僕は幸せになるために復讐したい!

雨夜澪良

文字の大きさ
上 下
89 / 102
二幕 願い

原点回帰

しおりを挟む
「ライリーはこれからどうするの?」

 転移門をくぐり抜けると、そこはレーフ国にある公園だった。現在の時刻は午前二時。公園はもとより、この辺に僕たち以外の気配はない。

 僕は最後に転移門をくぐり抜けてきたライリーに分かりきっている答えを尋ねた。

「聞いてどうするの?」

「……っ」

「リアン兄さんも僕の正体に気づいているよね? 僕の真の姿を見たってことはそういうことだ。僕たちは昔、一度会っている」

 ライリーの言うとおり、僕たちは一度会っている。

 シエルがライリーを殺しに行くとき一度だけ、僕も同行したことがあった。さすがに、一緒に戦えるだけの力がなかったから離れたところで見ているだけだったが。

「ララさん――日和さんを殺しにいくんだね」

「そういうこと。それが、僕が今ここにいる存在理由だから。日和を殺すことだけが僕のここでの最初で最後の仕事」

「フレイさんのこと、大事にしていたんだよね。なら、フレイさんの大切にしていたものを守りたいと思ったことはないの?」

 自分でも、クズな発言をしている自覚はある。だってライリーに死ねと僕は今言ったのだから。

 僕にライリーを止める資格などありはしないことなど分かっていた。あのとき、日和さんを殺したことを選んだ時点で僕はライリーと同じようなものだ。日和さんの死を望んだ。それは変えられない事実。

 今でもなぜ己がライリーを止めようとしているのか分からない。僕を殺そうとしていた日和さんを助けるメリットなどないはずだ。手紙も渡さなくてすむ。僕に不都合はないはずだ。

 なのに――心が痛む。

 殺すときに好きだと言われたからだろうか。それとも、仮にも憧れていた存在だったから?

 分からない。

 でも、僕は今ライリーが日和さんを殺すのが嫌だと思っている。

「フレイのことは大事だった。四度目のシエルとの邂逅時、僕は瀕死にまで追い詰められた。そのとき僕の手当てをしてくれたのがフレイだった」

 ライリーは僕の発言に怒りを表さなかった。ただ、フレイとの思い出を懐かしむようにふっと笑った。そして丁寧に、昔に会った出来事を僕たちに聞かせてくれた。

 楽しかったこと、うれしかったこと。そして――

 ――残酷な終わりを

「会ったときにはすでにフレイは限界寸前だった。肉体ではなく精神が。このときすでに、フレイは日和が「何度も人の代わりに死ぬ所」を目の当たりにしていた。日和はそのたびにフレイに助けてと泣き叫び懇願した。でもフレイは慰めることしか、して上げられなかった。それだけ、祖父達の権力が強かった。祖父に会うことができなかったわけじゃない。だけど、父に娘の救済を望むことさえ、死の代行者賛成派の権力者達の妨害によって許されなかった。だから、僕はフレイの心を少しでも癒やそうと思った。それが助けられた者が助けた者にできる恩返しだと思ったから」

「だから、ヴァリテイターと契約を交わしたの?」

 ヴァリテイターはライリーが日和さんを殺すのを邪魔しない。そしてライリーはヴァリテイターに力を貸す。そういう契約ではなく、フレイを救えば、ヴァリテイターに力を貸すという契約。

 ライリーがしたのはそういう契約だったのだ。

「そうだよ。その契約にはいろいろ面倒ごとが含まれていたけど僕はその契約にサインした。たとえそれが、僕の死を覚悟したものだったとしても、僕はフレイに元気でいて欲しかった。なのに――」

 怒りを抑えるようにライリーは口を固く結び、体を震わせる。だがそれもやがてあふれ出す。怒りが叫びとなって吐き出される。

「なのに、あいつらはとどめをさした!! 人間じゃない僕でも分かることだ。あんなことをすればフレイの心は完全に壊れる!!」

「あんなこと?」

「契約を交わした次の日。これが最後だと。ヴァリテイターの連中はフレイ達家族に告げた。そして実際にフレイとアーノルドは大喜び。フレイは最後の日和の死を見届けた。それがフレイにとっては本当に最後の死の光景となった!!」

 隣で黙って聞いていたシアが口を押さえ、息を止める。おそらく、続きが分かったのだろう。僕はライリーの次の言葉を静かに待った。

「家に帰ってきたのは日和ではなく、日和にそっくりな、日和の振りをした別の女の子。フレイは全てを悟ったよ。膝から崩れ落ち、一晩中泣き続けた。怒りに燃えたアーノルドは権力者達に直談判しに行き、僕は必死に「日和は生きている」とフレイを慰めながら訴えた。でも、フレイは僕を信じてくれなかった。正体を言えば信じてくれるだろうかとも思ったりもしたけどそれはできなかった。フレイに嫌われるのが怖かったから」

 今にも泣きそうな顔に僕には見えた。

 実際、ライリーは先程の怒り以外の感情を出して話してはいない。それでも、その怒りだけでライリーが悲しんでいることなど分かるというものだ。

「その後フレイは泣き疲れたのか、朝方には寝てくれた。その間に僕は朝食を持ってこようと思って席を外した。でもそれがいけなかった。フレイは寝た振りをしただけだった。僕が部屋に戻って来たときにはフレイはすでに事切れていた」

「その後はどうなったの?」

「僕はアーノルドの元に行ったよ。共に権力者達に契約違反を訴えるために。でも、それはかなわなかった。他ならぬアーノルド自身によって。アーノルドは奇妙な術を使い、圧倒的な人の数で僕の動きを阻んだ。今思えば、アーノルドはあのときに不利な魔法契約を無理矢理結ばされたんだろうね。そのときに、僕は完全にヴァリテイター全員を見限った」

「なら、ヴァリテイターに消費されていた日和さんを――」

 ――殺さなくてもいいんじゃないか。

 その言葉を、ライリーは最後まで言わせてはくれなかった。ただ、一言。

「殺す」

 望んでいなかった答えを口にする。

 僕は下を向き、唇を強く噛みしめた。

 始めから分かっていたことだ。ライリーは日和さんを殺す。その意思が変わらないことなど。

 フレイさんが大切だったとしても、もうこの世にフレイさんはいない。

 もしかしたら人ではないライリーにとって、日和さんはフレイさんを死に追いやった張本人、とでも思っているのかもしれない。

 あくまでライリーが大切にしていたのはフレイさんだけなのだから。

「僕は不思議だよ。どうしてリアン兄さんは僕が日和を殺すのが嫌なの? リアン兄さんも日和を一度殺しているじゃない」

「分からない。いくら考えても何が問題なのか分からなかった。でも一つ分かったことがある」

「分かったこと?」

「僕はきっと夢を諦め切れていないんだ」

 口に出せば、腑に落ちた。

 今はディラン様のおかげだろうか。思考がはっきりしている。起きている間も聞こえ続けていた嫌な能力ノイズがない。
 だからこそ今ここで僕の道しるべが立てられた。

 本当にどうしようもないと自分でも思う。夢を抱き、間違いを犯し、そして迷い続けて、どん底に落ちた。それでも諦めたはずのそれを僕は心の何処かで諦めきれていなかった。 
 一度、どん底からすくい上げられたことがあったから。

 だからだろう。僕が再び夢を見続けてしまうのは。憧れが消えないのは。
 あの人の背中を見てしまったから。

 また、どん底に落ちるのが怖い。でも、一縷の希望に這いつくばってでもすがりたい。結果が、どん底に再び落ちることだとしても――――。

「自分でも都合のいいことを言っている自覚はある。余計なお世話なことも分かってる。単なる迷惑な押しつけで僕の自己満足なんだろうってことも。でも、僕は二人に傷ついて欲しくない。死んで欲しくない」

 それが答えだった。騎士のように人を救う存在でありたい。
 人をたくさん殺してきたくせに救いたいだのという滑稽な夢物語。
 そんなことは分かっている。身近な人だけでも救いたいという願いは持つこと自体、虫が良すぎることも。それでも……。

 下を向きながら、ライリーの返答を待つ。

 だが、返ってきたのは無慈悲な答えだった。

「そんなわがまま通らないよ」

 わがままな子供に言い聞かせるように。

 ライリーの答えは変わらない。

 僕はライリーを説得できるだけの言葉を、解決策を持ち合わせてはいない。

「分かっていると思うけど、仮に僕が日和を殺さないと決断したとして、僕が死んだとして、結果は大して変わらない。新しい僕が冥界で生まれ、日和を殺しにくる。同じことの繰り返し」

「今のままいれば……」

 今まで通りに二人とも生きていられる。そう、言おうとしてライリーは首を左右に振った。

「無理だよ。日和が死なない限り、異物と見なされている限り、僕は新たに生まれ続ける。役立たずの僕は新たに生まれた僕に殺される。今まで生きていられたことの方が不思議だったんだ。幸運はそう何度も続かない」

「調停者」

「シア……?」

  僕はどうにもならないことを本当の意味で悟り、口を引き結んでいたそのときだった。シアが口を挟んだのは。

「今まで生きていられたのは調停者のおかげで合っているわよね?」

「そうだよ。それがどうかしたの?」

 何を言っているのだろうか。あのとき、ディラン様は調停者が二人とも殺すと言っていた。その調停者が二人を生かしてた?

「私はあなたたちがどこで殺し合おうが正直どうでもいいのだけれど――もし調停者と話し合いこのルールを変えられるのなら、ライリーは日和って子を殺すのはやめるのかしら?」

「何を言っているんだよ!! 調停者を殺さないとディラン様のしようとしていることは始まらないって言っていたじゃないか?!」

 調停者が死ぬということは、一時解決したとしも、長期的に見れば何も解決していないのと同じではないか。

「リアンは少し黙っていなさい。事態を悪いようにはしないわ」

 シアが余裕のない僕の前に出て、ライリーと正面に対面する。僕はシアのその圧倒的なオーラの前に大人しく黙り込んだ。

「それで答えはノー、それともイエス?」

「イエス」

「なら、調停者の元に行きましょう。あなたたちを連れて行って上げるわ。それと――そこで寝こけている振りしているサノ。あなたも来る?」

 先ほどからベンチで横になっていたサノはアイマスクを取り、ゆっくりと起き上がる。そして、「ああ」と頷いた。

 本当にサノは自由人で、何を考えて生きているのか分かりやしない。

「それでは、もう一度移動するとしましょう」

 シアが閉じた転移門を新たに開く。行き先はガザニア国。僕たちは転移門を再びくぐり抜けた。






【後書き】

 本編だけ見たい。主人公視点だけ読みたい方は、二部三幕のサブタイトル『偽物たち』へ進むことをおすすめします。

 一つ前の『脱出』から本編につながっていますが、読まなくてもまあ、大丈夫でしょう。最低限は分かるかと(笑)

 次の話ーこの章(二部二幕)の残り2話は、敵サイドと魔王城の話になります。
 そして二部三幕のプロローグは二部一幕でのレオナのその後となります。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※毎週、月、水、金曜日更新 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。 ※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。

なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。 しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。 探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。 だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。 ――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。 Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。 Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。 それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。 失意の内に意識を失った一馬の脳裏に ――チュートリアルが完了しました。 と、いうシステムメッセージが流れる。 それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

処理中です...