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あの後、すみやかに、ルイス殿下と婚約は解消された。
それから一週間。
ルイス殿下の心変わりということで、私への中傷は全く聞こえてこない。
逆に、同情されているのか、悲劇のヒロインのような扱いだ。
というのも、どうやら、ピンクの髪の女性、評判が芳しくないらしい。
そして、私への婚約の申し込みも殺到している。
が、お妃教育から解放された今、しばらくは、のんびりしたい!
幸い、権力に興味のない両親。新しい婚約をせかすこともない。
しかも、私が嫌がったのに、断りきれない王命で婚約させたことを、ことあるごとに謝っていたお父様は大喜び。
お母さまは、なぜか、無表情のルイス殿下を気に入っていたのだけれど、他の女性に心変わりしたのを聞き、
「私の見る目がなかったのかしら?」と、がっかりしている。
そして、5歳年上のマーク兄様は、ずっと浮かない顔をしていた。
「マーク兄様、ごめんね。ルイス殿下と友達だから、気まずいよね?」
と、私が言うと、
「いや、そういうんじゃないんだ…。が、なんで、ルイスがアリスとの婚約を解消したのか、腑に落ちなくて、気持ち悪いんだよな…」
と、考え込んでいる。
「だって、あのピンク色の髪の人を好きになったんでしょ? わかりやすい理由じゃない。もともと、私のことは興味なさそうだったしね」
と、私が言うと、マーク兄様は首をかしげた。
「いや、ルイスに限って、そんなはずはない…。しかも、そのピンク色の髪の女性って、最近、男爵家の養女になったローラ嬢なんだけど、噂がいろいろあってな…。とても、ルイスが気に入るような女性じゃないんだよな…。というか、多分、視界にも入れないタイプだと思う。なんか、納得できないことばっかりで、気持ち悪いんだよ…。確かめようにも、ルイスもこの一週間つかまらないし。どうなってんだか」
さすが、親友のマーク兄様。あの無表情なルイス殿下の好みまで把握してるとは。
私には無表情だけど、マーク兄様には色々しゃべるのかしらね?
しゃべってるところすら、想像できないけど。
「ふーん。ま、どうでもいいよ。解消になって、私は晴れて自由の身! そのローラさんには感謝しかないわ」
そこへ、うちの執事がとんできた。
「マーク様、アリス様、お二人にお客様なのですが…」
と、そこまで言って、とまどった顔をする。
「誰?」
マーク兄様が聞くと、
「…ルイス殿下です」
「は?」
「え?」
「お二人にお会いしたいとのことです」
…ええ、私も?! なんで?
それから一週間。
ルイス殿下の心変わりということで、私への中傷は全く聞こえてこない。
逆に、同情されているのか、悲劇のヒロインのような扱いだ。
というのも、どうやら、ピンクの髪の女性、評判が芳しくないらしい。
そして、私への婚約の申し込みも殺到している。
が、お妃教育から解放された今、しばらくは、のんびりしたい!
幸い、権力に興味のない両親。新しい婚約をせかすこともない。
しかも、私が嫌がったのに、断りきれない王命で婚約させたことを、ことあるごとに謝っていたお父様は大喜び。
お母さまは、なぜか、無表情のルイス殿下を気に入っていたのだけれど、他の女性に心変わりしたのを聞き、
「私の見る目がなかったのかしら?」と、がっかりしている。
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「マーク兄様、ごめんね。ルイス殿下と友達だから、気まずいよね?」
と、私が言うと、
「いや、そういうんじゃないんだ…。が、なんで、ルイスがアリスとの婚約を解消したのか、腑に落ちなくて、気持ち悪いんだよな…」
と、考え込んでいる。
「だって、あのピンク色の髪の人を好きになったんでしょ? わかりやすい理由じゃない。もともと、私のことは興味なさそうだったしね」
と、私が言うと、マーク兄様は首をかしげた。
「いや、ルイスに限って、そんなはずはない…。しかも、そのピンク色の髪の女性って、最近、男爵家の養女になったローラ嬢なんだけど、噂がいろいろあってな…。とても、ルイスが気に入るような女性じゃないんだよな…。というか、多分、視界にも入れないタイプだと思う。なんか、納得できないことばっかりで、気持ち悪いんだよ…。確かめようにも、ルイスもこの一週間つかまらないし。どうなってんだか」
さすが、親友のマーク兄様。あの無表情なルイス殿下の好みまで把握してるとは。
私には無表情だけど、マーク兄様には色々しゃべるのかしらね?
しゃべってるところすら、想像できないけど。
「ふーん。ま、どうでもいいよ。解消になって、私は晴れて自由の身! そのローラさんには感謝しかないわ」
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「マーク様、アリス様、お二人にお客様なのですが…」
と、そこまで言って、とまどった顔をする。
「誰?」
マーク兄様が聞くと、
「…ルイス殿下です」
「は?」
「え?」
「お二人にお会いしたいとのことです」
…ええ、私も?! なんで?
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