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アイデア発表!

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私は、思いついたアイデアを早速、発表するため、
「はいっ」
と、手をあげた。

「どうしたの? アデル王女」
と、デュラン王子が、一番に反応してくれた。

「ランディ王子だけど、ユーリに魔力について、教えてもらったらどうでしょうか?」

「は?! 何、言ってんの、アデル?」
と、言ったのは、もちろんユーリ。

だけど、ここは無視。
自分の保身よりも、みなさんのため、話をすすめなくてはね。

「ランディ王子は、目に見える魔力にこだわってるけれど、その魔力を今から努力で持つことは不可能なんですよね? そして、目に見えない魔力は、量は多くはないけど、持ってるとのこと。ならば、その魔力を自分にあった方法で、自信をもって使えるようになれば、満足すると思うんです。ここで、ユーリの登場です!」
と、私は手をひらひらさせながら、ユーリを示す。

ちなみに、怖いので、ユーリの顔は一切見てない…。

「うん? どういうことかな?」
王太子様が首をひねっている。

「ユーリはこう見えて、膨大な魔力があります」
と、私が言うと、

「見たまんまですが…」
ジリムさんが、つぶやいたが、ここも無視。

「もちろん、ユーリの魔力は、ブルージュ国王家の魔力ではないので、目に見えません。そこで、ユーリには、目に見えない魔力の圧倒的な威力を、ランディ王子に見せつけてもらって、ランディ王子の目に見える魔力への長年の憧れを、粉々にぶち壊すんです!」
そう言うと、私は力いっぱい、こぶしをふりあげた。

シーン。

静まり返ってますね…。
ええと、だれか、何か言って? 
この振り上げたこぶし、とっても恥ずかしいんだけど?

が、私はめげない。
振り上げたこぶしをそっとおろして、話を続けることにした。

「ここまでが、第一段階。そして、憧れを打ち砕いた張本人であるユーリの言うことなら、ランディ王子も素直に聞くのではないかしら? 他国の知らない人間というもの、いいかもしれないし。魔王なみに魔力のあるユーリに指導してもらって、ランディ王子の適正にあった魔力の使い方を身につけてもらうんです!」

すぐさま、ジリムさんが言った。
「いいんじゃないでしょうか? 今のところ、他に、なんの打開策もありませんし。次期公爵様さえよければ、お願いいたします」
と、実の兄弟をとびこえて、さくっと答えた。

「どうでもいいから、なんとかしてくれ」と、心の声が後に続きそうなくちぶりね。

王太子様は、
「しかし、お客人に、そこまで面倒をかけるのは、さすがに申し訳ないし…」
と、ユーリに遠慮している様子だ。

「ぼくが、また、説得してみるよ」
と、デュラン王子が言った。

が、次の瞬間、
「そう言い続けて、もう3年だぞ! ランディ王子は、デューに意地になってるから、聞きゃしないだろ。遠慮してる場合か? 使えるものは、何でも使え!」
と、後半は本性まるだしで、ジリムさんが、デュラン王子に迫っている。

ほら、もう、ユーリしかいない!
私は、隣のユーリをきりっと見上げる。お願いモードだ!

すると、ユーリは、
「ねえ、アデル。ぼくに何のメリットもない、ただただ面倒そうなことを、丸投げするの? しかも、ぼくって魔王なの?」
と、耳元で、ささやいてきた。

あ、しまった! 
常日頃から、心で呼び慣れている「魔王」が、つい口にでてしまってたのね。

が、ここは、
「いえ、魔王なみに魔力があるって言っただけで、ユーリが魔王だなんて、みじんも思ってないわよ?」
と、とりつくろってみる。

すると、ユーリは、
「ふーん? まあ、魔王だって思われてても、いいんだけどね?」
そう言って、私に微笑みかけてきた。

え、いいの? というより、やっぱり、自覚があるのね…。

ここで王太子様が言った。
「ロンバルト殿。あなたの魔力が並外れておられることは、魔力の少ない私でも感じられる。お客人にこんなことを頼むのは、失礼だとは思うが、一度、あいつの魔力を見て、なんでもいいから、気づいたことをアドバイスしてもらえないだろうか?」

「ぼくからも、頼みます」
と、デュラン王子も言った。

「お願い、ユーリ。私も手伝うから!」
私も一緒にお願いする。

「わかりました。教えたことはないから、どうなるかわかりませんが、やってみますよ」
王太子様にそう言うと、私に顔をむけ、ささやいた。

「アデル。上手くいったら、ごほうびちょうだいね」
と、妖し気に微笑むユーリ。

思わず、ぞわっとした。

ええと、頼んではいけない人に頼んだのかな、私…。
魔王と取引したら、いけなかったんじゃないのかしら?
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