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四章 討伐
会議
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「オリヴィアさん、無事だったんですね。良かった」
僕はオリヴィアさんの方を向いた。――――えっ、エアリエル、どうして?
僕は刀を静かに構える。
「リアン君、大丈夫。今のところは。エアリエルにも事情があったみたい」
「そうですか。それならいいんですけど」
僕は警戒を解く。
そういえば能力は解いたのにあの金色の鳥消えないな。普通、能力解いたら消えるものだと思うんだけど……。僕は金色の鳥を見た。こっちに向かってきてる?――――痛い、痛い、どうして僕の頭つつくかな。そんなに僕のこと嫌いなの?
「大人しくしてよ」
「リアン、大丈夫か?」
「ありがとうございます」
リンさんが僕と金色の鳥を引き離してくれた。そして自分の肩に乗せる。
うっ、どうしてリンさんの言うことは大人しく聞くの。
「オリヴィアもそろったことだし、教えてくれないか?ハリー」
「そうですね。どこから話しましょうか。――――まず、鬼がここに到達するまで残り15分といったところでしょうか?」
「15分?!」
「だから長くは話してはいられません。手短に話しましょう。鬼についてですが元は山の守り神だったのです」
山の神。これから僕たちは神と戦うことになるのか。
「そして私たちが弱体化している理由ですが山の神は私たちを取り込もうとしてるってところですかね。まだ距離があるからこの程度で済んでいますが。時間の問題ですね」
「じゃあ、今回鬼を退治?するのにハリーさんは戦力にならないってことですよね?」
まずくない?相手は元とはいえ神。戦力不足になるよね……。
「そうですね。それと私が全て取り込まれた時点で鬼は強化されるでしょうね」
「そもそもどうして鬼はハリーさんたちを取り込もうとしているんですか?」
強化する必要あるのかな?すでに相当強いと予想がつくんだけど。
「私たち暗殺者の里の者を恨んでいるからです。――そこにいる女性の方はオリヴィアさんでしたよね。お久しぶりです」
ハリーさんはオリヴィアさんの方を向くとそう言った。知り合いだったんだ。知らなかった。
「お久しぶりです」
「今回もあなたの力がカギになります。とても負担をかけることになって申し訳ないのですがやってくれますか?」
「はい。ただ、戦力不足が否めませんね。私は鬼を封印する行為に集中することになります。それに私はそのとき無防備になります。だから私を守ってくれる人が必要です」
ということはまともに鬼と戦えるのは僕とリンさんとロジェとエアリエルってことかな。でもロジェは……。
「リアン兄ちゃん、心配しないで。僕もちゃんと戦えるから」
「それなら一緒に頑張ろうね」
「うん」
そういえばハリーさんと戦っているとき変なドス黒い物が巻き付いていたよね。あれ、斬った方がいいのかな。
金色の鳥がなんか身振り手振りしている。なんだろ。えっと、分からん。あっ、ため息ついてる。
「お前、バカだろ」
「バカとはなんだ。バカとは。鳥に言われたくない」
というかこの鳥、話せたんだ。だったら最初から話せば良かったのに。
「私は高貴だからな。声を聞くだけでもありがたいと思え」
「それで鳥さん、何が言いたいことあるんですか?」
「リアン、さっさとハリーの呪いを斬ってやれ。それとリン、お前は血を吸わないこととみんなを守ること、どっちが大事だ?」
「それは……」
「まあよい。今回は私の力を貸してやる。口を開けろ」
リンさんは渋々ながら口を開けた。
「受け取れ」
この鳥、自分の羽を傷つけてリンさんの口にそのまま突っ込んだ?!
「人間の血を吸いたくないのだろ。だったら私の高貴な血を吸わせてやる。ありがたく思え。これであと500年は吸わなくても生きてられるぞ」
この鳥、さっきからものすごく偉そう。態度が尊大。いや、やってることは確かにすごいんだけど。
「力がみなぎってくる。これなら本来の力を出すことも……」
「ああ、できるだろうな。私の高貴なる血だからな。それより――リアン、ぼさっとしてないでさっさと斬らんか。この馬鹿者」
そんな何回もバカって言わなくてもいいじゃんか。
能力発動 『剣神の加護 霊鳥剣』
「ハリーさん、じっとしていてください」
僕はドス黒い物を断ち切った。
「呪いが消えてる。里の長に受け継がれる呪いが――今まで解呪する方法が分からなかったのに。でもこれなら」
能力解除。はあ、良かった、ちゃんと斬れて。体まで斬っちゃたらどうしようかと思った。
「私は取り込まれずにすみそうですね。リアン君、ありがとうございます」
「いえ、僕にできることをしただけですから」
「私が封印している最中はロジェに守ってもらいます。だからその間ハリーさん、リン、リアン君、そしてエアリエルは鬼をできる限り弱らせるのを頼みます」
「分かりました。それが一番いい方法ですね。それとリアン君にはこれを」
なんか異空間から刀が出てきた。
「この刀は鬼斬神影と言います。鬼を切ることに特化した刀です。リアン君、私とリンが鬼を抑えている内にその刀でとどめを刺してください。といっても心臓に向かって刺しても死にはしません。なぜなら心臓に届くことはないからです」
心臓に届かない?物理法則無視ってこと?
「どうしてですか?」
「心臓に届くまでに刀が持たないからです。守りが強すぎて。他の物でも同様と言えるでしょう。ですがそれで弱らせることはできる」
「分かりました。任せてください」
「それでは、各自準備しましょうか」
僕はオリヴィアさんの方を向いた。――――えっ、エアリエル、どうして?
僕は刀を静かに構える。
「リアン君、大丈夫。今のところは。エアリエルにも事情があったみたい」
「そうですか。それならいいんですけど」
僕は警戒を解く。
そういえば能力は解いたのにあの金色の鳥消えないな。普通、能力解いたら消えるものだと思うんだけど……。僕は金色の鳥を見た。こっちに向かってきてる?――――痛い、痛い、どうして僕の頭つつくかな。そんなに僕のこと嫌いなの?
「大人しくしてよ」
「リアン、大丈夫か?」
「ありがとうございます」
リンさんが僕と金色の鳥を引き離してくれた。そして自分の肩に乗せる。
うっ、どうしてリンさんの言うことは大人しく聞くの。
「オリヴィアもそろったことだし、教えてくれないか?ハリー」
「そうですね。どこから話しましょうか。――――まず、鬼がここに到達するまで残り15分といったところでしょうか?」
「15分?!」
「だから長くは話してはいられません。手短に話しましょう。鬼についてですが元は山の守り神だったのです」
山の神。これから僕たちは神と戦うことになるのか。
「そして私たちが弱体化している理由ですが山の神は私たちを取り込もうとしてるってところですかね。まだ距離があるからこの程度で済んでいますが。時間の問題ですね」
「じゃあ、今回鬼を退治?するのにハリーさんは戦力にならないってことですよね?」
まずくない?相手は元とはいえ神。戦力不足になるよね……。
「そうですね。それと私が全て取り込まれた時点で鬼は強化されるでしょうね」
「そもそもどうして鬼はハリーさんたちを取り込もうとしているんですか?」
強化する必要あるのかな?すでに相当強いと予想がつくんだけど。
「私たち暗殺者の里の者を恨んでいるからです。――そこにいる女性の方はオリヴィアさんでしたよね。お久しぶりです」
ハリーさんはオリヴィアさんの方を向くとそう言った。知り合いだったんだ。知らなかった。
「お久しぶりです」
「今回もあなたの力がカギになります。とても負担をかけることになって申し訳ないのですがやってくれますか?」
「はい。ただ、戦力不足が否めませんね。私は鬼を封印する行為に集中することになります。それに私はそのとき無防備になります。だから私を守ってくれる人が必要です」
ということはまともに鬼と戦えるのは僕とリンさんとロジェとエアリエルってことかな。でもロジェは……。
「リアン兄ちゃん、心配しないで。僕もちゃんと戦えるから」
「それなら一緒に頑張ろうね」
「うん」
そういえばハリーさんと戦っているとき変なドス黒い物が巻き付いていたよね。あれ、斬った方がいいのかな。
金色の鳥がなんか身振り手振りしている。なんだろ。えっと、分からん。あっ、ため息ついてる。
「お前、バカだろ」
「バカとはなんだ。バカとは。鳥に言われたくない」
というかこの鳥、話せたんだ。だったら最初から話せば良かったのに。
「私は高貴だからな。声を聞くだけでもありがたいと思え」
「それで鳥さん、何が言いたいことあるんですか?」
「リアン、さっさとハリーの呪いを斬ってやれ。それとリン、お前は血を吸わないこととみんなを守ること、どっちが大事だ?」
「それは……」
「まあよい。今回は私の力を貸してやる。口を開けろ」
リンさんは渋々ながら口を開けた。
「受け取れ」
この鳥、自分の羽を傷つけてリンさんの口にそのまま突っ込んだ?!
「人間の血を吸いたくないのだろ。だったら私の高貴な血を吸わせてやる。ありがたく思え。これであと500年は吸わなくても生きてられるぞ」
この鳥、さっきからものすごく偉そう。態度が尊大。いや、やってることは確かにすごいんだけど。
「力がみなぎってくる。これなら本来の力を出すことも……」
「ああ、できるだろうな。私の高貴なる血だからな。それより――リアン、ぼさっとしてないでさっさと斬らんか。この馬鹿者」
そんな何回もバカって言わなくてもいいじゃんか。
能力発動 『剣神の加護 霊鳥剣』
「ハリーさん、じっとしていてください」
僕はドス黒い物を断ち切った。
「呪いが消えてる。里の長に受け継がれる呪いが――今まで解呪する方法が分からなかったのに。でもこれなら」
能力解除。はあ、良かった、ちゃんと斬れて。体まで斬っちゃたらどうしようかと思った。
「私は取り込まれずにすみそうですね。リアン君、ありがとうございます」
「いえ、僕にできることをしただけですから」
「私が封印している最中はロジェに守ってもらいます。だからその間ハリーさん、リン、リアン君、そしてエアリエルは鬼をできる限り弱らせるのを頼みます」
「分かりました。それが一番いい方法ですね。それとリアン君にはこれを」
なんか異空間から刀が出てきた。
「この刀は鬼斬神影と言います。鬼を切ることに特化した刀です。リアン君、私とリンが鬼を抑えている内にその刀でとどめを刺してください。といっても心臓に向かって刺しても死にはしません。なぜなら心臓に届くことはないからです」
心臓に届かない?物理法則無視ってこと?
「どうしてですか?」
「心臓に届くまでに刀が持たないからです。守りが強すぎて。他の物でも同様と言えるでしょう。ですがそれで弱らせることはできる」
「分かりました。任せてください」
「それでは、各自準備しましょうか」
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