それでもあのメタルイーターに対して有効打にはなっとらんみたいやな……どうやらここら一帯のレアメタルを複数種類取り込んだことで、あいつの体はワケわからん性能になっとるみたいや」
鉄と同等の硬度を持つタイタンウッドをも断ち斬る威力を誇るアースの攻撃だが、メタルイーターはその攻撃を幾度と受けても倒れる気配がない。
その体表の硬さもさることながら、受けた衝撃も緩和しているように見えることから、アダマンタイト以外の鉱物の特性も持っているようだ。
「アダマンタイトの硬さに、衝撃を分散させるのは……流砂鉄か? ……さっき近くで絶魔鉱も見かけたしもしかしたら魔法も弾くかもしれんなぁ」
『アダマンタイト』とは、現存している金属の中で最大の硬度を持つとされているものだ。
『流砂鉄』は金属ながら個体と液体の中間の性質を持ち、受けた衝撃を全体へ均一に分散させ、やわらげる性質がある。
『絶魔鉱』は読んで字のごとく、魔力を通さない性質を持ち、魔法攻撃に対して絶大な防御性能を誇る。
そのいずれもが希少な鉱物であり、一つだけでも莫大な富を得ることができる代物だ。
それら全ての特性を併せ持つ魔物がいるなど信じたくはないが、実際目の前にすると絶望しかない。
「そんなのAランク……いや、Sランク……それこそ災害級の魔物じゃないッスか……いくらアースさんが凄くてもこれじゃあ……」
「せやな……しかも他にも色々と取り込んどるやろうし、どんだけ凄いかちょっと想像つかんわ」
Sランクに分類される魔物は天災と同じような扱いを受けており、一度現れれば街一つは容易く壊滅させてしまう。
対抗する手段を持たなければ、ただただ過ぎ去るのを待つしかない、まさしく天災だ。
ガンッッ! カンッ! キィン!
幾度となく攻撃を打ち込み続けたアースだったが、激しい攻撃の連続に、ついに戦斧が悲鳴をあげていた。
アースの能力によって強化されているが、それでもメタルイーターの纏う特殊合金とのぶつかり合いには耐えられなかったようだ。
「くっ、このままではまずいか……」
アースは不利なこの状況に焦りを感じ始めていた。
武器として持ってきたのはこの戦斧だけであり、これを失ってしまってはかなり不利になる。
『天与』はなるべく使わないよう約束したのだが、こうなってしまったのなら仕方がない。
「すまんなレオナルド……約束は守れそうにない」
逃げようと思えば全員を連れて逃げられたかもしれない。
だがここまでの驚異となった魔物を放置してはリーフェルニア領に危険を及ぼす可能性がある。
アースは『天与』を使いその力の全てを以て、敵を倒すことを決意した。
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