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番外編
俺は出会った 6
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※ 今回もルイス視点です。
ついに、明日、アリスとのお茶会だ。
菓子の仕込みもとりあえず、終わった。あとは、当日、焼いたり、仕上げたりするのみだ。
本当は、アリスとのお茶会の前日である金曜日は、お茶会の準備以外は、心身ともに整えるべく静かに過ごすようにしている。
が、今日は、モリー二国から王と王女が午後にやってくることになった。
できることならば、俺だけ外してもらいたいが、王子なので仕方がない。
明日は、兄上に任せることにしてるし、嫌だけど、今日はつきあわないとな。
ということで、父上と兄上と俺で待っていると、モリー二国の一団が到着した。
先頭にいる恰幅のいい男性が王だろう。その横に、王女らしき人物がいた。
まず、父上が、
「ようこそいらっしゃった。歓迎しますぞ」
と、共通語で言った。
モリー二国は隣国であっても、言語は全然違う。
そのため、父上は、大陸全土で使われている共通語で話したようだ。
我が国でも、ほぼ全国民が共通語も話せるぐらい、古くから大陸中に浸透している言語だ。
モリー二国の王も、
「急な訪問なのに、歓迎してくださって感謝します」
と、共通語で答えた。
そして、隣の王女を見ながら、
「娘のマレイラです。他国を見るのも、今後のためになるかと、連れてきました。ほら、挨拶しなさい」
王が促すと、王女が、つつっと前にでた。
背は高く、金色の髪をぐるぐると巻いている。真っ赤なドレスも派手な印象だ。
アリスは、絶対着ないドレスだな。
アリスは、明日は何を着てくるんだろう。楽しみだ。
先月は、うすい水色のドレスを着てたが、まさに妖精だった。
まあ、アリスは、何を着ても似合うし、何を着ても妖精だけどな。
…と、気が付けば、アリスのことばかり考えていて、王女の挨拶は聞いてないうちに終わっていた。
そこで、兄上が、
「王太子のフィリップです。モリーニ国の王様、王女様、わが国へようこそ」
そう挨拶して、軽く礼をした。
俺も
「第二王子のルイスです。ようこそおいでくださいました」
と、簡単に挨拶をする。
と、王女が俺の前にぐいっと寄って来た。
近づきすぎだろ。一体、なんの用だ?
「ルイス殿下。私と同じ年だとお聞きし、お話しできるのを楽しみにしておりました。仲良くしてくださいね」
そう言って、上目遣いに、笑いかけてきた。
自信に満ち溢れた顔。
そして、笑ってる目がどろりとして見える。苦手な目だ。
アリスの目は、澄んでいて、きれいなのにな…。
早く、アリスを見たい。会いたい。目にやきつけたい…。
意識をアリスへ飛ばしていると、
「私、お父様が国王様とお話している間、ルイス殿下に、このお城を案内してほしいですわ!」
と、王女が言い出した。
はあ?! 突然、何を言い出すんだ?!
思わず、王女をにらむと、王女は顔を赤く染め、目をさらにドロリとさせた。
「マレイラは、ルイス殿下が一目で気に入ったようだ。ハッハッハ」
と笑っているモリーニ国の王。
「そうですかな? ハハハ」
父上は、面倒なことになったと言わんばかりの顔で、愛想笑いをしている。
兄上は、俺の耳元で、
「大丈夫だ、ルイス。おまえは苦手なタイプだろ。王女は兄様に任せろ。ルイスに案内させるなど、図々しいにもほどがある」
と、自国の言葉で、それも、ものすごい早口で、小声でささやいたかと思うと、王女の前にさっと歩み出た。
「城については、ぼくのほうが詳しいので、事細かく説明しながら、ご案内いたしましょう」
兄上は、そう王女に言うと、にっこり笑いかけた。
悪いな、兄上。よろしく頼む。
心の中で、兄上に感謝していると、
「いえ、そこまで詳しく知らなくても結構ですから。それに、同じ年のルイス殿下のほうが気軽にお話できそうなので、ルイス殿下にお願いしたいですわ」
と、王女。
おい、それは、やめてくれ!
そして、兄上をおこらすのもやめてくれ!
というか、もう、遅いな。
兄上の目が笑ってない。すでに、戦闘モードに入ったってことか。
自分で言うのもなんだが、兄上は、俺が嫌がるのに、俺に近づく人間を敵とみなす習性がある。
というのも、幼少のころから、無表情であっても、俺の容姿にひかれた危ない人間が、何度も俺に近づこうとしたしたからだ。
兄上は、穏やかな笑みを浮かべて、王女に言った。
「とんでもない。せっかく王女においでいただいたのに、ルイスのつたない説明では失礼にあたります。ぼくが、しっかりと、懇切丁寧に、この城を説明していきますよ。特に、地下牢とか歴史があっておすすめです」
父上は、眉間にしわを寄せ、「やめろ」と、目で圧をかけている。
が、兄上は、にっこり笑って、
「では、ぼくが、丁寧に、王女様にこの城を案内してきます。父上は、モリー二国の王様とごゆっくりご歓談を。ルイスは明日の準備をしてきていいぞ」
と、言った。
それはありがたい。
お礼に、兄上の分のアップルパイも焼いておくことにしよう。
ついに、明日、アリスとのお茶会だ。
菓子の仕込みもとりあえず、終わった。あとは、当日、焼いたり、仕上げたりするのみだ。
本当は、アリスとのお茶会の前日である金曜日は、お茶会の準備以外は、心身ともに整えるべく静かに過ごすようにしている。
が、今日は、モリー二国から王と王女が午後にやってくることになった。
できることならば、俺だけ外してもらいたいが、王子なので仕方がない。
明日は、兄上に任せることにしてるし、嫌だけど、今日はつきあわないとな。
ということで、父上と兄上と俺で待っていると、モリー二国の一団が到着した。
先頭にいる恰幅のいい男性が王だろう。その横に、王女らしき人物がいた。
まず、父上が、
「ようこそいらっしゃった。歓迎しますぞ」
と、共通語で言った。
モリー二国は隣国であっても、言語は全然違う。
そのため、父上は、大陸全土で使われている共通語で話したようだ。
我が国でも、ほぼ全国民が共通語も話せるぐらい、古くから大陸中に浸透している言語だ。
モリー二国の王も、
「急な訪問なのに、歓迎してくださって感謝します」
と、共通語で答えた。
そして、隣の王女を見ながら、
「娘のマレイラです。他国を見るのも、今後のためになるかと、連れてきました。ほら、挨拶しなさい」
王が促すと、王女が、つつっと前にでた。
背は高く、金色の髪をぐるぐると巻いている。真っ赤なドレスも派手な印象だ。
アリスは、絶対着ないドレスだな。
アリスは、明日は何を着てくるんだろう。楽しみだ。
先月は、うすい水色のドレスを着てたが、まさに妖精だった。
まあ、アリスは、何を着ても似合うし、何を着ても妖精だけどな。
…と、気が付けば、アリスのことばかり考えていて、王女の挨拶は聞いてないうちに終わっていた。
そこで、兄上が、
「王太子のフィリップです。モリーニ国の王様、王女様、わが国へようこそ」
そう挨拶して、軽く礼をした。
俺も
「第二王子のルイスです。ようこそおいでくださいました」
と、簡単に挨拶をする。
と、王女が俺の前にぐいっと寄って来た。
近づきすぎだろ。一体、なんの用だ?
「ルイス殿下。私と同じ年だとお聞きし、お話しできるのを楽しみにしておりました。仲良くしてくださいね」
そう言って、上目遣いに、笑いかけてきた。
自信に満ち溢れた顔。
そして、笑ってる目がどろりとして見える。苦手な目だ。
アリスの目は、澄んでいて、きれいなのにな…。
早く、アリスを見たい。会いたい。目にやきつけたい…。
意識をアリスへ飛ばしていると、
「私、お父様が国王様とお話している間、ルイス殿下に、このお城を案内してほしいですわ!」
と、王女が言い出した。
はあ?! 突然、何を言い出すんだ?!
思わず、王女をにらむと、王女は顔を赤く染め、目をさらにドロリとさせた。
「マレイラは、ルイス殿下が一目で気に入ったようだ。ハッハッハ」
と笑っているモリーニ国の王。
「そうですかな? ハハハ」
父上は、面倒なことになったと言わんばかりの顔で、愛想笑いをしている。
兄上は、俺の耳元で、
「大丈夫だ、ルイス。おまえは苦手なタイプだろ。王女は兄様に任せろ。ルイスに案内させるなど、図々しいにもほどがある」
と、自国の言葉で、それも、ものすごい早口で、小声でささやいたかと思うと、王女の前にさっと歩み出た。
「城については、ぼくのほうが詳しいので、事細かく説明しながら、ご案内いたしましょう」
兄上は、そう王女に言うと、にっこり笑いかけた。
悪いな、兄上。よろしく頼む。
心の中で、兄上に感謝していると、
「いえ、そこまで詳しく知らなくても結構ですから。それに、同じ年のルイス殿下のほうが気軽にお話できそうなので、ルイス殿下にお願いしたいですわ」
と、王女。
おい、それは、やめてくれ!
そして、兄上をおこらすのもやめてくれ!
というか、もう、遅いな。
兄上の目が笑ってない。すでに、戦闘モードに入ったってことか。
自分で言うのもなんだが、兄上は、俺が嫌がるのに、俺に近づく人間を敵とみなす習性がある。
というのも、幼少のころから、無表情であっても、俺の容姿にひかれた危ない人間が、何度も俺に近づこうとしたしたからだ。
兄上は、穏やかな笑みを浮かべて、王女に言った。
「とんでもない。せっかく王女においでいただいたのに、ルイスのつたない説明では失礼にあたります。ぼくが、しっかりと、懇切丁寧に、この城を説明していきますよ。特に、地下牢とか歴史があっておすすめです」
父上は、眉間にしわを寄せ、「やめろ」と、目で圧をかけている。
が、兄上は、にっこり笑って、
「では、ぼくが、丁寧に、王女様にこの城を案内してきます。父上は、モリー二国の王様とごゆっくりご歓談を。ルイスは明日の準備をしてきていいぞ」
と、言った。
それはありがたい。
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