僕は幸せになるために復讐したい!

雨夜澪良

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第一部 一章 平凡な日常

初めての任務 

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「はあっっっっ」

「甘い」

 オリヴィアさんの拳が僕のみぞおちにクリーンヒットし、ボコッと鈍い音が僕から鳴った。

「ゲホッ、ゲホッ、痛い、めちゃくちゃ痛い!! 僕のみぞおち、死ぬなよ!!」

「そんなに話せるなら大丈夫」

 心なしか楽しんでません?!
 それにしてもオリヴィアさん力強すぎ。しかも絶対本気じゃない。オリヴィアさんが本気で殴ったら岩も簡単に砕けるのではなかろうか。いや、砕けるを通り越して粉々になるかも。

 オリヴィアさんからもらったこの剣オリヴィアさんの攻撃に耐えてる。それに何か感じる気がする。気のせい?

「オリヴィア、リアン、任務だ」

 またしても気配がしなかった?! 毎回、リンさんの登場の仕方には驚きを隠せない。

「何の任務?」

「あとで話す。二人とも準備しろ。待ち合わせはここだ。十分後には出発する」

 そういうとリンさんは行ってしまった。

「一度部屋に戻ろうか?」

「はい」



 そして十分が経過し、それぞれがまたここに戻ってきた。

「そろったな。今回の任務はある冒険者の捕縛とバックについてる者の暗殺だ」

「ある冒険者の捕縛? 僕たちギルド所属なんですよね? 冒険者は同業者なのに?」

 冒険者と聞くと荒くれ者たちが思い浮かぶ。だから治安が悪いのは通常運転だと思うんだけど……。取り締まられてるイメージあんまりない。

「前に俺が裏ギルドって言ったの、覚えているか?」

「はい」

「裏ギルドの仕事は主にギルド内をきれいにすること。そして人類に危険を及ぼしかねないものを早期除去することだ。例えば倫理に反する実験や禁忌魔法などが挙げられる」

「それって警察の仕事も含まれてない?」

「あっちの大陸はそうなのか……。こちらの大陸に警察はいない。代わりというべきか似た組織はある。その組織は権力者の言いなりになっていて、都合の悪いことなどは隠蔽する」

「マジですか……」

「話を戻すが、今日、月に一度のオークションが開かれる。
 ただ今回、そのオークションを隠れ蓑して別にオークションが開かれることが分かった」

 なんとなくリンさんが言おうとしていることが分かってきた。

「その別に開かれるオークションで人身売買が行われるとのことだ。
 奴隷制度はこの国にも一応ある。だが冒険者は身分を保証するかわりに奴隷に関与してはいけないというものがある」

「それで冒険者を捕縛するってことか」

「他にも理由はあるが今はその認識でいい。
 二人には冒険者の捕縛を頼みたい。俺はバックについている者の暗殺を担当する」

 リンさんの後に続き、僕とオリヴィアさんは走り出した。

 オークション会場へ着く頃には僕だけが肩を上下に揺らしていた。

 皆さん、体力すごい。

 深呼吸し、オリヴィアさんの後に続く。リンさんは先に行ってしまった。



 人があふれる道を通り向けオークションの観客席にたどり着く。
 
「わあ、すごい!  僕こうゆうところ初めて来ました」

 はしゃいでる僕を見てふふっと隣から笑いを我慢し切れていないオリヴィアさんの声が聞こえる。

「なんで笑うんですか!!」

「いや、だってその仮面、とても似合ってる」

 手で口元を隠しながら笑うのをやめないオリヴィアさん。

「なっ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか。それに似合っているって絶対嘘ですよね?!」

 僕がしている仮面はどこか間抜けな顔をしている犬である。

 それに対し、オリヴィアさんの仮面は舞踏会でつけるような美しい仮面を身につけていた。水色の仮面はオリヴィアさんの美しさを引き立てている。
 
 僕がおかしいのかと思い、周りを見渡すとみんな個性的な仮面をつけている。般若面とかうさぎとか。うん。よく考えるとカオスだこれ。

「なんか、久しぶりに笑った気がする」

 仮面をしていて詳しい表情は分からないがきっとすがすがしい表情をしているのだろう。そんな気がした。

「リアン君、今回のターゲットはあそこにいる茶髪の人間。護衛として獣人の奴隷も引き連れてるみたい」

「そうですか。――そういえばリンさん一人で大丈夫なんですか?」

 オリヴィアさんはターゲットに視線を向けたまま僕の問いに答える。

「リンは暗殺者の里の時期ボスになるぐらいだから。リンに暗殺できない者は少ない。どっちかっていうと私たちの方が危ないかも」

 そうこう話している内に拍手喝采の音が鳴り響く。

 オークションが今始まったのだ。



 周りは金色に縁取られ中は黒く染められた仮面、そして黒服を身にまとっている今回の司会者が舞台へと上がってきた。

「さあさあ、やってまいりました、月に一度のオークション。皆様、楽しみにしていたでしょうか? 今回の目玉商品は二つ、ありますが、そのうちの一つ、今、発表しましょう! どうぞ!!」

 そうして出てきたのは幼いエルフだった。

 周りの空気が一瞬止まったかと思いきや次の瞬間、振動で空気が揺れ、周りに熱気が帯びた。

「このエルフは魔力量が他のエルフよりも多く、さ・ら・に、能力も三つとフルで持っています!! さあ、五千万から始めましょう!」

「七千万」

「一億」

「五億」

「出ました! 五億。他にいませんか? ――――――いませんね? 五億で落札です! 続いては――――――」

 支払いをするために場所を移動する貴婦人と今回のエルフの出品者かつ今回のターゲットである茶髪の冒険者が場所を移動するために動き出した。

「リアン君、行くよ」

「はい」

 僕とオリヴィアさんは小声でやり取りし、静かに移動を始める。会場を出るまではよかったのだが……。

「オリヴィアさん、あの、いくら何でもお姫様抱っこは……」

 廊下に出た瞬間抱き上げられた。
 恥ずかしさで声が弱々しくなり、真っ赤な顔を手で覆う。

 まさか高校生になってから女性にお姫様抱っこされるとは思わなかった。オリヴィアさんの方が若干身長が大きいし、身体強化というものもあるからできなくはないのだろうが。逆だよね。逆だよ!!

「だって、こうしないと布足りない。手が宙に浮いてるみたいになる。――ホラー映像だよ。
 それに後をつけてるのを気づかれるのは良くない」

 そうだろうけど……。というかこの布、まさかの透明マント?!

 結局オリヴィアさんにお姫様抱っこされながらドアの前までたどり着いた。

「部屋に入るから」

 そう言ったにもかかわらず、オリヴィアさんはドアノブを触ると目を細め、部屋の前でとどまった。

「どうしたんですか?」

 そう言葉を発してから僕も気がついた。部屋の中がとても静かなことに。

「マント必要ないみたい。戦闘態勢。乗り込む」

 ドンと乱暴にドアをぶち破りオリヴィアさんと僕は突入した。部屋はものすごく荒れていた。誰かが暴れたみたいに……。そして――――――

「レオナ?!」

 その光景に僕は驚愕と困惑の表情を浮かべる。きっと今、居るはずのないものを見たかのような顔をしているに違いない。

「久しぶりだな、リアン。いや、そんなに久しぶりでもないか」

 そういったレオナはまるで学校にいるかのようなノリで話しかけてきた。

「なん、で、レオナがここに――それに、その手!!」

 レオナの手は赤く染まっていた。そして物を捨てるみたいに今回の捕縛対象の冒険者を投げ捨てた。

「ああ、俺、本来こっちの住人なんだよ。リアンだってそうだろ?」

 新事実にまたもや驚愕する。それにどうしてそれを知っているのか。ううん、そんなことよりどうして人を殺しといて平然として笑顔を向けられるのか。僕にはレオナが別人に見えた。

「なんで、なんで、人を殺しといてそんな……」

 ああ、違うな。今の僕に向けるあの表情を見れば分かる。こっちが本来の姿だったんだ。

 学校にいるときよりウキウキしているような気がする。僕といたときは仮初めの姿だったんだ。僕は裏切られた気持ちになった。

 僕がレオナのことをちゃんと知れてなかったのが悪いと分かってる。ただあの日々は僕の理想を押しつけていただけだったのか。僕と過ごした時間全てが虚構だったとさえ思わせる。

「お子ちゃまなリアン君にはちょ~と刺激が強すぎたかな。まあでも、こっちでは日常茶飯事だし、嫌でもなれると思うよ?」

 部屋の中の血の充満した臭いが鼻にこびりつくようだった。

 ああ、本当に不愉快だ。この状況も、この臭いが懐かしく思う自分にも。――心底、反吐が出る。

「レオナ、僕はお前が分からなくなったよ。どうしてここにいる人たちを殺したんだ。確かに悪い人だったのかも知れない。でもこんな殺し方――殺戮と何も変わらないじゃないか」

「……」

 返ってきたのは沈黙だった。僕に答える義理はないということなのだろう。

 この静けさを破ったのはオリヴィアさんだった。

「リアン君、帰ろう。捕縛はできなかったけど、どちらにしろこの冒険者たちは殺される運命だった。それが早まっただけ。任務は終わったんだよ。リンもきっと待ってる」

 僕の肩にオリヴィアさんの手が置かれる。でも僕は納得いかずオリヴィアさんの手を振り払った。

「待って、ください。僕は納得いきませんよ。たとえ、殺される運命だったとしてもこんな殺され方はないです。僕はこんなこと――」

 言葉は最後まで続かなかった。僕はオリヴィアさんに気絶させられたのだ。

「ごめんね、リアン君。私はそうは思わないんだ。本当に君は無垢なんだろうね」





「レオナ。もしかしてこの冒険者、魔族の売買に……」

 レオナは血で汚れた手をハンカチで拭きながら答えた。

「ああ、そうだ。師匠に頼まれてな。それにこの件、俺ははらわた煮えくり返ってる」

「レオナはまだあのときのこと憎んでるの?」

「人のこと言えた義理か? あなたも憎んでるだろ。あのときのことを」

 素っ気なく図星をつくレオナ。オリヴィアはその言葉に刺激されてか目に憎悪が宿った。そんなときオリヴィアのポケットが揺れた。その揺れで現実に引き戻される。

 ポケットから赤い宝石を取り出し魔力を込めるとリンの声が聞こえてきた。

『こちらリン。オリヴィア、聞こえてるか』

「聞こえてる」

『暗殺は成功したが増援がほしい。今からこれるか? 道化師の格好をした奴に手こっずてる』

「それは本当の話か?」

 レオナはオリヴィアの赤い宝石を掴む手を握るなり冷徹な声でリンにそう聞き返した。

 オリヴィアはそんなレオナの様子に、在りし日の記憶が蘇った。

 そうそれは、珍しく三人が一緒にいたときの記憶。そのときにユースティアから言われたことがあった。

『道化師は私たちの敵だ』と。

『お前は誰だ? オリヴィア、誰と一緒にいる?』

「友達」

『まあいい。詳しいことは後で聞く。来れるようなら頼んだぞ』

「分かった」

 光っていた宝石は光を失い、連絡は切れた。

「俺も一緒に行く」

「でも、レオナ、ティアに裏ギルドのメンバーに会うなって言われてるよね?」

「そうだが……。師匠にあなたのことも頼まれている」

「そうなの?」

 嘘である。
 そんなことはユースティアから言われたことはなかった。だがそういうことにしておいたほうが都合がいい。

「リアンはどうするんだ」

「起こす」

 オリヴィアはリアンの方を向くと、能力を発動させリアンを起こす。

 リアンの金眼がゆっくりと見え始める。

「リアン君、状況が変わった。リンの増援しにいく。ついてきて」

 リアンはオリヴィアの声で一気に覚醒する。
 さっきのことを怒っているのか、不満オーラが漏れ出ていた。
 だが、リンの増援と聞いて少し心配そうな表情に変わった。

「分かりました」

 そうして三人はリンの元へと向かった。





 ドゴォーンと大きい音が鳴り響く。それを合図に会場のあちこちで悲鳴が上がった。

 扉を開くとリンさんが壁に叩きつけられていた。それを見た途端、オリヴィアさんと僕はリンさんの元に走り出し、レオナは吹き飛ばした張本人である道化師に向かって走り出した。

「なぜお前がここに居る、道化師」

「どうしてだって? 僕はね、人の笑いがあるところに行っているだけさ。みんなの笑顔が見たいからね」

 レオナの長くとがった爪と道化師の杖が衝突する。

 レオナは忌々しいとばかりの表情を道化師に向け、鼻で笑った。

「はっ、よく言うぜ、本心じゃないくせに」

 そんなことを全く気にしないかのように道化師はあざ笑う。

「ひどいな、これも本心さ。そんなにいじめないでほしいな」

「――――レオナ」

 激しい攻防が続いてはいるがこの均衡は早い内に崩れる予感がした。オリヴィアさんもそれを感じ取ったのだろう。

「リアン君、私がリンを治療する。レオナ君を加勢してあげて?」

 僕は心にもやを抱えたまま、道化師に向かって走り出した。




 魔道具による回復。それにより、リンの傷口は塞がっていく。

「オリヴィア、分かっていると思うが、毒を仕掛け暗殺した。時期に致死量になる。それにあの道化師は人形だ。――――ゲホッゲホッ」

「心配しないで。後は私たちに任せて」

 オリヴィアの結界が金色の風へと姿を変え、リアンとレオナへと取り巻き消えた。消えると同時に二人の攻撃力、防御力、魔力が上昇する。


 オリヴィアの結界には特殊なものがある。通常の結界ではこの効果を発揮することができないのだが……。


「いくぞ、リアン」

「言われなくても!!」

 両方向からの同時攻撃。
 鋭い爪が、剣が道化師へと襲う。
 ――――――襲ったはずだった。

「おやおや、ここまでかな」

 聞こえるはずのない陽気な声。

 確かに致命傷のはずなのに一滴も血が付着しない。それどころか――――

「いや~、君たちはよくやったよ。僕の人形相手にさ。正直ここまでやれると思ってなかったよ」

 ゲタゲタと笑う男の声が部屋に響き渡る。

「でもさ、君たち、僕にかまっている暇なんてないんじゃない? もうすぐここは爆破して塵とかすんだからさ!!」

「なにを言って……」

 オリヴィアがいち早くスイッチの存在に気づき、会場だけではなく会場内の人たちにも結界を放つ。

「ほら、ここに」

 道化師がスイッチを握りしめ、ニタリと笑う。

「ほら、いくよ。――ドカーン」

 その音を合図に会場内のあちこちで爆破し始めた。





 その後の話をしよう。僕たちがどうなったのか気になっていると思うから……。

 結論をいうと僕たち四人は助かった。あのときの道化師はどうなったのか分からない。ただ、人形と言っていたから本体ではないのだろう。
 レオナはすぐにどこかへ行ってしまった。


 オリヴィアさんが会場の外側を覆うように結界をあらかじめ張っていたため、会場外に被害を及ぼすことはなかった。
 しかし、爆破する直前に張ろうとした結界はほとんどの会場内にいた人たちを救ってはくれなかった。救えたのはオークションで売られるはずだった者数名。
 オークションの参加者、つまり上級階級らしき人の大半はあのときのリンさんの壁に叩きつけられた時の大きな音ですでに会場を後にしていたため無事であった。


 今回いろんなことがありすぎた。はっきりいって異世界をなめていた。異世界もののように、俺つえぇぇとか、ハーレムとかはほとんど夢でしかないと実感した。幸先不安である。



リアンの日記より抜粋。


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