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四章 討伐
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暗殺者の里に向かっている途中、何かが僕の顔面に飛んできた。
「うわ、何これ? 紙?」
「リアン兄ちゃん、新聞みたいだね」
僕は顔に飛んできた新聞を手に取り記事を読んでみた。
「え~と、なになに。切り裂きジャック再び現る?! 今回狙われているのは娼婦ではなく若い男の人。皆さん注意するべし!」
「僕にも詳しく見せて」
ロジェとオリヴィアさん、そしてリャナンシーが僕のもっている新聞をのぞき込んできた。
新聞を読んでいるオリヴィアさんの眉間にしわがよる。
「これって、まさか」
「この町にリンの義叔父が来ているってことだと思うわ」
どれどれ。
今回の殺され方は様々だが最も多いのは首元を噛まれて血を抜き取られてるケースである。
殺人現場には必ず「親愛なるあなたへ」と被害者の血でかかれた手紙が残されているという。
夜出歩くのは控えましょう。
「僕たち、ここで迎え撃つことになりそうですね」
「そうだね」
「リアン兄ちゃん、今からニンニク首にぶら下げても意味ないと思うよ。今昼間だし」
あれ、そういえばリャナンシー僕からなんかめっちゃ離れているような気がする。気のせいかな。ロジェも離れているから気のせいかも。あっ、オリヴィアさんまで地味に離れてる。
「リアン君、ニンニク臭い」
「そんなに!?」
はあ、ニンニク外すか。とりあえず銀の武器どこかで売ってないかな……。
「リンにも連絡した方がいいよね。一応。リンも気づいてこっちに来ているかも知れないけど」
オリヴィアさんは赤い宝石に魔力を込めリンさんに電話をかける。
「こっちに来ているって。すでに情報、知っていたみたい」
「そうですか。とりあえず宿をとって夜を待ちますか?」
「いや、土地勘を少しでも持っていた方がいい。このままじゃあ私たちに不利」
「それもそうですね」
「じゃあ、行こうか」
「はい」
本当に中世ヨーロッパみたいなところだな。僕は海外行ったことなかったけどきっとこんな感じだったんだろうな。
でも中世みたいな雰囲気なのに切り裂きジャックとは……。年代が違うからなんか変な気がする。あっ、武器屋発見。
「オリヴィアさん、僕、武器屋行ってきてもいいですか?」
「僕も行くよ」
「私はもう少し土地勘つかみたいから二人で行ってきて」
「私はオリヴィアに付き合うわ」
「分かりました」
◆◇◆◇
「リアン兄ちゃん、銀の武器を探しているんだよね?」
「そうだよ?」
「そっか。それならお願いがあるんだ」
「お願い?」
「うん。銀の武器を買ったことは僕たち二人の秘密にして欲しいんだ」
「どうして?」
「油断させるためかな。万が一のために。一応、フェイクで他の武器も買ってくれないかな」
「よくわかんないけど、いいよ。秘密にしておく」
「ありがとう」
こうして僕たちは武器をいろいろ見てまわった。
「リアン兄ちゃん、これなんかいいんじゃないかな」
「銀の弾丸が入った銃だね。これなら隠せそうだしいいね」
値段も他の銀の武器よりやさしいしね。でも五発か。なんかもっと欲しいような気がする。
「そういえば銀の武器なしでどうやって吸血鬼を討伐するの?」
「あ、それもそうだね。不自然だよね。オリヴィア姉ちゃんしかまともに吸血鬼と戦えなくなっちゃうね。それなら、銃だけ隠して他の銀の武器も買っといた方が怪しまれないや」
「でも、財布にそんなにないよ?」
「それなら僕のおじいちゃんに請求するようにしとけばいいよ」
ロジェ、なんか腹黒い気がする。王様、ご愁傷さまです。
「じゃあ、この剣にする。僕の武器も剣だしね」
「そうだね、これなら不自然じゃないかも」
「ロジェはなんか買わなくてもいいの?」
「僕はこの杖を買おうかな」
「なんか、魔法使いって感じするね。かっこいい」
「そうかな。えへへ」
僕たちは支払いを済ませ武器屋を後にした。
「リアン兄ちゃん、その銀の銃この袋に入れて?」
「どうして?」
「銀の気配っていうのかな。それを極限まで隠すためだよ」
「そうなんだ?」
とりあえず、ロジェに何か考えがあるみたいだし言う通りにしとこう。
「オリヴィア姉ちゃん探すついでに僕たちもいろいろ見て回ろうか」
「そうだね。そういえば吸血鬼がここにいるっていうのは分かっているけどどうやって会うんだろうね」
ピタッと歩くのをやめる。自分で言ってて何か嫌な予感がする。
「それはリアン兄ちゃんが夜、外歩いていれば目の前に現れるんじゃない?」
「それって僕、囮ってことだよね?! えっ、普通に嫌なんだけど。下手したら僕、血を吸われて干からびるんじゃ……」
「しょうがない。若い男の人が襲われているみたいだしね。僕じゃ、若すぎるよ」
僕最近ろくな目にあってない気がする。
あっ、オリヴィアさん発見。
「ロジェ、オリヴィアさん見つけた。あそこ、合流しよう!」
「見えるの? あんなに遠いのに? リアン兄ちゃんそんなに視力良かったけ?」
「なんか見えるものは見えるんだし、行こう」
僕はロジェの手を取ってオリヴィアさんの元に走って行った。
「うわ、何これ? 紙?」
「リアン兄ちゃん、新聞みたいだね」
僕は顔に飛んできた新聞を手に取り記事を読んでみた。
「え~と、なになに。切り裂きジャック再び現る?! 今回狙われているのは娼婦ではなく若い男の人。皆さん注意するべし!」
「僕にも詳しく見せて」
ロジェとオリヴィアさん、そしてリャナンシーが僕のもっている新聞をのぞき込んできた。
新聞を読んでいるオリヴィアさんの眉間にしわがよる。
「これって、まさか」
「この町にリンの義叔父が来ているってことだと思うわ」
どれどれ。
今回の殺され方は様々だが最も多いのは首元を噛まれて血を抜き取られてるケースである。
殺人現場には必ず「親愛なるあなたへ」と被害者の血でかかれた手紙が残されているという。
夜出歩くのは控えましょう。
「僕たち、ここで迎え撃つことになりそうですね」
「そうだね」
「リアン兄ちゃん、今からニンニク首にぶら下げても意味ないと思うよ。今昼間だし」
あれ、そういえばリャナンシー僕からなんかめっちゃ離れているような気がする。気のせいかな。ロジェも離れているから気のせいかも。あっ、オリヴィアさんまで地味に離れてる。
「リアン君、ニンニク臭い」
「そんなに!?」
はあ、ニンニク外すか。とりあえず銀の武器どこかで売ってないかな……。
「リンにも連絡した方がいいよね。一応。リンも気づいてこっちに来ているかも知れないけど」
オリヴィアさんは赤い宝石に魔力を込めリンさんに電話をかける。
「こっちに来ているって。すでに情報、知っていたみたい」
「そうですか。とりあえず宿をとって夜を待ちますか?」
「いや、土地勘を少しでも持っていた方がいい。このままじゃあ私たちに不利」
「それもそうですね」
「じゃあ、行こうか」
「はい」
本当に中世ヨーロッパみたいなところだな。僕は海外行ったことなかったけどきっとこんな感じだったんだろうな。
でも中世みたいな雰囲気なのに切り裂きジャックとは……。年代が違うからなんか変な気がする。あっ、武器屋発見。
「オリヴィアさん、僕、武器屋行ってきてもいいですか?」
「僕も行くよ」
「私はもう少し土地勘つかみたいから二人で行ってきて」
「私はオリヴィアに付き合うわ」
「分かりました」
◆◇◆◇
「リアン兄ちゃん、銀の武器を探しているんだよね?」
「そうだよ?」
「そっか。それならお願いがあるんだ」
「お願い?」
「うん。銀の武器を買ったことは僕たち二人の秘密にして欲しいんだ」
「どうして?」
「油断させるためかな。万が一のために。一応、フェイクで他の武器も買ってくれないかな」
「よくわかんないけど、いいよ。秘密にしておく」
「ありがとう」
こうして僕たちは武器をいろいろ見てまわった。
「リアン兄ちゃん、これなんかいいんじゃないかな」
「銀の弾丸が入った銃だね。これなら隠せそうだしいいね」
値段も他の銀の武器よりやさしいしね。でも五発か。なんかもっと欲しいような気がする。
「そういえば銀の武器なしでどうやって吸血鬼を討伐するの?」
「あ、それもそうだね。不自然だよね。オリヴィア姉ちゃんしかまともに吸血鬼と戦えなくなっちゃうね。それなら、銃だけ隠して他の銀の武器も買っといた方が怪しまれないや」
「でも、財布にそんなにないよ?」
「それなら僕のおじいちゃんに請求するようにしとけばいいよ」
ロジェ、なんか腹黒い気がする。王様、ご愁傷さまです。
「じゃあ、この剣にする。僕の武器も剣だしね」
「そうだね、これなら不自然じゃないかも」
「ロジェはなんか買わなくてもいいの?」
「僕はこの杖を買おうかな」
「なんか、魔法使いって感じするね。かっこいい」
「そうかな。えへへ」
僕たちは支払いを済ませ武器屋を後にした。
「リアン兄ちゃん、その銀の銃この袋に入れて?」
「どうして?」
「銀の気配っていうのかな。それを極限まで隠すためだよ」
「そうなんだ?」
とりあえず、ロジェに何か考えがあるみたいだし言う通りにしとこう。
「オリヴィア姉ちゃん探すついでに僕たちもいろいろ見て回ろうか」
「そうだね。そういえば吸血鬼がここにいるっていうのは分かっているけどどうやって会うんだろうね」
ピタッと歩くのをやめる。自分で言ってて何か嫌な予感がする。
「それはリアン兄ちゃんが夜、外歩いていれば目の前に現れるんじゃない?」
「それって僕、囮ってことだよね?! えっ、普通に嫌なんだけど。下手したら僕、血を吸われて干からびるんじゃ……」
「しょうがない。若い男の人が襲われているみたいだしね。僕じゃ、若すぎるよ」
僕最近ろくな目にあってない気がする。
あっ、オリヴィアさん発見。
「ロジェ、オリヴィアさん見つけた。あそこ、合流しよう!」
「見えるの? あんなに遠いのに? リアン兄ちゃんそんなに視力良かったけ?」
「なんか見えるものは見えるんだし、行こう」
僕はロジェの手を取ってオリヴィアさんの元に走って行った。
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