42 / 102
四章 討伐
嫌悪 (敵サイド)
しおりを挟む
「先輩、本当に今日殺るんッスか?あの群れに行くの俺、勘弁ッスよ。絶対返り討ちにされるッス。日を改めません?」
俺の名前はルイス。ヴァリテイターの下っ端ッス。といっても組織のではなく組織の中の上層部の下っ端だからエリートとも言えるッス。しかも上層部の人は普通の人がいないから俺苦労しているッス。特にこの目の前にいる女。特段におかしい。本当にどうしてヴァリテイターになれたのかと常々思っているッス。
「もうすでにこちらに気づいているようですし日を改めたところで警戒されるだけですよ。きっと。それにどうやらあちらにアクシデントが起きたようですし殺るなら今夜しかないと思います」
俺は改めて目の前で双眼鏡を覗いている先輩を見た。この人の名はララ・キャンベル。といっても任務によってころころ名前を変えるしほとんど本当の名前を名乗らないのでこの名前を知っている人はごく一部の人間だけである。
「先輩はいいかもしれないッスけど俺あそこに行ったらやられる自信しかないッスよ。行くなら一人で行ってくださいッス」
先輩は俺の方を振り返ると笑顔でとんでもないことを言った。この人らしいと言えばらしいんッスけど。
「本気で言っているんですか?お給料なしになりますよ?それに私、あの人から許可をもらっているんです。つまりどういうことか分かりますよね?」
あの人とは俺たちのトップのことッスね。本当にあの人俺に何か恨みを持っているとしか思えないんッスよ……。
「本当に嫌ッスけどしょうがないッスね。俺、まだ死にたくないッスから」
「分かればいいんです。それでは作戦会議でもしましょうか?」
この女の趣味の餌食になるのは勘弁ッス。この女の趣味、聞きたいッスか。聞かない方がいいとは思うんッスけどね。
ホルマリン漬けにすることッス。何を?って思っているッスよね?人の頭ッスよ。まあ、人の頭はおまけッス。眼が本命ッス。特に魔眼とかすごく好きッスね。傾向があるってだけッスけど。俺初めてあの人の部屋に入ったときビビってトイレに駆け込んだッスもん。本当にイカレテいるッス。しかも鑑賞するだけじゃないから本当に狂気しか感じないッスよ。みんなこの女に騙されているッス。
「ああ、本当にリアン君の眼、欲しいです。あそこまできれいな金眼なんて珍しいです。でも今回殺っても手に入らないのが本当に惜しいです。後でもう一度頼んでみようかしら」
うへぇ。ゲロりそうッス。無邪気な笑顔で言うことじゃないッス。本当に俺の先輩交換してくれないッスかね。給料がおいしいから転職するの保留にしていたッスけどこれは本格的に転職考えるッスかね。
「先輩、作戦考えるッスよね?とんでいるッスよ」
そう頭がな!討伐もしくは捕縛対象のリアン君よりこの女の方が悪ッスよ。みんなそう思うッスよね?
「ああ、そうでしたそうでした。――――作戦を立てるにもアクシデントが何かまず知る必要がありますね。情報を得ないと。本部に暗殺者の里についての情報あるか聞いてみましょうか。この辺の情報も一緒に」
ほっぺに指を当てて考える仕草をしてもかわいくないッス。というか本性知った後はどんなかわいい仕草をしてもかわいくないッス。黒髪美人なんッスけどね。本当にもったいないッス。
「そうッスね。それがいいと思うッス。でも誰に頼むんッスか?あそこの情報は極秘情報に一応なっているッスよね?なんの見返りもなくあの人たち調べてくれないッスよ」
「そうですね。あの人に頼みましょうか?きっとあの人ならやってくれますよ。君を気に入ってますから」
あの人?誰のことッスか?そんな人いないと思うんッスけど。
「では電話をしますね。その間、私の代わりにリアン君の監視をお願いします。絶対に見失わないでくださいね?」
「ああ、はいはい。分かったッス」
そうして俺は先輩から双眼鏡を受け取った。えっとリアン君はっと。
「ああ、もしもし、ボスですか?」
はっ?!何ボスに電話してるんッスか!!
俺は振り返りまじまじと先輩と見た。そんな俺を先輩はちゃんと監視しろと手で示した。そんなことしていられないッスよ。あんた余計なこと言わないッスよね?
「ええ、私です。それで今回――――――――――」
ふざけるんじゃないッスよ!!
「終わりました。本当に監視しっかりしてくださいよ」
先輩はため息をついた。つきたいのはこっちッス。
「それではさっそく作戦会議しましょうか」
これが終わったら本当に転職するッス。
「誰からだったんです?」
ここはヴァリテイターの本部の一室。そこには先ほどまでの話し相手である男が足を組んで座っていた。
「ララだよ。情報を求められてね」
「ああ、あの人ですか。今回あの人の任務に同行しているのはボスのお気に入りでしたね」
秘書らしき人物は眼鏡をくいっと上に上げた。
ルイスはボスがとてもかわいがっている子だ。そこまで目立ったところがないのにどうしてボスの目に止まったのか。不思議です。
「ああ、そうなんだ。だから協力してあげてもいいと思ってね」
本当にあんなおかしな連中の中に入れ込むなんてかわいがってもらえるといっても私は勘弁ですね。そう秘書らしき人物は思っていた。
「時間です。次の仕事は――――――」
部屋には誰もいなくなった。
俺の名前はルイス。ヴァリテイターの下っ端ッス。といっても組織のではなく組織の中の上層部の下っ端だからエリートとも言えるッス。しかも上層部の人は普通の人がいないから俺苦労しているッス。特にこの目の前にいる女。特段におかしい。本当にどうしてヴァリテイターになれたのかと常々思っているッス。
「もうすでにこちらに気づいているようですし日を改めたところで警戒されるだけですよ。きっと。それにどうやらあちらにアクシデントが起きたようですし殺るなら今夜しかないと思います」
俺は改めて目の前で双眼鏡を覗いている先輩を見た。この人の名はララ・キャンベル。といっても任務によってころころ名前を変えるしほとんど本当の名前を名乗らないのでこの名前を知っている人はごく一部の人間だけである。
「先輩はいいかもしれないッスけど俺あそこに行ったらやられる自信しかないッスよ。行くなら一人で行ってくださいッス」
先輩は俺の方を振り返ると笑顔でとんでもないことを言った。この人らしいと言えばらしいんッスけど。
「本気で言っているんですか?お給料なしになりますよ?それに私、あの人から許可をもらっているんです。つまりどういうことか分かりますよね?」
あの人とは俺たちのトップのことッスね。本当にあの人俺に何か恨みを持っているとしか思えないんッスよ……。
「本当に嫌ッスけどしょうがないッスね。俺、まだ死にたくないッスから」
「分かればいいんです。それでは作戦会議でもしましょうか?」
この女の趣味の餌食になるのは勘弁ッス。この女の趣味、聞きたいッスか。聞かない方がいいとは思うんッスけどね。
ホルマリン漬けにすることッス。何を?って思っているッスよね?人の頭ッスよ。まあ、人の頭はおまけッス。眼が本命ッス。特に魔眼とかすごく好きッスね。傾向があるってだけッスけど。俺初めてあの人の部屋に入ったときビビってトイレに駆け込んだッスもん。本当にイカレテいるッス。しかも鑑賞するだけじゃないから本当に狂気しか感じないッスよ。みんなこの女に騙されているッス。
「ああ、本当にリアン君の眼、欲しいです。あそこまできれいな金眼なんて珍しいです。でも今回殺っても手に入らないのが本当に惜しいです。後でもう一度頼んでみようかしら」
うへぇ。ゲロりそうッス。無邪気な笑顔で言うことじゃないッス。本当に俺の先輩交換してくれないッスかね。給料がおいしいから転職するの保留にしていたッスけどこれは本格的に転職考えるッスかね。
「先輩、作戦考えるッスよね?とんでいるッスよ」
そう頭がな!討伐もしくは捕縛対象のリアン君よりこの女の方が悪ッスよ。みんなそう思うッスよね?
「ああ、そうでしたそうでした。――――作戦を立てるにもアクシデントが何かまず知る必要がありますね。情報を得ないと。本部に暗殺者の里についての情報あるか聞いてみましょうか。この辺の情報も一緒に」
ほっぺに指を当てて考える仕草をしてもかわいくないッス。というか本性知った後はどんなかわいい仕草をしてもかわいくないッス。黒髪美人なんッスけどね。本当にもったいないッス。
「そうッスね。それがいいと思うッス。でも誰に頼むんッスか?あそこの情報は極秘情報に一応なっているッスよね?なんの見返りもなくあの人たち調べてくれないッスよ」
「そうですね。あの人に頼みましょうか?きっとあの人ならやってくれますよ。君を気に入ってますから」
あの人?誰のことッスか?そんな人いないと思うんッスけど。
「では電話をしますね。その間、私の代わりにリアン君の監視をお願いします。絶対に見失わないでくださいね?」
「ああ、はいはい。分かったッス」
そうして俺は先輩から双眼鏡を受け取った。えっとリアン君はっと。
「ああ、もしもし、ボスですか?」
はっ?!何ボスに電話してるんッスか!!
俺は振り返りまじまじと先輩と見た。そんな俺を先輩はちゃんと監視しろと手で示した。そんなことしていられないッスよ。あんた余計なこと言わないッスよね?
「ええ、私です。それで今回――――――――――」
ふざけるんじゃないッスよ!!
「終わりました。本当に監視しっかりしてくださいよ」
先輩はため息をついた。つきたいのはこっちッス。
「それではさっそく作戦会議しましょうか」
これが終わったら本当に転職するッス。
「誰からだったんです?」
ここはヴァリテイターの本部の一室。そこには先ほどまでの話し相手である男が足を組んで座っていた。
「ララだよ。情報を求められてね」
「ああ、あの人ですか。今回あの人の任務に同行しているのはボスのお気に入りでしたね」
秘書らしき人物は眼鏡をくいっと上に上げた。
ルイスはボスがとてもかわいがっている子だ。そこまで目立ったところがないのにどうしてボスの目に止まったのか。不思議です。
「ああ、そうなんだ。だから協力してあげてもいいと思ってね」
本当にあんなおかしな連中の中に入れ込むなんてかわいがってもらえるといっても私は勘弁ですね。そう秘書らしき人物は思っていた。
「時間です。次の仕事は――――――」
部屋には誰もいなくなった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※毎週、月、水、金曜日更新
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

誰にでもできる異世界救済 ~【トライ&エラー】と【ステータス】でニートの君も今日から勇者だ!~
平尾正和/ほーち
ファンタジー
引きこもりニート山岡勝介は、しょーもないバチ当たり行為が原因で異世界に飛ばされ、その世界を救うことを義務付けられる。罰として異世界勇者的な人外チートはないものの、死んだらステータスを維持したままスタート地点(セーブポイント)からやり直しとなる”死に戻り”と、異世界の住人には使えないステータス機能、成長チートとも呼べる成長補正を駆使し、世界を救うため、ポンコツ貧乳エルフとともにマイペースで冒険する。
※『死に戻り』と『成長チート』で異世界救済 ~バチ当たりヒキニートの異世界冒険譚~から改題しました
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる