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ここはカフェ?

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腹黒だったり、冷酷だったり、つまり、魔王ユーリを見て、信用したと語ったイリスさん。
普通だったら、ユーリの本性をみたら怖がるのに、ラスさん同様、稀有な方だわ!

でも、それでこそ真の友人。
そんな方に出会えて、ユーリは幸運ね。

しかも、ラスさんとイリスさん、2人もいるなんて!

「これからも、ユーリをお願いしますね」
私は、イリスさんとラスさんに念をおす。

そして、ユーリ! 奇跡的に出会えたお友達2人を絶対にのがしちゃだめよ!
大切にしなさいね!

という思いをこめて、ユーリを見ると、何故か、ユーリが私の頭に手をのばしてきた。

「なに、それ? アデルがぼくの保護者みたいなんだけど?」
そう言って、笑いながら、私の頭をなではじめた。

「ちょっと、ユーリ、やめてよ! イリスさんの前ではずかしいでしょ?! 小さな子どもみたいじゃない!」
私が、あわてて、ユーリの手を払いのける。

「子どもだったら、まだ安心なんだけどねー?」
そう言いながら、頭をなでるのをやめないユーリ。

「こら、やめなさいってば!」
と、私が言ったところで、イリスさんが、ふっと笑った。

「公爵様は、てっきり、人間に興味がないのかと思っておりました。が、私の勘違いでした。大事なお宝は、しっかり隠されていたのですね」
イリスさんの言葉に、ラスさんがぼそっと言う。

「隠すというか、捕らえてる…みたいな?」

え? 捕らえる? 一体何を言ってるの…?

「でも、隠していると、うっとうしい虫がわいてくるんだよね。だから、隠すのをやめることにした。でも、何故か、本人にだけは伝わらなくて、予想外の行動にでるから目が離せないの」

「振り回される公爵様が見られて新鮮です。…それで、公爵様。この通りせまいカフェです。一応、他の席からは見えにくい、間仕切りのあるテーブル席をご用意しました。カフェ全体を貸し切りにはしてないのですが、よろしいのですか?」
イリスさんが、仕事モードに切り替えて、ユーリに聞く。

「あ、いいよ。イリスのことだ。相手がだれであろうとカフェまるごと、貸し切りなんてしたことないんでしょ? なら、かえって目立つ。それに、イリスの信念をまげさせるわけにはいかないしね」

「おー、主が他人に気をつかってる。珍しい…」
驚いたように、つぶやくラスさん。

あの、ユーリ。一体、ラスさんにどんな態度で接してるのかしら…?

「ありがとうございます、公爵様。私のことをよく理解してくださっていて、嬉しいです。おっしゃるとおり、このカフェは、どのような方であっても貸し切りは受けておりません。足を運んでくださったお客様を、できるだけお断りしたくないもので」

「イリスらしいよね。いいよ、他の客と一緒でも。そのほうが、あいつらには気づかれにくいだろうし。アデルが安全に食事ができればそれでいい」

イリスさんが、力強くうなずいた。
「もちろんです。私の命をかけてでも、カフェ内でのお客様の身はお守り致します。他の者たちも、手練ればかりですからご安心ください」

ええと…、イリスさん…。またもや、命って…。
しかも、何故、カフェの店員さんが手練れである必要が…?
本当にここはカフェなのかしら…?





※ 更新が大変遅くなりすみません! 不定期な更新のなか、読んでくださった方、本当にありがとうございます!


 
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