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番外編
辺境で 4 (マーク視点)
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※ 更新がとても遅くなってしまい、すみません……!!
今回はアリスの兄、マーク視点となります。どうぞよろしくお願いします。
王妃様、いや、今回は辺境伯様としてか……、いや、そんなことは、どっちでもいい。
とにかく、アリス一人をあんな遠いところまで招くなんて、どういうつもりなんだ!?
いくら辺境伯様ご自慢の騎士を護衛につけられようが、まだまだ子どものアリスに一人でなんて、到底行かせられない。
が、信じられないことに、母上はアリスが行きたいならと一人で辺境に行くことを認めてしまった。
それなら、当然、俺も同行すると言ったら、母上に止められた。
父上も止められていた。
そう、公爵家内での絶対的な決定権は、母上にある。
正直、母上に逆らうと、後が面倒だ……。
が、今回は、アリスが心配すぎて、俺もひけない。
ということで、母上に止められようが、こっそり後を追って辺境に行くつもりで、こっそり計画を練っていた。
が、アリスが辺境へ行く日に、俺と父上、ふたり揃って領地に行かないといけなくなった。
その領地は遠く、辺境からは真逆の方向だ。
「領地へは父上だけで行ってくれ。俺はアリスについていく」
「いや、おまえが領地へ行け。私がアリスについていく」
どうやら、俺と同じことを企んでいたらしい父上。が、ここは絶対に譲れない。
「領地の仕事は、そもそも、公爵である父上の仕事だろう? 俺は付き添いだから、行かなくてもいいじゃないか」
「いや、修行のためにも、今回は、マーク、おまえひとりで行ってこい」
「修行なら、この前したから、もう大丈夫だ。今回は俺は遠慮する」
「何を言っている、マーク。たったあれだけで、修行が終わるわけがないだろう!?」
父上の執務室で言い争っていると、ドアがバーンとあいた。
母上が冷たいまなざしで俺たちを見ている……。
普段はノックもなしにドアをあけるなんて絶対にしない母上。
それだけで、かなり怒っていることが伝わってきて、俺も父上も瞬時に口を閉じた。
「アリスには、アリス付きの侍女メアリーに同行してもらいます。辺境伯様からは、お城への道中だけでなく、滞在中も、護衛として、アリスに女性騎士をつけてくださると、改めてご連絡をいただきました。つまり、アリスに過保護なだけで、邪魔になるだけのあなたたちの付き添いは無用ということよね。そういうことですので、アリスのことはご心配なく。
それに、今回は、二人そろって領地に行くと連絡をしてありますから、何があろうが二人で行ってきてください。断れませんからね」
母上のおさえた声が、やけに怖い……。
なるほど。今回、急に決まった俺たちの領地行きは、母上の差し金だったのか……。
こうなったら、さすがに俺がアリスに付きそうことはできない。
どうするか……。
あ、そうか! いい方法がある!
俺同様にアリスを心配し、なにより、辺境伯様の城に強力なコネがあるやつがいるじゃないか!
そう、親友のルイスだ。
今回のお茶会に、アリスの婚約者であるはずのルイスは呼ばれていないようだ。
不器用すぎるルイス。
アリスへの重すぎる思いは、今現在、菓子作りに全力で注ぎこまれていて、めきめきと腕をあげている。
が、残念なことに、アリス本人には、まるで伝わっていない。
ルイスが不憫になって、俺が口出しするのも良くないと思いつつ、アリスとルイスとの婚約は、ルイスたっての希望だったんだぞ、と、伝えてみたこともあった。
が、アリスはまるで信じず、王命で決まった政略結婚だと信じ込んでいる。
そんな感じで、アリスとルイスの心の距離がやけに遠いままだということを、辺境伯様も察しておられるんだろう。
アリスをおびきよせるためなのか、招待状に「ルイスは来ないから気楽に遊びに来てほしい」と、しっかり書かれてあったしな。
つまり、今回の招待を、辺境伯様からルイスは全く聞かされていないのは間違いない。
が、俺もルイスに伝えるな、などとは口止めされていない。
ということで、俺は、すぐにルイスに会いに王宮へ向かった。
※ 更新がすっかり遅くなりまして、すみません……。
なんと、前回が去年の10月。まさか、こんなに月日がたっていたとは、と、自分でも驚いております(-_-;)
間があきすぎて、話も忘れて読みづらいかと思います。申し訳ありません……。
そんななか、読んでくださった方、エール、いいねをくださったかたがた、本当にありがとうございます!
今回の「辺境で」の章は、いろんな人の視点から書いていくつもりです。
どうぞよろしくお願いします!
今回はアリスの兄、マーク視点となります。どうぞよろしくお願いします。
王妃様、いや、今回は辺境伯様としてか……、いや、そんなことは、どっちでもいい。
とにかく、アリス一人をあんな遠いところまで招くなんて、どういうつもりなんだ!?
いくら辺境伯様ご自慢の騎士を護衛につけられようが、まだまだ子どものアリスに一人でなんて、到底行かせられない。
が、信じられないことに、母上はアリスが行きたいならと一人で辺境に行くことを認めてしまった。
それなら、当然、俺も同行すると言ったら、母上に止められた。
父上も止められていた。
そう、公爵家内での絶対的な決定権は、母上にある。
正直、母上に逆らうと、後が面倒だ……。
が、今回は、アリスが心配すぎて、俺もひけない。
ということで、母上に止められようが、こっそり後を追って辺境に行くつもりで、こっそり計画を練っていた。
が、アリスが辺境へ行く日に、俺と父上、ふたり揃って領地に行かないといけなくなった。
その領地は遠く、辺境からは真逆の方向だ。
「領地へは父上だけで行ってくれ。俺はアリスについていく」
「いや、おまえが領地へ行け。私がアリスについていく」
どうやら、俺と同じことを企んでいたらしい父上。が、ここは絶対に譲れない。
「領地の仕事は、そもそも、公爵である父上の仕事だろう? 俺は付き添いだから、行かなくてもいいじゃないか」
「いや、修行のためにも、今回は、マーク、おまえひとりで行ってこい」
「修行なら、この前したから、もう大丈夫だ。今回は俺は遠慮する」
「何を言っている、マーク。たったあれだけで、修行が終わるわけがないだろう!?」
父上の執務室で言い争っていると、ドアがバーンとあいた。
母上が冷たいまなざしで俺たちを見ている……。
普段はノックもなしにドアをあけるなんて絶対にしない母上。
それだけで、かなり怒っていることが伝わってきて、俺も父上も瞬時に口を閉じた。
「アリスには、アリス付きの侍女メアリーに同行してもらいます。辺境伯様からは、お城への道中だけでなく、滞在中も、護衛として、アリスに女性騎士をつけてくださると、改めてご連絡をいただきました。つまり、アリスに過保護なだけで、邪魔になるだけのあなたたちの付き添いは無用ということよね。そういうことですので、アリスのことはご心配なく。
それに、今回は、二人そろって領地に行くと連絡をしてありますから、何があろうが二人で行ってきてください。断れませんからね」
母上のおさえた声が、やけに怖い……。
なるほど。今回、急に決まった俺たちの領地行きは、母上の差し金だったのか……。
こうなったら、さすがに俺がアリスに付きそうことはできない。
どうするか……。
あ、そうか! いい方法がある!
俺同様にアリスを心配し、なにより、辺境伯様の城に強力なコネがあるやつがいるじゃないか!
そう、親友のルイスだ。
今回のお茶会に、アリスの婚約者であるはずのルイスは呼ばれていないようだ。
不器用すぎるルイス。
アリスへの重すぎる思いは、今現在、菓子作りに全力で注ぎこまれていて、めきめきと腕をあげている。
が、残念なことに、アリス本人には、まるで伝わっていない。
ルイスが不憫になって、俺が口出しするのも良くないと思いつつ、アリスとルイスとの婚約は、ルイスたっての希望だったんだぞ、と、伝えてみたこともあった。
が、アリスはまるで信じず、王命で決まった政略結婚だと信じ込んでいる。
そんな感じで、アリスとルイスの心の距離がやけに遠いままだということを、辺境伯様も察しておられるんだろう。
アリスをおびきよせるためなのか、招待状に「ルイスは来ないから気楽に遊びに来てほしい」と、しっかり書かれてあったしな。
つまり、今回の招待を、辺境伯様からルイスは全く聞かされていないのは間違いない。
が、俺もルイスに伝えるな、などとは口止めされていない。
ということで、俺は、すぐにルイスに会いに王宮へ向かった。
※ 更新がすっかり遅くなりまして、すみません……。
なんと、前回が去年の10月。まさか、こんなに月日がたっていたとは、と、自分でも驚いております(-_-;)
間があきすぎて、話も忘れて読みづらいかと思います。申し訳ありません……。
そんななか、読んでくださった方、エール、いいねをくださったかたがた、本当にありがとうございます!
今回の「辺境で」の章は、いろんな人の視点から書いていくつもりです。
どうぞよろしくお願いします!
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