22 / 102
三章 依頼任務
戦争開幕
しおりを挟む
僕たちはアヴァイル国、シネラリア国そして魔族の国の領土が重なるところにたどり着いていた。
「なんか騒がしいですね。魔物も少ないし」
本当にそうなのだ。さっきまで僕たちが通っていた道には魔物が確かにいた。けど今はほとんど見かけない。
「たぶん戦争が始まったんだと思う。武器商人らしき人もこの辺歩いてる。こうなったら秘密裏にアヴァイル国の城に潜り込むしかないかも」
能力を使って急いでアヴァイル国に向かっていたがどうやら僕たちは間に合わなかったようだ。
「僕もオリヴィア姉ちゃんに賛成だけどグレタお姉さんと僕、足手まといになりそう。さすがにこのまま二人に運んでもらうって訳にはいかないだろうし」
「潜入捜査ですわよね? 城の構造ならわたくし把握しておりましてよ」
「城にいる兵の人数とか配置は覚えてる?」
「さすがにそこまでは覚えていませんわ」
ドヤ顔で言っていたグレタさんだったが、オリヴィアさんの言葉にたじろぎながらも明るい声で答える。
自信があるのかないのか。
「二人、いや三人とも潜入捜査したことないと思うし、私もあんまり得意じゃない」
僕を除いた三人が考えるモードになってしまった。どうしよう。いや、とりあえず言うだけ言ってみよう。
「あの、みなさんシネラリア国に行くのはどうでしょう?」
「どうしてそう思ったの? リアン兄ちゃん」
「裏があるか調べるのが目的なんですよね? 裏があるならもしかしてシネラリア国もグルなんじゃないかって思って」
「可能性としては一理あるね。でも……」
オリヴィアさんの言葉にかぶせてグレタさんが叫ぶ。
「ダメですの! わがまま言える立場じゃないって分かっているけど、わたくしリュカに会いたいのだわ。リュカが心配で、心配で……」
グレタさんが泣き出してしまった。
言わなければ良かったかな……。
僕のせいでどんよりしてしまった空気を破るようにロジェが口を開いた。
「僕はリュカ王子がアヴァイル国にいるって断定して考えるのは早計な気がするなぁ」
「それはどうしてですの?」
グレタさんが目をこすりながらロジェの方を見る。
「なんて言えばいいのかな。オリヴィア姉ちゃんは見えていると思うから分かると思うけど妖精がシネラリア国の方角に行った方がいいって言っているんだ」
「私には言葉までは分からないけどロジェは分かるの?」
「うん。僕の能力の一つに『緑の環』っていうのがあるんだ。効果を簡単にいうと自然と友達になれるんだ」
そういえばロジェには能力が三つあるってオークションのとき司会者が言っていた気がする。でも自然と友達になれるってどういうこと?
「リアン兄ちゃん、わかんないって顔しているね」
「え、顔に出てた?」
「うん。詳しく言うと、自然と関係するものの力を借りられるんだ。妖精も自然と関わりが深いから、友達になって会話することも可能になるんだよ」
なんかすごい。僕も早く能力が使いこなせるようになるといいんだけど。
「妖精って実際いるんですの?」
「いるよ。アヴァイル国の人間は妖精が見えなくなっているらしいからわかんないのはしょうがないけどね」
ロジェが苦笑しながら断言する。
「とりあえずシネラリア国に行ってみようか。どっちもここから城にたどり着くまでの距離はそんなに変わんないし。グレタさんもいいよね?」
「いいですの」
僕はほっと胸をなでおろし、オリヴィアさんの隣を歩く。ロジェのおかげで悪い空気がなくなって良かった。
◆◇◆◇
アヴァイル国の国境と隣接しているシネラリア国の領土の空き家。誰もいないはずのそこには人影があった。
空き家に入ってきたルーカス王子は扉を閉めると、腕を組みながら壁に寄りかかった。
「エイダン、リュカ王子の治療はどのくらい進んだ?」
「治療をしているのですが全く良くなりません」
「どういうことだ?」
眉をひそめるルーカス王子に見向きもせず、エイダンはリュカ王子の首元を触った。そして、目を細めながら疑問に答える。
「そもそも最初から回復の魔導具が効きづらかったのですが、シネラリア国に入ってから魔導具の回復を一切受けつけないんです。そして治療中に服を脱がしたのですが、よく見ると不可視の首輪がはめられています」
「なっ! 仮にも王子だろ。なんで首輪をつけているんだ。いや、それより首輪の解析をした方がいいな」
「解析は終わっています」
「さすが天才魔導具師だな」
ルーカス王子がエイダンを素直に褒めるとエイダンの耳は赤くなった。
(相変わらず、エイダンは照れ屋だな)
ルーカス王子は微笑ましいものを見るようにエイダンをじっと見る。エイダンは顔まで赤くなり、隠すように手で顔を覆った。
「……ありがとうございます。すみませんが、見ないでください」
「ああ、悪いな」
ルーカス王子が目をそらしたのを確認するとエイダンは咳払いし、詳細を話し始めた。
「首輪の効果は主の情報を一切話さないことでした。
ただ、気になることがあって、首輪に実験体って古代文字で書いてあるみたいなんです。おそらく続きがあるのだろうとは思いますが、文字がそれ以降私には見えませんでした。おそらくこちらが首輪をしている真の目的だと思われます」
「お前でも見えないか。てことはその首輪の主は相当手練れの可能性があるってことだよな。もしくは相当バカ魔力の持ち主か。俺たちには手が負えないんじゃないか?」
「その可能性が高そうです。リュカ王子のこと、ここにおいていきますか?」
「いや、一度助けると決めたからな。最後まで責任はもつ」
「そうですか。とりあえず、引き続きここで様子見するしかなさそうですね」
「ああ、そうだな。目を覚ましてくれるとありがたいんだがな」
「なんか騒がしいですね。魔物も少ないし」
本当にそうなのだ。さっきまで僕たちが通っていた道には魔物が確かにいた。けど今はほとんど見かけない。
「たぶん戦争が始まったんだと思う。武器商人らしき人もこの辺歩いてる。こうなったら秘密裏にアヴァイル国の城に潜り込むしかないかも」
能力を使って急いでアヴァイル国に向かっていたがどうやら僕たちは間に合わなかったようだ。
「僕もオリヴィア姉ちゃんに賛成だけどグレタお姉さんと僕、足手まといになりそう。さすがにこのまま二人に運んでもらうって訳にはいかないだろうし」
「潜入捜査ですわよね? 城の構造ならわたくし把握しておりましてよ」
「城にいる兵の人数とか配置は覚えてる?」
「さすがにそこまでは覚えていませんわ」
ドヤ顔で言っていたグレタさんだったが、オリヴィアさんの言葉にたじろぎながらも明るい声で答える。
自信があるのかないのか。
「二人、いや三人とも潜入捜査したことないと思うし、私もあんまり得意じゃない」
僕を除いた三人が考えるモードになってしまった。どうしよう。いや、とりあえず言うだけ言ってみよう。
「あの、みなさんシネラリア国に行くのはどうでしょう?」
「どうしてそう思ったの? リアン兄ちゃん」
「裏があるか調べるのが目的なんですよね? 裏があるならもしかしてシネラリア国もグルなんじゃないかって思って」
「可能性としては一理あるね。でも……」
オリヴィアさんの言葉にかぶせてグレタさんが叫ぶ。
「ダメですの! わがまま言える立場じゃないって分かっているけど、わたくしリュカに会いたいのだわ。リュカが心配で、心配で……」
グレタさんが泣き出してしまった。
言わなければ良かったかな……。
僕のせいでどんよりしてしまった空気を破るようにロジェが口を開いた。
「僕はリュカ王子がアヴァイル国にいるって断定して考えるのは早計な気がするなぁ」
「それはどうしてですの?」
グレタさんが目をこすりながらロジェの方を見る。
「なんて言えばいいのかな。オリヴィア姉ちゃんは見えていると思うから分かると思うけど妖精がシネラリア国の方角に行った方がいいって言っているんだ」
「私には言葉までは分からないけどロジェは分かるの?」
「うん。僕の能力の一つに『緑の環』っていうのがあるんだ。効果を簡単にいうと自然と友達になれるんだ」
そういえばロジェには能力が三つあるってオークションのとき司会者が言っていた気がする。でも自然と友達になれるってどういうこと?
「リアン兄ちゃん、わかんないって顔しているね」
「え、顔に出てた?」
「うん。詳しく言うと、自然と関係するものの力を借りられるんだ。妖精も自然と関わりが深いから、友達になって会話することも可能になるんだよ」
なんかすごい。僕も早く能力が使いこなせるようになるといいんだけど。
「妖精って実際いるんですの?」
「いるよ。アヴァイル国の人間は妖精が見えなくなっているらしいからわかんないのはしょうがないけどね」
ロジェが苦笑しながら断言する。
「とりあえずシネラリア国に行ってみようか。どっちもここから城にたどり着くまでの距離はそんなに変わんないし。グレタさんもいいよね?」
「いいですの」
僕はほっと胸をなでおろし、オリヴィアさんの隣を歩く。ロジェのおかげで悪い空気がなくなって良かった。
◆◇◆◇
アヴァイル国の国境と隣接しているシネラリア国の領土の空き家。誰もいないはずのそこには人影があった。
空き家に入ってきたルーカス王子は扉を閉めると、腕を組みながら壁に寄りかかった。
「エイダン、リュカ王子の治療はどのくらい進んだ?」
「治療をしているのですが全く良くなりません」
「どういうことだ?」
眉をひそめるルーカス王子に見向きもせず、エイダンはリュカ王子の首元を触った。そして、目を細めながら疑問に答える。
「そもそも最初から回復の魔導具が効きづらかったのですが、シネラリア国に入ってから魔導具の回復を一切受けつけないんです。そして治療中に服を脱がしたのですが、よく見ると不可視の首輪がはめられています」
「なっ! 仮にも王子だろ。なんで首輪をつけているんだ。いや、それより首輪の解析をした方がいいな」
「解析は終わっています」
「さすが天才魔導具師だな」
ルーカス王子がエイダンを素直に褒めるとエイダンの耳は赤くなった。
(相変わらず、エイダンは照れ屋だな)
ルーカス王子は微笑ましいものを見るようにエイダンをじっと見る。エイダンは顔まで赤くなり、隠すように手で顔を覆った。
「……ありがとうございます。すみませんが、見ないでください」
「ああ、悪いな」
ルーカス王子が目をそらしたのを確認するとエイダンは咳払いし、詳細を話し始めた。
「首輪の効果は主の情報を一切話さないことでした。
ただ、気になることがあって、首輪に実験体って古代文字で書いてあるみたいなんです。おそらく続きがあるのだろうとは思いますが、文字がそれ以降私には見えませんでした。おそらくこちらが首輪をしている真の目的だと思われます」
「お前でも見えないか。てことはその首輪の主は相当手練れの可能性があるってことだよな。もしくは相当バカ魔力の持ち主か。俺たちには手が負えないんじゃないか?」
「その可能性が高そうです。リュカ王子のこと、ここにおいていきますか?」
「いや、一度助けると決めたからな。最後まで責任はもつ」
「そうですか。とりあえず、引き続きここで様子見するしかなさそうですね」
「ああ、そうだな。目を覚ましてくれるとありがたいんだがな」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※毎週、月、水、金曜日更新
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
※追放要素、ざまあ要素は第二章からです。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

誰にでもできる異世界救済 ~【トライ&エラー】と【ステータス】でニートの君も今日から勇者だ!~
平尾正和/ほーち
ファンタジー
引きこもりニート山岡勝介は、しょーもないバチ当たり行為が原因で異世界に飛ばされ、その世界を救うことを義務付けられる。罰として異世界勇者的な人外チートはないものの、死んだらステータスを維持したままスタート地点(セーブポイント)からやり直しとなる”死に戻り”と、異世界の住人には使えないステータス機能、成長チートとも呼べる成長補正を駆使し、世界を救うため、ポンコツ貧乳エルフとともにマイペースで冒険する。
※『死に戻り』と『成長チート』で異世界救済 ~バチ当たりヒキニートの異世界冒険譚~から改題しました
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる