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第二章
見てはいけない
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うっすら微笑んだまま、まばたきもせず、私を見つめてくるジョルジュさん。
なんというか、見てはいけないものを見ているようで落ち着かない。美しすぎて、なぜか怖い…。
目を見ると、石になってしまうような恐怖をひしひしと感じている。
そして、なにやら、何か言いたそうな圧をすごく感じるんだけど…。
が、一向に聞いてこない。じっと私を見つめたままだ。
あっ! もしかして、テレパシーとかで会話しようとしてる?
しかし、今世も前世も、残念ながら私にそんな特殊能力はない…。
どうしたもんかね?と、思ったら、我に返ったアイシャがジョルジュさんにぴしりと言った。
「ちょっと、お兄様! そんなにリリーを見たら減るでしょ!」
ええと、アイシャ、どうした? 私は減りはしないよ?
さすがの冷静なアイシャでも、普段と違う様子らしいジョルジュさんに、相当、動揺しているみたい。
おかしなことを言っている。
「確かに、アイシャの言うとおりだ。リリーが減るから、それ以上は見ないでください」
と、冷え冷えとした声が。
ラルフ。君もどうした?
すると、ジョルジュさんが、私から視線をそらさずに冷静に言った。
「リリアンヌ嬢は減らない。人間は見ただけで、体重など減ることはあり得ない」
…ごもっとも。
「そういう意味じゃない…。こういうかみ合わない感じ、通常のお兄様だわ。妙にほっとするわね…」
アイシャがつぶやいた。
が、ジョルジュさんは、そんなアイシャを全く見ることもなく、私にむかって聞いてきた。
「リリアンヌ嬢。良かったら、ドラヤキのもっと詳しい情報を教えてくれないか。聞けば、何か思い出すきっかけになるかもしれない」
あ、なーんだ、どらやきのことがもっと詳しく聞きたかったのね。
それなら、お安い御用です!
「どらやきのことなら、いくらでも、説明します!」
私は、力いっぱい答えた。
その瞬間、ジョルジュさんが目元をゆるめ、少しだけ笑った!
青い瞳が冴えわたる。まとう気が、一気に華やいだ。
人間離れした美しさに思わず息をのむ。
まるで、冬をつかさどる神みたいなイメージなんだけど…。
「ええっ、うそでしょう?! お兄様が…、お兄様が、笑った! 人間になっていく…」
アイシャが、悲鳴のような声をあげた。
同時に、隣のラルフが、私にささやいてきた。
「リリー、あれは危険だ。見るな。目をあわせるな!」
確かに、なぜか、見てはいけないような気がする。
…が、そんなことは言っていられない。
ジョルジュさんがせっかく覚えていた、どらやきという言葉。
前世からの記憶で唯一残っていた言葉だもんね。きっと、思い入れのある存在だったはず。
だから、今のジョルジュさんにも、どらやきを好きになってもらいたい!
そのためには、私がきっちり説明しなきゃ!
なんというか、見てはいけないものを見ているようで落ち着かない。美しすぎて、なぜか怖い…。
目を見ると、石になってしまうような恐怖をひしひしと感じている。
そして、なにやら、何か言いたそうな圧をすごく感じるんだけど…。
が、一向に聞いてこない。じっと私を見つめたままだ。
あっ! もしかして、テレパシーとかで会話しようとしてる?
しかし、今世も前世も、残念ながら私にそんな特殊能力はない…。
どうしたもんかね?と、思ったら、我に返ったアイシャがジョルジュさんにぴしりと言った。
「ちょっと、お兄様! そんなにリリーを見たら減るでしょ!」
ええと、アイシャ、どうした? 私は減りはしないよ?
さすがの冷静なアイシャでも、普段と違う様子らしいジョルジュさんに、相当、動揺しているみたい。
おかしなことを言っている。
「確かに、アイシャの言うとおりだ。リリーが減るから、それ以上は見ないでください」
と、冷え冷えとした声が。
ラルフ。君もどうした?
すると、ジョルジュさんが、私から視線をそらさずに冷静に言った。
「リリアンヌ嬢は減らない。人間は見ただけで、体重など減ることはあり得ない」
…ごもっとも。
「そういう意味じゃない…。こういうかみ合わない感じ、通常のお兄様だわ。妙にほっとするわね…」
アイシャがつぶやいた。
が、ジョルジュさんは、そんなアイシャを全く見ることもなく、私にむかって聞いてきた。
「リリアンヌ嬢。良かったら、ドラヤキのもっと詳しい情報を教えてくれないか。聞けば、何か思い出すきっかけになるかもしれない」
あ、なーんだ、どらやきのことがもっと詳しく聞きたかったのね。
それなら、お安い御用です!
「どらやきのことなら、いくらでも、説明します!」
私は、力いっぱい答えた。
その瞬間、ジョルジュさんが目元をゆるめ、少しだけ笑った!
青い瞳が冴えわたる。まとう気が、一気に華やいだ。
人間離れした美しさに思わず息をのむ。
まるで、冬をつかさどる神みたいなイメージなんだけど…。
「ええっ、うそでしょう?! お兄様が…、お兄様が、笑った! 人間になっていく…」
アイシャが、悲鳴のような声をあげた。
同時に、隣のラルフが、私にささやいてきた。
「リリー、あれは危険だ。見るな。目をあわせるな!」
確かに、なぜか、見てはいけないような気がする。
…が、そんなことは言っていられない。
ジョルジュさんがせっかく覚えていた、どらやきという言葉。
前世からの記憶で唯一残っていた言葉だもんね。きっと、思い入れのある存在だったはず。
だから、今のジョルジュさんにも、どらやきを好きになってもらいたい!
そのためには、私がきっちり説明しなきゃ!
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