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二章 異世界探索
エルフの里での宴
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ロジェがこの国に戻ってこれたこと、そして新たな旅立ちを祝して宴を開くことになったのだが、まさか宴の前にこんなことするはめになるとは思わなかった。
時は数時間前にさかのぼる。
「お主ら、王太子が連れてかれ、国を守ってちゃんちゃんだと思っているのかのう?」
「えっ? そうじゃないんですか?」
「お主らの戦闘のせいで玉座の間はボロボロじゃ。直してくれるじゃろう?」
圧がすごい。これ僕たちが直すの? アニメとかだといつの間にか直っていたからそういうものだと。龍馬さては逃げたな。あ、オリヴィアさんも逃げようとしている。ロジェまで。僕だけおいていこうなんて。そうはさせない。
それからの行動は早かった。オリヴィアさんとロジェの首根っこをつかむ。
「オリヴィアさん、ロジェ、どこに行こうとしているのかな? まさか僕だけ置いていくなんてひどいことしないよね?」
あっ、リアン君、顔は笑ってるけど怒ってる。
『ロジェ、しっかり捕まってて』
『うん』
二人はアイコンタクトで意思疎通をした。なぜなら思うことは同じだからである。
『絶対、やりたくない』
「リアン君、ごめんね?」
「お兄ちゃん、ごめんね?」
そう言ってリアンの手から逃れる。いつの間に?!二人がその気なら僕も!
二人の元へ走ろうとしたが王様に手を捕まれてしまった。ニゲラレナイ。
「リアン君や、君はやってくれるじゃろ?」
「…………はい」
二人とも覚えてろよ。
まさか、部屋の修理をするとは思わなかった。他の人たちも手伝ってはくれたけど。腰痛い。
「ロジェ、このケーキ食べたら次あのケーキ食べに行こう」
「お姉ちゃん、ケーキ食べすぎだよ!」
ロジェもオリヴィアさんも楽しそう。それにしてもオリヴィアさん、ケーキでほっぺがハムスターのごとく膨らんでる。なんかかわいい。
「リアンの坊ちゃんやお主も宴を楽しまないと損じゃよ」
王様は宴の端で座っていた僕に話しかけてきた。
王様も皿にケーキがたくさん。ここの王族ってみんな甘党なのかな。
「そうですね。でも僕今宴って気分じゃないんですよね」
「何か考え事かのう?」
「そうですね……。僕、玉座で戦ったときの記憶が途中からないんですよ。それでいつの間にか全てが終わっていて。僕このままでいいのかなって。オリヴィアさんに守られてばかりいて……」
「そうじゃの、それでいいのじゃないか。人にはできることできないことが違うのじゃし。ここからはわしの独り言じゃ。オリヴィアの嬢ちゃんも最初は弱かったのじゃ」
「えっ、オリヴィアさんが?」
就職試験であんなにブイブイ言わせてたのに?
「聖女じゃし、役割はあったが別に戦闘力は重要視されていなかったのじゃ。どっちかというと後方支援じゃったから今ほど強くなかったのう。
オリヴィアの嬢ちゃんの仲間はみんな嬢ちゃんを残してどこか遠くへ行ってしまったらしくてのう。それが許せなかったのじゃろう。オリヴィアの嬢ちゃんは失墜から立ち上がることを選んだ。
そこからじゃ、強さを追い求め、自分が弱いことが許せなくなったのは」
だからあのとき本気を出さなかった僕に怒っていたんだ。
「リアンや、努力を続ければ能力がいずれそれに応えてくれる。きっと主の助けになってくれる。能力は願望が顕現したものじゃからな。今のまま努力を続けるがよい。叶えたい望みがあるのじゃろう?」
「よく僕に叶えたい望みがあるって分かりましたね?」
「目を見れば分かる。さてと、ケーキを食べに行こうかのう」
まだ食べるの?! ケーキもう五個以上食べているんじゃ……。
「あ、おじいちゃん。もうケーキだめ。糖尿病になっちゃうよ」
「ほうほう、難しい言葉知っておるのう。でも大丈夫や、いざとなればオリヴィアの嬢ちゃんが治してくれる」
「ああまたそんなこと言って! この前それで痛い目見たばかりでしょ!」
ロジェって案外しっかり者なんだ。それに王様、キメ顔で言っているけど言っていることは大人としてどうなの?
この光景がなんだかおかしくて僕は笑ってしまった。
「リアン君も食べないと損だぞ。行こう」
「はい!」
時は数時間前にさかのぼる。
「お主ら、王太子が連れてかれ、国を守ってちゃんちゃんだと思っているのかのう?」
「えっ? そうじゃないんですか?」
「お主らの戦闘のせいで玉座の間はボロボロじゃ。直してくれるじゃろう?」
圧がすごい。これ僕たちが直すの? アニメとかだといつの間にか直っていたからそういうものだと。龍馬さては逃げたな。あ、オリヴィアさんも逃げようとしている。ロジェまで。僕だけおいていこうなんて。そうはさせない。
それからの行動は早かった。オリヴィアさんとロジェの首根っこをつかむ。
「オリヴィアさん、ロジェ、どこに行こうとしているのかな? まさか僕だけ置いていくなんてひどいことしないよね?」
あっ、リアン君、顔は笑ってるけど怒ってる。
『ロジェ、しっかり捕まってて』
『うん』
二人はアイコンタクトで意思疎通をした。なぜなら思うことは同じだからである。
『絶対、やりたくない』
「リアン君、ごめんね?」
「お兄ちゃん、ごめんね?」
そう言ってリアンの手から逃れる。いつの間に?!二人がその気なら僕も!
二人の元へ走ろうとしたが王様に手を捕まれてしまった。ニゲラレナイ。
「リアン君や、君はやってくれるじゃろ?」
「…………はい」
二人とも覚えてろよ。
まさか、部屋の修理をするとは思わなかった。他の人たちも手伝ってはくれたけど。腰痛い。
「ロジェ、このケーキ食べたら次あのケーキ食べに行こう」
「お姉ちゃん、ケーキ食べすぎだよ!」
ロジェもオリヴィアさんも楽しそう。それにしてもオリヴィアさん、ケーキでほっぺがハムスターのごとく膨らんでる。なんかかわいい。
「リアンの坊ちゃんやお主も宴を楽しまないと損じゃよ」
王様は宴の端で座っていた僕に話しかけてきた。
王様も皿にケーキがたくさん。ここの王族ってみんな甘党なのかな。
「そうですね。でも僕今宴って気分じゃないんですよね」
「何か考え事かのう?」
「そうですね……。僕、玉座で戦ったときの記憶が途中からないんですよ。それでいつの間にか全てが終わっていて。僕このままでいいのかなって。オリヴィアさんに守られてばかりいて……」
「そうじゃの、それでいいのじゃないか。人にはできることできないことが違うのじゃし。ここからはわしの独り言じゃ。オリヴィアの嬢ちゃんも最初は弱かったのじゃ」
「えっ、オリヴィアさんが?」
就職試験であんなにブイブイ言わせてたのに?
「聖女じゃし、役割はあったが別に戦闘力は重要視されていなかったのじゃ。どっちかというと後方支援じゃったから今ほど強くなかったのう。
オリヴィアの嬢ちゃんの仲間はみんな嬢ちゃんを残してどこか遠くへ行ってしまったらしくてのう。それが許せなかったのじゃろう。オリヴィアの嬢ちゃんは失墜から立ち上がることを選んだ。
そこからじゃ、強さを追い求め、自分が弱いことが許せなくなったのは」
だからあのとき本気を出さなかった僕に怒っていたんだ。
「リアンや、努力を続ければ能力がいずれそれに応えてくれる。きっと主の助けになってくれる。能力は願望が顕現したものじゃからな。今のまま努力を続けるがよい。叶えたい望みがあるのじゃろう?」
「よく僕に叶えたい望みがあるって分かりましたね?」
「目を見れば分かる。さてと、ケーキを食べに行こうかのう」
まだ食べるの?! ケーキもう五個以上食べているんじゃ……。
「あ、おじいちゃん。もうケーキだめ。糖尿病になっちゃうよ」
「ほうほう、難しい言葉知っておるのう。でも大丈夫や、いざとなればオリヴィアの嬢ちゃんが治してくれる」
「ああまたそんなこと言って! この前それで痛い目見たばかりでしょ!」
ロジェって案外しっかり者なんだ。それに王様、キメ顔で言っているけど言っていることは大人としてどうなの?
この光景がなんだかおかしくて僕は笑ってしまった。
「リアン君も食べないと損だぞ。行こう」
「はい!」
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