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第一章
ついに到着
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そして、混沌としたまま馬車が到着。
ついに王宮に到着しました! うん、まさに別世界。
みんな、思いっきりドレスアップしていて、きらきらしている!
前世、庶民の私は、思わず、ホールに入るのを気おくれしていると、さっとラルフが手を取ってくれた。
流れるように、自然な動きだ。
おやおや、慣れてる?
思わず、ムフという目で見ると、冷たいまなざしが返ってきた。
「どうせ、バカなこと考えてんだろ。さっさと行くぞ」
はい、すみませんね。
ということで、いざ、観察場へ入場!
テンションあがってしまうけど、落ち着かないと。
早速、痛いほどの視線を感じる。
はー、ラルフ。目立つもんね。
令嬢たちがハンターのような目でねらってる。
見た目は、きれいな人たちだけれど、私としては、ああいうタイプは、溺愛のヒロインとしては萌えない。
やはり、可憐で、守ってしまいたくなるような、天使みたいなヒロインが好みなのだ!
ということで、観察対象からは外させていただきます。
会場に入ると、婚約者ではない二人は、一緒にまわる必要もないので、知り合いを見つけて談笑したりする。
ということで、ラルフもお友達のところにどうぞ。
私は、お待ちかねの溺愛観察に入ります!
「じゃ、ラルフ。ここらで自由行動にしようかね?」
というやいなや、ひらりと手をふり、前のめりで移動しようとすると、ラルフに手をつかまれた。
「こら、待て。一人でうろちょろするなって、さっき、言ったばかりだろ。ほんと、記憶力がないな」
と、冷ややかな目で見られた。
おっと、まずい! 私たち、めちゃくちゃ見られてない?
腕つかまれてるから、更に目立ってるよね…。
深い意味はないですよーという意味をこめ、とりあえず笑顔をはりつける。
が、令嬢たちの視線が痛い。痛すぎる…。
「ラルフ! ちょっと、手、離してよ」
と、笑顔のまま、手をふりほどこうとするが、ふりほどけない。
この馬鹿力め!
「ダメだ。どうせ、溺愛を見たいとかって、ふらふらとどっかへ行くんだろ。安心できる奴がくるまでは、ここにいろ」
「えー! そんなこと言ったって、私の友人は、数人しかいないんだよ? しかも、ラルフも含まれてるんだよ? このパーティーで、ラルフの安心できる奴に会う確率はどのくらい? ほぼ、ないじゃない?!」
と、笑顔をはりつけたまま、小声で猛然とまくしたてた。
「じゃ、俺といるしかないな。ここから、その観察とやらをすればいいだろ?」
いやいや、ラルフといたら、観察するどころ、観察されるじゃない?!
あれ、こちらを見て手をふってる男の人がいる。
そういえば、以前、ラルフと一緒にいたところを見たような気もするわ…。
「あの人、ラルフのお友達じゃない? ほら、呼んでるよ。行って来て。私はここで待ってるから」
とにかく、ラルフと離れないと! 観察ができない!
どこでもいいから、早くどっかへ行け! と、念を送る。
「いや、全く必要ない。というか、リリーは、いつ、あいつのことを知ったんだ? 俺は紹介してないが」
そう言って、その男性をにらみつけた。
ちょっと、友達じゃないの?!
もう、どうにかして、と思ったとき、
「リリー、久しぶりね」
と、背後から凛とした声がした。
うわあ、奇跡が起きました! 私の数少ない友人であるアイシャだ!!
ついに王宮に到着しました! うん、まさに別世界。
みんな、思いっきりドレスアップしていて、きらきらしている!
前世、庶民の私は、思わず、ホールに入るのを気おくれしていると、さっとラルフが手を取ってくれた。
流れるように、自然な動きだ。
おやおや、慣れてる?
思わず、ムフという目で見ると、冷たいまなざしが返ってきた。
「どうせ、バカなこと考えてんだろ。さっさと行くぞ」
はい、すみませんね。
ということで、いざ、観察場へ入場!
テンションあがってしまうけど、落ち着かないと。
早速、痛いほどの視線を感じる。
はー、ラルフ。目立つもんね。
令嬢たちがハンターのような目でねらってる。
見た目は、きれいな人たちだけれど、私としては、ああいうタイプは、溺愛のヒロインとしては萌えない。
やはり、可憐で、守ってしまいたくなるような、天使みたいなヒロインが好みなのだ!
ということで、観察対象からは外させていただきます。
会場に入ると、婚約者ではない二人は、一緒にまわる必要もないので、知り合いを見つけて談笑したりする。
ということで、ラルフもお友達のところにどうぞ。
私は、お待ちかねの溺愛観察に入ります!
「じゃ、ラルフ。ここらで自由行動にしようかね?」
というやいなや、ひらりと手をふり、前のめりで移動しようとすると、ラルフに手をつかまれた。
「こら、待て。一人でうろちょろするなって、さっき、言ったばかりだろ。ほんと、記憶力がないな」
と、冷ややかな目で見られた。
おっと、まずい! 私たち、めちゃくちゃ見られてない?
腕つかまれてるから、更に目立ってるよね…。
深い意味はないですよーという意味をこめ、とりあえず笑顔をはりつける。
が、令嬢たちの視線が痛い。痛すぎる…。
「ラルフ! ちょっと、手、離してよ」
と、笑顔のまま、手をふりほどこうとするが、ふりほどけない。
この馬鹿力め!
「ダメだ。どうせ、溺愛を見たいとかって、ふらふらとどっかへ行くんだろ。安心できる奴がくるまでは、ここにいろ」
「えー! そんなこと言ったって、私の友人は、数人しかいないんだよ? しかも、ラルフも含まれてるんだよ? このパーティーで、ラルフの安心できる奴に会う確率はどのくらい? ほぼ、ないじゃない?!」
と、笑顔をはりつけたまま、小声で猛然とまくしたてた。
「じゃ、俺といるしかないな。ここから、その観察とやらをすればいいだろ?」
いやいや、ラルフといたら、観察するどころ、観察されるじゃない?!
あれ、こちらを見て手をふってる男の人がいる。
そういえば、以前、ラルフと一緒にいたところを見たような気もするわ…。
「あの人、ラルフのお友達じゃない? ほら、呼んでるよ。行って来て。私はここで待ってるから」
とにかく、ラルフと離れないと! 観察ができない!
どこでもいいから、早くどっかへ行け! と、念を送る。
「いや、全く必要ない。というか、リリーは、いつ、あいつのことを知ったんだ? 俺は紹介してないが」
そう言って、その男性をにらみつけた。
ちょっと、友達じゃないの?!
もう、どうにかして、と思ったとき、
「リリー、久しぶりね」
と、背後から凛とした声がした。
うわあ、奇跡が起きました! 私の数少ない友人であるアイシャだ!!
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