4 / 9
インスリン
しおりを挟む
ひんやりとする注射キット。
これはインスリン。
多分、『薬の名前言えるかな?(注射部門)』って、新宿で深夜に呑んでるリーマンにアンケートしたら、堂々の1位に輝ける。
「意外にヒアルロン酸注射かもよ」
「……なるほど。ありえる」
膝、肩にガタが来てるオジサンたちの票がどれくらい集まるかが勝負だ。
でも、実際、ご飯の前に注射してるって聞いたら、大人ならほとんどがインスリンと思うだろう。
それくらい有名で、使っている人も多い。
日本人っていうものは、数が増えれば、安心感も比例する。数が多いということが、安全に脳内変換されるのだ。
インスリンだって、「”インスリン”と”インシュリン”って何か違うの?」って思う程度だろう。英語の発音の問題です。
ただ、よくよく考えてほしい。
”注射”
つまり、直接体に打ち込む。
消化、吸収なしに、直接だ。
そして、打ちすぎれば、低血糖を起こす危険な薬。
低血糖。中途半端なら、冷や汗、ふるえに、ふらつき。
それ以上なら、エネルギー不足による心停止。ある意味、衰弱死。
低血糖が起きた時は、大抵はジュースとか飲んで休めばいい。
それだけ聞くと、ご褒美思えるだろう。
実際、ご褒美デブよ。
「ウォンテット シュガーデブ」
「白野、DM教育入院の記録でも書いてるの?」
「イエス。ヒー イズ セカンドDM。ローブラッドシュガーライ ソー シュガープリーズ。ユー テイク マイン ダイ? イエス」
「アウト!」
糖尿病の人は、食べ物を制限される。
特に2型の人は、今まで心置きなく食べに食べてきた結果のような病気のようなもので、いきなり病気だから食べるなと言われたところで、ムリなのだ。
最初は、運動や飲み薬から自主性を求め始まる治療だが、それでも我を通し、医者がこれは自主性だけじゃダメだと思ったその時行われるのが”教育入院”。
わがままボディに対して、半強制的に食生活、運動などを覚えてもらう1~2週間の糖尿病教育入院。
医者、看護師、理学療法士、栄養士、薬剤師などなど、関わる人が多く、充実した入院生活を送ることになる。
正直、薬剤師はインスリンの打ち方、コンプライアンス(薬の飲み忘れなど)の確認、薬の副作用、主に低血糖が起きた場合の対処方法を理解しているかの確認。
栄養とか運動についての知識を聞かれたら、速攻で再指導の要請をかける。間違った知識教えられないもん。
さて、ここで問題です。
今まで、散々甘い物を心置きなく食べていたあなたですが、突然食べるなと言われ、買ってきたお菓子まで看護師に怒られ、没収されます。
いい加減、精進料理のようなご飯ではなく、ケーキとかクッキーとか食べたいです。もう甘ければいいです。
しかし、ここにいる看守は甘い物を手にした途端、犯罪者顔負けのように攻めてきます。
どうすればよいでしょうか?
頭の中の一休さんが答えます。
『私は低血糖を起こしています。ブドウ糖を摂取しなければ死んでしまいます』
誰だ。そんな知識を教えたやつ。
そうです。私です。私ですとも。
正確に薬ではないけど、低血糖を起こした時のブドウ糖は粉、タブレットご用意ありますとも。
ブドウ糖10gの粉がね!
いつも思うけど、10gってなかなか量があるけど、口の中もそもそしそう……考えただけで歯が痛くなる。
「砂糖の致死量っていくつだ!?」
砂糖に埋もれて死ねるなら、本望だろう!?
「人間の結果はないね。マウス、ラットで29700mg/kg 出典ないなぁ……たぶん経口だけど、絶対じゃない……あとはー約1kgって書いてはある」
中毒情報センターもこればかりは、情報がないらしい。単純計算で60kgの人なら、約1.8kg摂取すれば死ぬ。
180包のブドウ糖。
「薬局に在庫いくつあったっけ?」
「100はない」
とても残念です。
こうして、怒りのブドウ糖致死量大実験スペシャルは、失敗に終わったわけです。
「完全犯罪を考えた時に、インスリンっていいなぁって思ったんだけどさ」
よくあるじゃん?
どうすれば、警察に捕まらず、完全犯罪起こせるかって考える奴。
最終的に他殺ってなった時点で負けだから、事故か自殺に見せかけて処理してもらうのが一番って話になる、アレ。
「そもそもインスリンの時点で、容疑者絞られるんだけど」
「インスリンがバレたらな」
だが、一応、体の中に元々あるホルモンだから、検出されたところでバレやしない。
「そんなあなたにトレシーバのプレゼント」
「緑よりオレンジが好きぃ~」
気になった人は、ぜひ”インスリン 色”で検索してみよう。
作用時間が違って、代謝される時間も違うぞ。
「一度でいいから、インスリン飲んでみたいんだよね」
結構、患者に伝えるためという名目上、薬剤師はいろいろな薬を飲んでみる人が多い。医者にも多いが。
眠剤なんて、自分が飲んだ方が気持ちがわかるって、販売されている眠剤、すべて一度飲んでみたという医者がいた。
いや、うん。そんないい話ではなく、単純な興味。
「飲んだことないからわからないけど、たぶんおいしくないよ……?」
「スリルって最高のスパイスっていうじゃん?」
「意味が違うと思う。それに、スリルなくない?」
インスリンは、言った通り、多く打ちすぎれば低血糖を起こし、最悪死ぬ。
けど、動物のホルモン、つまり大きな分類でいえばたんぱく質なのだ。要は、肉や大豆などの仲間。
なので、注射せずに、口から飲んだところで、胃で消化され、低血糖どころか、ただの栄養源になる。
意外に、生物の食べるって行為はすごいもので、血液に直接入れば毒だけど、口から入れば、毒じゃないなんてことは多い。
ただ、実際にインスリンを飲んだ人ってのは、あまりいない。
世界は広いから、きっと探せばいる。絶対に。
「インスリンは期切れないし。起こしたところで、絶対練習キット扱いでしょ」
内服では無害だけど、注射すれば毒。
それを盃にいれて、毒を食らわば……のように、一気に煽って――
ダサいな。すごく。
これはインスリン。
多分、『薬の名前言えるかな?(注射部門)』って、新宿で深夜に呑んでるリーマンにアンケートしたら、堂々の1位に輝ける。
「意外にヒアルロン酸注射かもよ」
「……なるほど。ありえる」
膝、肩にガタが来てるオジサンたちの票がどれくらい集まるかが勝負だ。
でも、実際、ご飯の前に注射してるって聞いたら、大人ならほとんどがインスリンと思うだろう。
それくらい有名で、使っている人も多い。
日本人っていうものは、数が増えれば、安心感も比例する。数が多いということが、安全に脳内変換されるのだ。
インスリンだって、「”インスリン”と”インシュリン”って何か違うの?」って思う程度だろう。英語の発音の問題です。
ただ、よくよく考えてほしい。
”注射”
つまり、直接体に打ち込む。
消化、吸収なしに、直接だ。
そして、打ちすぎれば、低血糖を起こす危険な薬。
低血糖。中途半端なら、冷や汗、ふるえに、ふらつき。
それ以上なら、エネルギー不足による心停止。ある意味、衰弱死。
低血糖が起きた時は、大抵はジュースとか飲んで休めばいい。
それだけ聞くと、ご褒美思えるだろう。
実際、ご褒美デブよ。
「ウォンテット シュガーデブ」
「白野、DM教育入院の記録でも書いてるの?」
「イエス。ヒー イズ セカンドDM。ローブラッドシュガーライ ソー シュガープリーズ。ユー テイク マイン ダイ? イエス」
「アウト!」
糖尿病の人は、食べ物を制限される。
特に2型の人は、今まで心置きなく食べに食べてきた結果のような病気のようなもので、いきなり病気だから食べるなと言われたところで、ムリなのだ。
最初は、運動や飲み薬から自主性を求め始まる治療だが、それでも我を通し、医者がこれは自主性だけじゃダメだと思ったその時行われるのが”教育入院”。
わがままボディに対して、半強制的に食生活、運動などを覚えてもらう1~2週間の糖尿病教育入院。
医者、看護師、理学療法士、栄養士、薬剤師などなど、関わる人が多く、充実した入院生活を送ることになる。
正直、薬剤師はインスリンの打ち方、コンプライアンス(薬の飲み忘れなど)の確認、薬の副作用、主に低血糖が起きた場合の対処方法を理解しているかの確認。
栄養とか運動についての知識を聞かれたら、速攻で再指導の要請をかける。間違った知識教えられないもん。
さて、ここで問題です。
今まで、散々甘い物を心置きなく食べていたあなたですが、突然食べるなと言われ、買ってきたお菓子まで看護師に怒られ、没収されます。
いい加減、精進料理のようなご飯ではなく、ケーキとかクッキーとか食べたいです。もう甘ければいいです。
しかし、ここにいる看守は甘い物を手にした途端、犯罪者顔負けのように攻めてきます。
どうすればよいでしょうか?
頭の中の一休さんが答えます。
『私は低血糖を起こしています。ブドウ糖を摂取しなければ死んでしまいます』
誰だ。そんな知識を教えたやつ。
そうです。私です。私ですとも。
正確に薬ではないけど、低血糖を起こした時のブドウ糖は粉、タブレットご用意ありますとも。
ブドウ糖10gの粉がね!
いつも思うけど、10gってなかなか量があるけど、口の中もそもそしそう……考えただけで歯が痛くなる。
「砂糖の致死量っていくつだ!?」
砂糖に埋もれて死ねるなら、本望だろう!?
「人間の結果はないね。マウス、ラットで29700mg/kg 出典ないなぁ……たぶん経口だけど、絶対じゃない……あとはー約1kgって書いてはある」
中毒情報センターもこればかりは、情報がないらしい。単純計算で60kgの人なら、約1.8kg摂取すれば死ぬ。
180包のブドウ糖。
「薬局に在庫いくつあったっけ?」
「100はない」
とても残念です。
こうして、怒りのブドウ糖致死量大実験スペシャルは、失敗に終わったわけです。
「完全犯罪を考えた時に、インスリンっていいなぁって思ったんだけどさ」
よくあるじゃん?
どうすれば、警察に捕まらず、完全犯罪起こせるかって考える奴。
最終的に他殺ってなった時点で負けだから、事故か自殺に見せかけて処理してもらうのが一番って話になる、アレ。
「そもそもインスリンの時点で、容疑者絞られるんだけど」
「インスリンがバレたらな」
だが、一応、体の中に元々あるホルモンだから、検出されたところでバレやしない。
「そんなあなたにトレシーバのプレゼント」
「緑よりオレンジが好きぃ~」
気になった人は、ぜひ”インスリン 色”で検索してみよう。
作用時間が違って、代謝される時間も違うぞ。
「一度でいいから、インスリン飲んでみたいんだよね」
結構、患者に伝えるためという名目上、薬剤師はいろいろな薬を飲んでみる人が多い。医者にも多いが。
眠剤なんて、自分が飲んだ方が気持ちがわかるって、販売されている眠剤、すべて一度飲んでみたという医者がいた。
いや、うん。そんないい話ではなく、単純な興味。
「飲んだことないからわからないけど、たぶんおいしくないよ……?」
「スリルって最高のスパイスっていうじゃん?」
「意味が違うと思う。それに、スリルなくない?」
インスリンは、言った通り、多く打ちすぎれば低血糖を起こし、最悪死ぬ。
けど、動物のホルモン、つまり大きな分類でいえばたんぱく質なのだ。要は、肉や大豆などの仲間。
なので、注射せずに、口から飲んだところで、胃で消化され、低血糖どころか、ただの栄養源になる。
意外に、生物の食べるって行為はすごいもので、血液に直接入れば毒だけど、口から入れば、毒じゃないなんてことは多い。
ただ、実際にインスリンを飲んだ人ってのは、あまりいない。
世界は広いから、きっと探せばいる。絶対に。
「インスリンは期切れないし。起こしたところで、絶対練習キット扱いでしょ」
内服では無害だけど、注射すれば毒。
それを盃にいれて、毒を食らわば……のように、一気に煽って――
ダサいな。すごく。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

妻が家出したので、子育てしながらカフェを始めることにした
夏間木リョウ
ライト文芸
植物の聲を聞ける御園生秀治とその娘の莉々子。妻と三人で平和に暮らしていたものの、ある日突然妻の雪乃が部屋を出ていってしまう。子育てと仕事の両立に困った秀治は、叔父の有麻の元を頼るが……
日常ミステリ×ほんのりファンタジーです。
小説家になろう様でも連載中。
フリー台詞・台本集
小夜時雨
ライト文芸
フリーの台詞や台本を置いています。ご自由にお使いください。
人称を変えたり、語尾を変えるなどOKです。
題名の横に、構成人数や男女といった表示がありますが、一人二役でも、男二人、女二人、など好きなように組み合わせてもらっても構いません。
また、許可を取らなくても構いませんが、動画にしたり、配信した場合は聴きに行ってみたいので、教えてもらえるとすごく嬉しいです!また、使用する際はリンクを貼ってください。
※二次配布や自作発言は禁止ですのでお願いします。
【本編完結】繚乱ロンド
由宇ノ木
ライト文芸
番外編は時系列順ではありません。
更新日 2/12 『受け継ぐ者』
更新日 2/4 『秘密を持って生まれた子 3』(全3話)
02/01『秘密を持って生まれた子 2』
01/23『秘密を持って生まれた子 1』
01/18『美之の黒歴史 5』(全5話)
12/30『とわずがたり~思い出を辿れば~2,3』
12/25『とわずがたり~思い出を辿れば~1 』
本編は完結。番外編を不定期で更新。
11/11~11/19『夫の疑問、妻の確信1~3』
10/12 『いつもあなたの幸せを。』
9/14 『伝統行事』
8/24 『ひとりがたり~人生を振り返る~』
お盆期間限定番外編 8月11日~8月16日まで
『日常のひとこま』は公開終了しました。
7/31 『恋心』・・・本編の171、180、188話にチラッと出てきた京司朗の自室に礼夏が現れたときの話です。
6/18 『ある時代の出来事』
-本編大まかなあらすじ-
*青木みふゆは23歳。両親も妹も失ってしまったみふゆは一人暮らしで、花屋の堀内花壇の支店と本店に勤めている。花の仕事は好きで楽しいが、本店勤務時は事務を任されている二つ年上の林香苗に妬まれ嫌がらせを受けている。嫌がらせは徐々に増え、辟易しているみふゆは転職も思案中。
林香苗は堀内花壇社長の愛人でありながら、店のお得意様の、裏社会組織も持つといわれる惣領家の当主・惣領貴之がみふゆを気に入ってかわいがっているのを妬んでいるのだ。
そして、惣領貴之の懐刀とされる若頭・仙道京司朗も海外から帰国。みふゆが貴之に取り入ろうとしているのではないかと、京司朗から疑いをかけられる。
みふゆは自分の微妙な立場に悩みつつも、惣領貴之との親交を深め養女となるが、ある日予知をきっかけに高熱を出し年齢を退行させてゆくことになる。みふゆの心は子供に戻っていってしまう。
令和5年11/11更新内容(最終回)
*199. (2)
*200. ロンド~踊る命~ -17- (1)~(6)
*エピローグ ロンド~廻る命~
本編最終回です。200話の一部を199.(2)にしたため、199.(2)から最終話シリーズになりました。
※この物語はフィクションです。実在する団体・企業・人物とはなんら関係ありません。架空の町が舞台です。
現在の関連作品
『邪眼の娘』更新 令和7年1/25
『月光に咲く花』(ショートショート)
以上2作品はみふゆの母親・水無瀬礼夏(青木礼夏)の物語。
『恋人はメリーさん』(主人公は京司朗の後輩・東雲結)
『繚乱ロンド』の元になった2作品
『花物語』に入っている『カサブランカ・ダディ(全五話)』『花冠はタンポポで(ショートショート)』
伊緒さんのお嫁ご飯
三條すずしろ
ライト文芸
貴女がいるから、まっすぐ家に帰ります――。
伊緒さんが作ってくれる、おいしい「お嫁ご飯」が楽しみな僕。
子供のころから憧れていた小さな幸せに、ほっと心が癒されていきます。
ちょっぴり歴女な伊緒さんの、とっても温かい料理のお話。
「第1回ライト文芸大賞」大賞候補作品。
「エブリスタ」「カクヨム」「すずしろブログ」にも掲載中です!
報酬はその笑顔で
鏡野ゆう
ライト文芸
彼女がその人と初めて会ったのは夏休みのバイト先でのことだった。
自分に正直で真っ直ぐな女子大生さんと、にこにこスマイルのパイロットさんとのお話。
『貴方は翼を失くさない』で榎本さんの部下として登場した飛行教導群のパイロット、但馬一尉のお話です。
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる