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四章 討伐
協力
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今朝はなんだか騒がしかった。ハロルド王子とすれ違ったから何があったか聞こうと思ったんだけど忙しそうだからやめた。オリヴィアさんなら何か知っているかも知れない。
「オリヴィアさん、今朝は騒がしかったですけど、何かあったか知ってます?」
「リュカ王子が姿を消したの。だから、早めに城を出ることになった。リュカ王子がいない以上ここにいる意味がないから」
「そうですか」
そうして僕たちはシネラリア国を出ることとなった。
◆◇◆◇
「オリヴィア姉ちゃん」
「何?」
「少し、寄り道をしてもいいかな?」
「それはそこにいる妖精が原因?」
「うん。リャナンシーっていうんだけど僕に協力して欲しいことがあるみたい」
「あれ、そういえば僕、妖精見えてる!」
いつの間に?!
「それはリアン兄ちゃんが自分の中の竜族の血が目覚めたからだと思うよ?」
そういえば僕、竜族のハーフだって言われてた! 目覚めたって絶対あのときのだよね……。
「それより、リャナンシーが協力して欲しいことって何?」
ロジェがリャナンシーと何か話し込んでる。何話してるんだろう? あっ、リャナンシーが何かうなずいてる。
「今僕の能力でみんなにも声が聞こえるようにするよ」
能力発動『緑の環』
「あ、あ、聞こえるかしら?」
「聞こえてます」
オリヴィアさんもうなずいてる。聞こえているみたいだ。
「本題に入るんだけど、私が協力して欲しいことはある人物の討伐よ」
「ある人物?」
人物? 人物なのに討伐って言い方変じゃない?
「あなたたちの仲間にリンっていう子がいるでしょ? その子の義叔父よ」
「分かった。それなら協力する。その代わり任務の報告をしてからが条件」
「オリヴィアさん?!」
義理とはいえ、知り合いの叔父を討伐することを了承するなんて。なにか訳ありなのかな。
「そのくらいならいいわよ。私の友達のエアリエルに頼んで任務の報告をしてもらうわ。それでいいかしら?」
「うん」
エアリエルがくるまでの間にオリヴィアさんは今回の任務の報告書を書いた。そして自分だと分かるように魔力を報告書に込めた。
この世界では魔力は指紋のように一人一人異なっているため魔力の残骸を調べれば誰か大抵分かるのだ。
「エアリエル、これをエルフの里の王に届けてくれるかしら?」
「あいあいさ~。じゃあ、私行ってくるね。今度あったら絶対あれしてよね!」
「分かったわよ」
リャナンシーは残念な子を見る目でエアリエルを見送った。
「さてと、これで協力してくれるわよね?」
「はい」
「リャナンシー、どうして討伐がしたいの?」
「ロジェは知らなかったわよね。それにそっちの子も」
「うん」
僕もロジェに続いてうなずく。
「リンの義叔父は人間だったのだけど吸血鬼の心臓を食べて不完全な吸血鬼になってしまったの」
「えっ、つまり僕たちはこれから吸血鬼退治に行くってことですか?」
「まあ、そういうことになるわね」
僕は大きく目を見開いた。
ニンニク、絶対どこかで入手しないと。それに銀でできた武器、それに塩! あああ、やばい。行きたくないよ、僕怖いの苦手なのに!!
「どうして吸血鬼の心臓なんて食べることになったの?」
「執着かしら。私にもよく分からないわ。あいつの考えることなんて。呪いにかかってあのとき死んでいれば良かったのだけどね」
今、物騒なこと言ったよこの妖精! リンさんの義叔父さん何やらかしたんだろう……。
「リンも討伐に参加するの?」
「ええ、するわ。というかすでに討伐の準備をしているわよ。場所は暗殺者の里ね」
「そこにリンの義叔父が来る確証は?」
「あるわ。あいつは満月の夜のあとには決まって暗殺者の里を訪れているから」
暗殺者の里ってどこにあるんだろう? 暗殺者の里ってなんかハロルド王子の予言と関わってきそうだよね……。名前的に。暗殺注意って言ってたし、僕暗殺されるんかな。
「じゃあ、暗殺者の里に行きましょうか。ここから近いしね」
「オリヴィアさん、今朝は騒がしかったですけど、何かあったか知ってます?」
「リュカ王子が姿を消したの。だから、早めに城を出ることになった。リュカ王子がいない以上ここにいる意味がないから」
「そうですか」
そうして僕たちはシネラリア国を出ることとなった。
◆◇◆◇
「オリヴィア姉ちゃん」
「何?」
「少し、寄り道をしてもいいかな?」
「それはそこにいる妖精が原因?」
「うん。リャナンシーっていうんだけど僕に協力して欲しいことがあるみたい」
「あれ、そういえば僕、妖精見えてる!」
いつの間に?!
「それはリアン兄ちゃんが自分の中の竜族の血が目覚めたからだと思うよ?」
そういえば僕、竜族のハーフだって言われてた! 目覚めたって絶対あのときのだよね……。
「それより、リャナンシーが協力して欲しいことって何?」
ロジェがリャナンシーと何か話し込んでる。何話してるんだろう? あっ、リャナンシーが何かうなずいてる。
「今僕の能力でみんなにも声が聞こえるようにするよ」
能力発動『緑の環』
「あ、あ、聞こえるかしら?」
「聞こえてます」
オリヴィアさんもうなずいてる。聞こえているみたいだ。
「本題に入るんだけど、私が協力して欲しいことはある人物の討伐よ」
「ある人物?」
人物? 人物なのに討伐って言い方変じゃない?
「あなたたちの仲間にリンっていう子がいるでしょ? その子の義叔父よ」
「分かった。それなら協力する。その代わり任務の報告をしてからが条件」
「オリヴィアさん?!」
義理とはいえ、知り合いの叔父を討伐することを了承するなんて。なにか訳ありなのかな。
「そのくらいならいいわよ。私の友達のエアリエルに頼んで任務の報告をしてもらうわ。それでいいかしら?」
「うん」
エアリエルがくるまでの間にオリヴィアさんは今回の任務の報告書を書いた。そして自分だと分かるように魔力を報告書に込めた。
この世界では魔力は指紋のように一人一人異なっているため魔力の残骸を調べれば誰か大抵分かるのだ。
「エアリエル、これをエルフの里の王に届けてくれるかしら?」
「あいあいさ~。じゃあ、私行ってくるね。今度あったら絶対あれしてよね!」
「分かったわよ」
リャナンシーは残念な子を見る目でエアリエルを見送った。
「さてと、これで協力してくれるわよね?」
「はい」
「リャナンシー、どうして討伐がしたいの?」
「ロジェは知らなかったわよね。それにそっちの子も」
「うん」
僕もロジェに続いてうなずく。
「リンの義叔父は人間だったのだけど吸血鬼の心臓を食べて不完全な吸血鬼になってしまったの」
「えっ、つまり僕たちはこれから吸血鬼退治に行くってことですか?」
「まあ、そういうことになるわね」
僕は大きく目を見開いた。
ニンニク、絶対どこかで入手しないと。それに銀でできた武器、それに塩! あああ、やばい。行きたくないよ、僕怖いの苦手なのに!!
「どうして吸血鬼の心臓なんて食べることになったの?」
「執着かしら。私にもよく分からないわ。あいつの考えることなんて。呪いにかかってあのとき死んでいれば良かったのだけどね」
今、物騒なこと言ったよこの妖精! リンさんの義叔父さん何やらかしたんだろう……。
「リンも討伐に参加するの?」
「ええ、するわ。というかすでに討伐の準備をしているわよ。場所は暗殺者の里ね」
「そこにリンの義叔父が来る確証は?」
「あるわ。あいつは満月の夜のあとには決まって暗殺者の里を訪れているから」
暗殺者の里ってどこにあるんだろう? 暗殺者の里ってなんかハロルド王子の予言と関わってきそうだよね……。名前的に。暗殺注意って言ってたし、僕暗殺されるんかな。
「じゃあ、暗殺者の里に行きましょうか。ここから近いしね」
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