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番外編
私の悩み 3
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ダンに案内され、部屋に入ると、すでに、開け放たれた窓際にお茶の用意がされていた。
王太子と令嬢たちの顔が見える位置ではあるが、若干遠い。
と思ったら、ダンが眼鏡をさしだしてきた。
「これを、お使いください。魔石レンズの眼鏡ですので、よく見えます」
さすが、ダン! 痒い所に手が届く準備の良さ。
早速かけてみると、目の前にいるかのように、くっきり、はっきりと三人の表情が見える。
「よく見える。だが、声がな…」
と、つぶやくと、ダンは心得たようにうなずいた。
「もちろん、声の方も聞こえやすいように、魔石のスピーカーをご用意しております」
そう言って、テーブルに小さな白い花の置物を置いた。
「これが、魔石のスピーカーか?」
「はい。最新式の小型のものとなります。簡易用の魔石スピーカーですが、あちらのテーブルとここなら十分、聞こえる距離です。対になっている、もう一つの魔石も同じ形をしているので、花の飾りの中に目立たぬように配置してあります」
と言われて、あちらを見ると、フィリップと令嬢二人をはさむように、生花がこんもりと飾られている。
あの中に置いてあるのか…。
つまり、これは盗聴じゃないか?
そう思ったが、フィリップの黒々した表情を見ると、やはり、聞かずにはいられない。
令嬢たちを怒らせるようなことを言いだしたら、即座にのりこんでいかねば、とんでもないことになりそうだ。
ちなみに、フィリップは赤地に金色の飾りがじゃらじゃらついた、やけに、きらびやかな服を着ている。
派手な夜会ならまだしも、中庭でお茶をのむ恰好ではない。
令嬢たちにとったら、見合いに気合いをいれてきたと思うかもしれないが、あの服は、あいつにとったら戦闘服だ。
以前、外国から来た、やっかいな客を出迎える時も、確か、あの服を着ていた。
私が思うに、まず、金色のまぶしさで、相手の目をつぶす。
そんな感じで、心理的に先制攻撃を与えるための服かと思っている。
が、驚くことに、令嬢たちも個性の強い恰好をしていた。
金色の巻き毛は、アイスバーク侯爵の令嬢。
ピンク色のドレスに、沢山の宝石がちりばめられている。
もちろん、首にも宝石がかけられ、手首にも宝石がまかれている。重そうだ…。
しかも、絵姿以上に巻き巻きの髪にも、宝石の髪飾りがあしらわれている。
金に糸目はつけていない感じがすごい。
そして、もう一人のゴルラン公爵の令嬢。
こっちは、もしや、フィリップの目の色にあわせたのか?
というのも、一見地味に見える色、ハシバミ色のドレスを着ている。
が、逆にドレスの形は騒がしい印象だ。リボンやレースがいたるところについているからな。
本人もふっくらしているので、シルエットがまるい。
そして、栗色の髪の毛を高い位置に結いあげている。
全体像は、木の実みたいだ。
予想通り、2人とも絵姿と顔が違う。
かなり修正されていたようで、絵姿になんとなく似ている令嬢という感じだ。
とにかく、あの3人のところには、絶対に近づきたくない。
さわやかな天気とは真逆の、ギラギラしたものが満ちているあの空間に…。
王太子と令嬢たちの顔が見える位置ではあるが、若干遠い。
と思ったら、ダンが眼鏡をさしだしてきた。
「これを、お使いください。魔石レンズの眼鏡ですので、よく見えます」
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「よく見える。だが、声がな…」
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「もちろん、声の方も聞こえやすいように、魔石のスピーカーをご用意しております」
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と言われて、あちらを見ると、フィリップと令嬢二人をはさむように、生花がこんもりと飾られている。
あの中に置いてあるのか…。
つまり、これは盗聴じゃないか?
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そんな感じで、心理的に先制攻撃を与えるための服かと思っている。
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もちろん、首にも宝石がかけられ、手首にも宝石がまかれている。重そうだ…。
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こっちは、もしや、フィリップの目の色にあわせたのか?
というのも、一見地味に見える色、ハシバミ色のドレスを着ている。
が、逆にドレスの形は騒がしい印象だ。リボンやレースがいたるところについているからな。
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予想通り、2人とも絵姿と顔が違う。
かなり修正されていたようで、絵姿になんとなく似ている令嬢という感じだ。
とにかく、あの3人のところには、絶対に近づきたくない。
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