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序章【文化祭編】
聖剣と魔術
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「その聖剣は使いやすそう?」
「ああ、びっくりするくらいしっくりくるな」
アキラが生成した聖剣エクスカリバー、別の世界に在るものって言ってたけど、ますますアキラが何者なのかわからなくなってきた。
そんなことより今直面している問題。ニールをどうやって倒すのか、生徒全員から魔力を吸ったおかげで暴走状態、そして身体も3m程に大きくなっていた。まるで前回の神崎先輩みたいに。そういえば要は前回、神崎先輩をどうやって戦闘不能までにしたんだろう。仮に殺したとして、でも要はそんな事は出来ない性格なのを私は知っているから別の方法を使ったに違いない。
「ねぇ、要君は何か能力みたいなのある?」
「無いね、でも能力って言われて思い出した事がある。それも、きっと剣と相性がいい技を」
「ヒヒヒヒ、おしゃべりは終わったか。人間のガキとはいえ、こんなに数がいれば魔力は最高だ!」
ニールは巨体とは思えないような速さで殴りかかって来た。
「隙だらけだな、って硬すぎだろ!」
「お前の方が隙だらけだぞ『炎の爪(フレイムクロー)』」
「えっちょっと待っ、」
ニールの全身は魔力に覆われて硬くなっており、流石に聖剣でも雑には使えない。そのまま要はニールの魔術と物理技のコンビをくらって吹き飛ばされた。
「要君大丈夫?!」
「いや結構危なかった、ぎり防げたけど多分次は確実に仕留めてくるわ。流石に聖剣でも乱暴に振り回しとけばいいってもんじゃないな」
「せっかくの機会だ、お前ら2人に特別に魔族の技を見せてやろう『####…(人間の言葉では無いため理解出来ない)」
ニールは何か詠唱を始めた。それと同時に空気が重たく感じ、息をするのが苦しくなって…苦しくなくなった。要の持っている聖剣が光りだしていた。
「要君それ、」
「聖剣が魔術を吸っている?」
ニールの技から溢れている魔力をこの聖剣は吸っていた。まるでさっきまでニールが生徒から魔力を吸っていたように。
「若月さん、俺に考えがあるんだけど聞いてほしい」
「分かった、何?」
「若月さんの魔力量は凄いのを俺は知っている。だから、この聖剣にひたすら魔力を注いでアイツの技にぶつけて相殺出来ると思う。最悪俺は死ぬかもしれないけど、最高だとカウンターみたいになるんじゃないかな」
「そんな、要君が犠牲になることなんて、なら代わりに私が」
「アキラさんはこの聖剣を俺に渡した。ならここは俺がやるべきだと思うし、今は一刻の猶予も惜しい。だから俺が若月さんの話を信じたように、俺のことも信じてくれないか」
私は無言のまま聖剣に魔力を注いだ。無言だったがそれは私が納得していないけどそうするしかないのだと思っていたからだ。要は無言の私を見て任せろと言った。
「…####』どうだ、これでこの建物ごとお前らを消してやる!」
魔術らしき技によって黒い球体が爆発する直前のように禍々しく光りだした。
そこに魔力をチャージした聖剣を持った要が言っていた例の技を使った。
「『仙風復行(せんぷうふっこう)』お前が消えるんだよ!」
聖剣から放たれた大きなエネルギーが要の魔術を通り、ニールの技に当たり予想どおり相殺された。そして、要の魔術から聖剣から放たれた大きなエネルギーとほぼ同じかそれ以上の波動が出てニールに当たりカウンターが成功した。
「かはっ…」
「コイツあれだけの攻撃を受けてまだ生きているのかよ。まあ流石に人間の姿に戻っているが」
「要君、あの魔術は?」
「あの魔術は俺のオリジナルだ。だから使えるのは今は俺だけ。風の力を使って一度受けた攻撃と同じエネルギー量の風の魔術が出るんだ」
「だから聖剣という聞いただけでも強そうな武器だから相性が良いのは当たり前か、でも要は一度に複数の魔術が使えたっけ?」
「どういうことだ?俺は一回しか魔術を使ってないぞ。多分この聖剣から出た波動を魔術と勘違いしたんじゃないか?」
「そうなのかな、そうかもね。じゃあニールを…どうしよう、捕まえたほうがいいのかな?それとも殺しちゃうのかな?」
どうしよう魔物を戦闘不能にした後の事聞いてなかった。一応拘束魔術で動けなくしておこうか。
「『氷の鎖』」
「俺も手伝う『羽の鎧(フェザーアーマー)』」
「ありがとう、これでアキラが来るまで耐えれるよね」
「だといいな」
ーーーーーーーー
(はは、あーこんなガキにあれだけの力を出したのに敗北か。そういえば、このガキは私の能力を知っていたな。まあ、ほぼほぼ25の悪魔が言ったんだろうな。…でもこのガキは人に対してしか言ってなかったな。ここからは脱出、出来なくても最後に抗うか。バカめ、私は人間を操るのではない。"ものを操るんだ"だから私が持ってきた奥にある剣は操れる!)
「…ッ!時雨避けろ!」
「はっ…」「『入替え』『転移』」
ーーーーーーーー
「やれやれ、アキラからは油断するなとは言われてないのか?」
「ミカ、さん?どうして、ここは『ラプラスの悪魔』?!」
「時雨!大丈夫か?!な、何だこの場所は?」
どうやら私はまたここにいる人たちに助けられたようだ。
「ニールは、魔物はどうなったの?」
「要君だっけ?君はまだ混乱しているようだから眠っててね」
トンっと要の額に指で押したら要はその場で倒れた。
「大丈夫、寝ているだけだから。それより、今回の魔物は魔族と呼ばれる。いわゆる上位の存在だ。だからアキラにお願いして君たちに最高クラスの道具を渡すように言ったんだ」
「そうだったんですね。魔族はどうなったんですか?」
「それはコレ。今時雨が持っているその水晶玉に入っているよ」
水晶玉を覗いて見ると中でニールが眠っている。
「どうやって」
「それは時雨が恐怖を感じたからだよ。アキラが時雨に渡したのはアタシの研究成果の結晶!その水晶玉の中にぎりぎり発動しない程度に魔力を注いだ魔術を2個付与したんだ。で、時雨がピンチになった時、人が恐怖を感じると反射的に自分を守ろうとして魔力が溢れて守るの。それを利用して、ぎりぎり発動しない程度に魔力を入れておいた魔術は発動するんだ」
それで1つはニールを捕まえて、2つ目でここに移動させたという事か。
「まあ、本当はこの魔族を捕まえるだけで良かったんだけど、ここに転移させてなかったら今頃時雨は剣で串刺しになっていただろうし。じゃあとりあえずこの魔族はアタシが責任を持って管理するから君たちは元いた場所に戻すよ『転移』」
ーーーーーーーー
「体育館に戻ったか。要君起きて、学校に戻ってきたよ」
「う、うーん、体育館に戻ってる?」
とりあえず周りの様子を見てみる。体育館にいた生徒達は校舎のどこかにアキラが転移させたから生徒達に被害はないだろう。だけど体育館の中は戦闘したおかげでぼろぼろになっていた。
「体育館が、どうしようこれは直せないよね」
「そうだな、でもアキラって人なら直せそうじゃないか?」
「そうだね一応聞いてみようか…」
するとすごい速さで強い力を持った何かが近づいてくるのを感じた。アキラよりも全然違う強い力だ。
「遅れてすいません!ただ今生徒の皆様を助けに来た者です…ってあれっもう終わってる?」
体育館に入ってきたのは軽装備で見た目は私達とあまり変わらなさそうな男の子だった。
「はぁはぁ、あのですね。いくら勇者だからといっても勝手に行動されては困りますし、移動なら転移魔術でいいでしょう」
「でも僕なら走ったほうが早いもんね」
後からついてきたのは、全身に鎧を纏っている男。2人とも一般人とは桁違いなほどの魔力量を感じる。それにさっき倒したニールの強化状態よりも凄い。
「なあ若月さん、あの男、今話しているやつの事を勇者って言ってたよな。まさか、あんな俺達と同じくらいの年齢の男の子が勇者だったなんて」
「一応話してみようか…あの、貴方達は誰ですか」
「申し遅れた。私の名前は…そうだな、サドと呼んでくれ」
「ぷぷぷ、サド、今考えたくせに」
「仕事の関係上、私達は名前は伏せておくのが必要なんだ。…すまない、本名は言えないんだ。」
「次は僕の番だね、僕の名前は勇者、金色 咲黒(こんじき さぐろ)って言うんだ」
「今偽名を使えと言ったばかりでしょう?!」
「いいじゃん別に、僕にはもう失う物なんてなにもないからね。これからは得られる物を多くしないと、そのためにはまず名前を広めるところからだよ」
「それでお仕事というのは?」
「王国騎士をやっていて、僕たちは二番隊に所属しているんだ」
王国騎士ということは私のお父さんとお母さんについて何か知っていることがあるかも。
「ちなみに私が隊長及び勇者のお世話役。そしてこの勇者は副隊長という立場にいます」
王国騎士といえば要は将来の夢が小学生の頃から王国騎士だったような。
「すっすげー、俺も将来王国騎士になりたいって思っているんですけど、何かアドバイスとかってありますか!」
「そうだな、毎日鍛錬を怠らなければ去年から入隊して先月辺りに行方不明になったやつよりも遥かに上を目指せるだろう」
行方不明?先月辺り?何か引っかかる。
「行方不明ってどういうことですか?何か事情が…」
「すまない、言い過ぎたようだ。これから先は機密情報でね」
「あの!その人の名前だけでも…」
「あのさ、さっきから気になってたんだけど、君の名前何だっけ?」
「若月時雨です」
「若月の周りにあるオーラって言うのかな?まあそんなのがさ、勇者には見えるんだけど。お前のオーラに勇者のオーラが混じってんのすげームカつく。うわっ何すんだよケン」
「今は、サドです。申し訳ありません。若月時雨さん、勇者はまだ君たちと同じ子どもなんです。無礼を許してほしい。詫びとして、名は言えないがコードネームなら教えれる。それを使って彼を探せばいい。彼のコードネームは【24と1】またの名を【多くの間違い-1つの正義】だ。それではまた会おう」
と言ってサドは勇者を担いで転移魔術で帰っていった。
24と1…か、頭の中で嫌な予感がした。もし先月辺りに行方不明になった人物が白の悪魔に襲われて魔物になっていたとしたら、きっと…25の悪魔はその人だ。
「ああ、びっくりするくらいしっくりくるな」
アキラが生成した聖剣エクスカリバー、別の世界に在るものって言ってたけど、ますますアキラが何者なのかわからなくなってきた。
そんなことより今直面している問題。ニールをどうやって倒すのか、生徒全員から魔力を吸ったおかげで暴走状態、そして身体も3m程に大きくなっていた。まるで前回の神崎先輩みたいに。そういえば要は前回、神崎先輩をどうやって戦闘不能までにしたんだろう。仮に殺したとして、でも要はそんな事は出来ない性格なのを私は知っているから別の方法を使ったに違いない。
「ねぇ、要君は何か能力みたいなのある?」
「無いね、でも能力って言われて思い出した事がある。それも、きっと剣と相性がいい技を」
「ヒヒヒヒ、おしゃべりは終わったか。人間のガキとはいえ、こんなに数がいれば魔力は最高だ!」
ニールは巨体とは思えないような速さで殴りかかって来た。
「隙だらけだな、って硬すぎだろ!」
「お前の方が隙だらけだぞ『炎の爪(フレイムクロー)』」
「えっちょっと待っ、」
ニールの全身は魔力に覆われて硬くなっており、流石に聖剣でも雑には使えない。そのまま要はニールの魔術と物理技のコンビをくらって吹き飛ばされた。
「要君大丈夫?!」
「いや結構危なかった、ぎり防げたけど多分次は確実に仕留めてくるわ。流石に聖剣でも乱暴に振り回しとけばいいってもんじゃないな」
「せっかくの機会だ、お前ら2人に特別に魔族の技を見せてやろう『####…(人間の言葉では無いため理解出来ない)」
ニールは何か詠唱を始めた。それと同時に空気が重たく感じ、息をするのが苦しくなって…苦しくなくなった。要の持っている聖剣が光りだしていた。
「要君それ、」
「聖剣が魔術を吸っている?」
ニールの技から溢れている魔力をこの聖剣は吸っていた。まるでさっきまでニールが生徒から魔力を吸っていたように。
「若月さん、俺に考えがあるんだけど聞いてほしい」
「分かった、何?」
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「そんな、要君が犠牲になることなんて、なら代わりに私が」
「アキラさんはこの聖剣を俺に渡した。ならここは俺がやるべきだと思うし、今は一刻の猶予も惜しい。だから俺が若月さんの話を信じたように、俺のことも信じてくれないか」
私は無言のまま聖剣に魔力を注いだ。無言だったがそれは私が納得していないけどそうするしかないのだと思っていたからだ。要は無言の私を見て任せろと言った。
「…####』どうだ、これでこの建物ごとお前らを消してやる!」
魔術らしき技によって黒い球体が爆発する直前のように禍々しく光りだした。
そこに魔力をチャージした聖剣を持った要が言っていた例の技を使った。
「『仙風復行(せんぷうふっこう)』お前が消えるんだよ!」
聖剣から放たれた大きなエネルギーが要の魔術を通り、ニールの技に当たり予想どおり相殺された。そして、要の魔術から聖剣から放たれた大きなエネルギーとほぼ同じかそれ以上の波動が出てニールに当たりカウンターが成功した。
「かはっ…」
「コイツあれだけの攻撃を受けてまだ生きているのかよ。まあ流石に人間の姿に戻っているが」
「要君、あの魔術は?」
「あの魔術は俺のオリジナルだ。だから使えるのは今は俺だけ。風の力を使って一度受けた攻撃と同じエネルギー量の風の魔術が出るんだ」
「だから聖剣という聞いただけでも強そうな武器だから相性が良いのは当たり前か、でも要は一度に複数の魔術が使えたっけ?」
「どういうことだ?俺は一回しか魔術を使ってないぞ。多分この聖剣から出た波動を魔術と勘違いしたんじゃないか?」
「そうなのかな、そうかもね。じゃあニールを…どうしよう、捕まえたほうがいいのかな?それとも殺しちゃうのかな?」
どうしよう魔物を戦闘不能にした後の事聞いてなかった。一応拘束魔術で動けなくしておこうか。
「『氷の鎖』」
「俺も手伝う『羽の鎧(フェザーアーマー)』」
「ありがとう、これでアキラが来るまで耐えれるよね」
「だといいな」
ーーーーーーーー
(はは、あーこんなガキにあれだけの力を出したのに敗北か。そういえば、このガキは私の能力を知っていたな。まあ、ほぼほぼ25の悪魔が言ったんだろうな。…でもこのガキは人に対してしか言ってなかったな。ここからは脱出、出来なくても最後に抗うか。バカめ、私は人間を操るのではない。"ものを操るんだ"だから私が持ってきた奥にある剣は操れる!)
「…ッ!時雨避けろ!」
「はっ…」「『入替え』『転移』」
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「やれやれ、アキラからは油断するなとは言われてないのか?」
「ミカ、さん?どうして、ここは『ラプラスの悪魔』?!」
「時雨!大丈夫か?!な、何だこの場所は?」
どうやら私はまたここにいる人たちに助けられたようだ。
「ニールは、魔物はどうなったの?」
「要君だっけ?君はまだ混乱しているようだから眠っててね」
トンっと要の額に指で押したら要はその場で倒れた。
「大丈夫、寝ているだけだから。それより、今回の魔物は魔族と呼ばれる。いわゆる上位の存在だ。だからアキラにお願いして君たちに最高クラスの道具を渡すように言ったんだ」
「そうだったんですね。魔族はどうなったんですか?」
「それはコレ。今時雨が持っているその水晶玉に入っているよ」
水晶玉を覗いて見ると中でニールが眠っている。
「どうやって」
「それは時雨が恐怖を感じたからだよ。アキラが時雨に渡したのはアタシの研究成果の結晶!その水晶玉の中にぎりぎり発動しない程度に魔力を注いだ魔術を2個付与したんだ。で、時雨がピンチになった時、人が恐怖を感じると反射的に自分を守ろうとして魔力が溢れて守るの。それを利用して、ぎりぎり発動しない程度に魔力を入れておいた魔術は発動するんだ」
それで1つはニールを捕まえて、2つ目でここに移動させたという事か。
「まあ、本当はこの魔族を捕まえるだけで良かったんだけど、ここに転移させてなかったら今頃時雨は剣で串刺しになっていただろうし。じゃあとりあえずこの魔族はアタシが責任を持って管理するから君たちは元いた場所に戻すよ『転移』」
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「体育館に戻ったか。要君起きて、学校に戻ってきたよ」
「う、うーん、体育館に戻ってる?」
とりあえず周りの様子を見てみる。体育館にいた生徒達は校舎のどこかにアキラが転移させたから生徒達に被害はないだろう。だけど体育館の中は戦闘したおかげでぼろぼろになっていた。
「体育館が、どうしようこれは直せないよね」
「そうだな、でもアキラって人なら直せそうじゃないか?」
「そうだね一応聞いてみようか…」
するとすごい速さで強い力を持った何かが近づいてくるのを感じた。アキラよりも全然違う強い力だ。
「遅れてすいません!ただ今生徒の皆様を助けに来た者です…ってあれっもう終わってる?」
体育館に入ってきたのは軽装備で見た目は私達とあまり変わらなさそうな男の子だった。
「はぁはぁ、あのですね。いくら勇者だからといっても勝手に行動されては困りますし、移動なら転移魔術でいいでしょう」
「でも僕なら走ったほうが早いもんね」
後からついてきたのは、全身に鎧を纏っている男。2人とも一般人とは桁違いなほどの魔力量を感じる。それにさっき倒したニールの強化状態よりも凄い。
「なあ若月さん、あの男、今話しているやつの事を勇者って言ってたよな。まさか、あんな俺達と同じくらいの年齢の男の子が勇者だったなんて」
「一応話してみようか…あの、貴方達は誰ですか」
「申し遅れた。私の名前は…そうだな、サドと呼んでくれ」
「ぷぷぷ、サド、今考えたくせに」
「仕事の関係上、私達は名前は伏せておくのが必要なんだ。…すまない、本名は言えないんだ。」
「次は僕の番だね、僕の名前は勇者、金色 咲黒(こんじき さぐろ)って言うんだ」
「今偽名を使えと言ったばかりでしょう?!」
「いいじゃん別に、僕にはもう失う物なんてなにもないからね。これからは得られる物を多くしないと、そのためにはまず名前を広めるところからだよ」
「それでお仕事というのは?」
「王国騎士をやっていて、僕たちは二番隊に所属しているんだ」
王国騎士ということは私のお父さんとお母さんについて何か知っていることがあるかも。
「ちなみに私が隊長及び勇者のお世話役。そしてこの勇者は副隊長という立場にいます」
王国騎士といえば要は将来の夢が小学生の頃から王国騎士だったような。
「すっすげー、俺も将来王国騎士になりたいって思っているんですけど、何かアドバイスとかってありますか!」
「そうだな、毎日鍛錬を怠らなければ去年から入隊して先月辺りに行方不明になったやつよりも遥かに上を目指せるだろう」
行方不明?先月辺り?何か引っかかる。
「行方不明ってどういうことですか?何か事情が…」
「すまない、言い過ぎたようだ。これから先は機密情報でね」
「あの!その人の名前だけでも…」
「あのさ、さっきから気になってたんだけど、君の名前何だっけ?」
「若月時雨です」
「若月の周りにあるオーラって言うのかな?まあそんなのがさ、勇者には見えるんだけど。お前のオーラに勇者のオーラが混じってんのすげームカつく。うわっ何すんだよケン」
「今は、サドです。申し訳ありません。若月時雨さん、勇者はまだ君たちと同じ子どもなんです。無礼を許してほしい。詫びとして、名は言えないがコードネームなら教えれる。それを使って彼を探せばいい。彼のコードネームは【24と1】またの名を【多くの間違い-1つの正義】だ。それではまた会おう」
と言ってサドは勇者を担いで転移魔術で帰っていった。
24と1…か、頭の中で嫌な予感がした。もし先月辺りに行方不明になった人物が白の悪魔に襲われて魔物になっていたとしたら、きっと…25の悪魔はその人だ。
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