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第一部 一章 平凡な日常
リアンの夢
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『今まで楽しかったか? ――――――』
『あははははははは。――――――』
それを聞き、女は嘲笑っている男に向けて振りかざしていて刀を首元の寸前で止める。
『何?』
『あの子はすでに――――――――――だ!!!! ―――はあの――と今や――!! ―――――――――――――――――――――――――? あの子を止められるのは僕だけさ。ここで――――――――』
女は刀を鞘に収めるかと思いきやもう一度刀を振りかざす。しかし、斬った手応えがなかった。確かに首は床にぼとりと落ちたはずだった。女は舌打ちをし、その場から姿を消した。
あれはお父さん!! 後ろ姿しか見えない……
それにラジオの砂嵐のような音のせいで何を話しているか聞き取れない。
刀を持っているのはあのときの銀髪の女性?
あの人を追わなきゃ。そうしないといけない気がする。
速い。でも今の僕なら追える。何を言って……。そんなことより速く追わないと。
しばらく走ると銀髪の女性が止まった。
僕も止まる。そして周りを見渡す。
なんだよ、これ。ここら一帯が青い炎で覆われてる。それに銀髪の女性の目の前が血の海と化している。惨い光景だ。
僕はそれに耐えきれなく一歩後ろに後ずさりすると何かにぶつかった。恐る恐る振り向くとそこには人の腕が転がっていた。そしてもう少し後ろに目線を向けると腕の持ち主らしき人が倒れている。生きてる、のか。顔がよく見えない。
あれ、こっちにあの人が向かってきてる?
僕はすぐに戦闘態勢に入る。しかし銀髪の女性は僕を通り過ぎた。
見えてない?
『やってくれたな。私はお前を許さない。安らかに眠れ』
腕をなくした人に向かってそう言い放つと青い炎に包まれていた一帯が氷の世界へと変わる。
『ティア、寒いよ』
銀髪の女性の後ろから傷だらけの男の人がつぶやく。
そのつぶやきはあの人も聞こえたようでその男の人に向かって走って行く。そして抱きついた。
『良かった。生きてた。もうこんな思いをするのはごめんだ。もっと自分の身を大事にしてくれ』
『ははっ、こんなティアを見れるなら悪くない。いつも弱音、言わないもんな』
『そんなこと言っているとしばくぞ』
『いつものティアに戻ったね。――――言いにくいんだけど俺、この子を助けるためにしばらく眠るよ』
僕の方を見てる?
ティアと呼ばれた銀髪の女性は男性の肩をつかみ、信じられないような顔をして男性の顔を見つめる。
『なん、で……。もういいだろ。もう一緒にお家に帰ろう。そこまでする必要ない、よね……?』
男性は首を振った。
『ごめんな、ティア。俺はこの子を見捨てられない』
『どうしてだ。どうしてお前はそうやって自分を犠牲にするんだ。お人好しにも程があるだろ――――私はお前がいないと生きていけない』
『熱烈な告白されると思わなかったなあ。――言っただろ、眠るだけだ。死ぬわけじゃない』
『そんなこと言って、お前がやろうとしていることは一歩歯車が狂えば死んじゃうんだぞ』
子供をあやすように男の人はティアを抱きしめ背中をなでる。
『絶対、生きて戻ってきて。私はそれまでお前を守るから』
『ありがとう。悪いないつも俺のわがままに付き合わせて』
『そんなことさせない。お前らにはここで死んでもらう』
えっ、僕? どうしてここに僕が? いや、違う。あれは僕じゃない。あれは誰だ。
うっ、頭が痛い。情報が一気に流れ込んでくる。そうだ、あの人たちは僕たちを殺そうと乗り込んできた人たちだ。それを守ろうとして僕は……。違う。そんなことない。知らない。
嘘の情報を僕に入れようとするな。誰だ、やめろ。もう、何が嘘なのか真実なのか分からなくなる。僕は二度操り人形にはならない。させない。
『あははははははは。――――――』
それを聞き、女は嘲笑っている男に向けて振りかざしていて刀を首元の寸前で止める。
『何?』
『あの子はすでに――――――――――だ!!!! ―――はあの――と今や――!! ―――――――――――――――――――――――――? あの子を止められるのは僕だけさ。ここで――――――――』
女は刀を鞘に収めるかと思いきやもう一度刀を振りかざす。しかし、斬った手応えがなかった。確かに首は床にぼとりと落ちたはずだった。女は舌打ちをし、その場から姿を消した。
あれはお父さん!! 後ろ姿しか見えない……
それにラジオの砂嵐のような音のせいで何を話しているか聞き取れない。
刀を持っているのはあのときの銀髪の女性?
あの人を追わなきゃ。そうしないといけない気がする。
速い。でも今の僕なら追える。何を言って……。そんなことより速く追わないと。
しばらく走ると銀髪の女性が止まった。
僕も止まる。そして周りを見渡す。
なんだよ、これ。ここら一帯が青い炎で覆われてる。それに銀髪の女性の目の前が血の海と化している。惨い光景だ。
僕はそれに耐えきれなく一歩後ろに後ずさりすると何かにぶつかった。恐る恐る振り向くとそこには人の腕が転がっていた。そしてもう少し後ろに目線を向けると腕の持ち主らしき人が倒れている。生きてる、のか。顔がよく見えない。
あれ、こっちにあの人が向かってきてる?
僕はすぐに戦闘態勢に入る。しかし銀髪の女性は僕を通り過ぎた。
見えてない?
『やってくれたな。私はお前を許さない。安らかに眠れ』
腕をなくした人に向かってそう言い放つと青い炎に包まれていた一帯が氷の世界へと変わる。
『ティア、寒いよ』
銀髪の女性の後ろから傷だらけの男の人がつぶやく。
そのつぶやきはあの人も聞こえたようでその男の人に向かって走って行く。そして抱きついた。
『良かった。生きてた。もうこんな思いをするのはごめんだ。もっと自分の身を大事にしてくれ』
『ははっ、こんなティアを見れるなら悪くない。いつも弱音、言わないもんな』
『そんなこと言っているとしばくぞ』
『いつものティアに戻ったね。――――言いにくいんだけど俺、この子を助けるためにしばらく眠るよ』
僕の方を見てる?
ティアと呼ばれた銀髪の女性は男性の肩をつかみ、信じられないような顔をして男性の顔を見つめる。
『なん、で……。もういいだろ。もう一緒にお家に帰ろう。そこまでする必要ない、よね……?』
男性は首を振った。
『ごめんな、ティア。俺はこの子を見捨てられない』
『どうしてだ。どうしてお前はそうやって自分を犠牲にするんだ。お人好しにも程があるだろ――――私はお前がいないと生きていけない』
『熱烈な告白されると思わなかったなあ。――言っただろ、眠るだけだ。死ぬわけじゃない』
『そんなこと言って、お前がやろうとしていることは一歩歯車が狂えば死んじゃうんだぞ』
子供をあやすように男の人はティアを抱きしめ背中をなでる。
『絶対、生きて戻ってきて。私はそれまでお前を守るから』
『ありがとう。悪いないつも俺のわがままに付き合わせて』
『そんなことさせない。お前らにはここで死んでもらう』
えっ、僕? どうしてここに僕が? いや、違う。あれは僕じゃない。あれは誰だ。
うっ、頭が痛い。情報が一気に流れ込んでくる。そうだ、あの人たちは僕たちを殺そうと乗り込んできた人たちだ。それを守ろうとして僕は……。違う。そんなことない。知らない。
嘘の情報を僕に入れようとするな。誰だ、やめろ。もう、何が嘘なのか真実なのか分からなくなる。僕は二度操り人形にはならない。させない。
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