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なんなの、この人たち
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「三人とも仲良くなったんだね」
のんきなセリフとともに、王太子のルイ兄様がやってきた。
どこをどう見たら、仲良さそうなんですか?
が、まあ、良かった。ほんと、助かりました。
ルイ兄様の、のほほんとした全身に、後光がさして見えるわ。
二人に見とれていた女性陣たちも、王太子の登場にさっと距離をとる。
ルイ兄様は、いつも同様、にこにこしている。
この空気で、よく笑えるね?
常日頃から鈍感…、いや、おおらかだなとは思っていたけど。
今回ばかりは、うらやましい!
その鈍感さ、私にください。
「あ、そうだ。近々、ブルージュ国にアデルを行かせようかな。ほら、カレナもアデルの年には外国へ行きはじめたしね」
ルイ兄様のいきなりの発言に、場の空気がとまった。
「えっと、なに? 急に?」
話の脈絡がなさすぎて、頭がついていかない。
でも、隣から、すごい冷気が流れてくるので、肌が痛い…。
ほら、ユーリを見て! ルイ兄様、殺されるよ!
反対に、デュラン王子は満面の笑みを浮かべていた。
「それは、大歓迎ですよ。アデル王女が滞在中は、つきっきりでご案内しますので、ご安心ください」
「は? つきっきり?」
舌打ちが聞こえた。柄が悪いですよ。ユーリさん…。
「縁もゆかりもない、これからも、あるはずもない、ブルージュ国へ行く必要はないでしょ。もし、どうしてもというなら、カレナ様の嫁がれたシンガロ国へ行ったらいいじゃないですか?」
あなたバカですか、というのが末尾に聞こえたような気がする。
が、ルイ兄様は、あいかわらずにこにこしたまま、のんびりと、
「えっと、ユーリは反対なんだね。あれ、どうしたの? …もしかして、おこってる?」
と、ユーリの顔をのぞきこんだ。
ひゃー、やめて! なんて、怖いもの知らずな!
ライオンに顔をよせてるみたいなもんですけど。
かみつかれるよ!
どうしよう、ルイ兄様の命の危機がせまってます。
なのに、ルイ兄様はのんびりと、魔王にむかって話し続けた。
「でもね、ユーリ。アデルも第二王女として、外の国のことも学ばないとね。だったら、ブルージュ国がちょうどいいと思うんだ。今回、交渉もまとまって、アデルが行くことで、更に国同士も親交が深まったらいいなって」
いいなって、…じゃないよ、ルイ兄様!
魔王まるだし状態のユーリに、よくそんなセリフが言えたね。
うん、やっぱり、鈍感、最強だわ。
「国同士の親交なら、自分が行けば?」
ユーリさんも…。それ、仮にも上司である王太子への言葉ではないよ?
が、ルイ兄様は、そんな態度に慣れているから、のほほんとしたまんまだ。
「もちろん、ぼくも正式に訪問するつもりだよ。でも、勉強をかねて、先にアデルに気軽に行ってもらおうかなと思ってね。いい考えでしょ?」
ユーリは、凍えるような冷たい声で言った。
「どこが? やめてよね、思いつきで言うの。アデルは、俺の婚約者だ」
でました! ユーリの俺! 本気でおこってるよ。
ルイ兄様、ほんとに消されるよ…。
「心がせまいと嫌われますよ」
と、ここで口をはさんだのが、デュラン王子。
今、それ言う? なら、黙っててほしかった…。
ほんと、なんなの、この人たち。
魔王×魔王×鈍感。
最悪の組み合わせね…。
のんきなセリフとともに、王太子のルイ兄様がやってきた。
どこをどう見たら、仲良さそうなんですか?
が、まあ、良かった。ほんと、助かりました。
ルイ兄様の、のほほんとした全身に、後光がさして見えるわ。
二人に見とれていた女性陣たちも、王太子の登場にさっと距離をとる。
ルイ兄様は、いつも同様、にこにこしている。
この空気で、よく笑えるね?
常日頃から鈍感…、いや、おおらかだなとは思っていたけど。
今回ばかりは、うらやましい!
その鈍感さ、私にください。
「あ、そうだ。近々、ブルージュ国にアデルを行かせようかな。ほら、カレナもアデルの年には外国へ行きはじめたしね」
ルイ兄様のいきなりの発言に、場の空気がとまった。
「えっと、なに? 急に?」
話の脈絡がなさすぎて、頭がついていかない。
でも、隣から、すごい冷気が流れてくるので、肌が痛い…。
ほら、ユーリを見て! ルイ兄様、殺されるよ!
反対に、デュラン王子は満面の笑みを浮かべていた。
「それは、大歓迎ですよ。アデル王女が滞在中は、つきっきりでご案内しますので、ご安心ください」
「は? つきっきり?」
舌打ちが聞こえた。柄が悪いですよ。ユーリさん…。
「縁もゆかりもない、これからも、あるはずもない、ブルージュ国へ行く必要はないでしょ。もし、どうしてもというなら、カレナ様の嫁がれたシンガロ国へ行ったらいいじゃないですか?」
あなたバカですか、というのが末尾に聞こえたような気がする。
が、ルイ兄様は、あいかわらずにこにこしたまま、のんびりと、
「えっと、ユーリは反対なんだね。あれ、どうしたの? …もしかして、おこってる?」
と、ユーリの顔をのぞきこんだ。
ひゃー、やめて! なんて、怖いもの知らずな!
ライオンに顔をよせてるみたいなもんですけど。
かみつかれるよ!
どうしよう、ルイ兄様の命の危機がせまってます。
なのに、ルイ兄様はのんびりと、魔王にむかって話し続けた。
「でもね、ユーリ。アデルも第二王女として、外の国のことも学ばないとね。だったら、ブルージュ国がちょうどいいと思うんだ。今回、交渉もまとまって、アデルが行くことで、更に国同士も親交が深まったらいいなって」
いいなって、…じゃないよ、ルイ兄様!
魔王まるだし状態のユーリに、よくそんなセリフが言えたね。
うん、やっぱり、鈍感、最強だわ。
「国同士の親交なら、自分が行けば?」
ユーリさんも…。それ、仮にも上司である王太子への言葉ではないよ?
が、ルイ兄様は、そんな態度に慣れているから、のほほんとしたまんまだ。
「もちろん、ぼくも正式に訪問するつもりだよ。でも、勉強をかねて、先にアデルに気軽に行ってもらおうかなと思ってね。いい考えでしょ?」
ユーリは、凍えるような冷たい声で言った。
「どこが? やめてよね、思いつきで言うの。アデルは、俺の婚約者だ」
でました! ユーリの俺! 本気でおこってるよ。
ルイ兄様、ほんとに消されるよ…。
「心がせまいと嫌われますよ」
と、ここで口をはさんだのが、デュラン王子。
今、それ言う? なら、黙っててほしかった…。
ほんと、なんなの、この人たち。
魔王×魔王×鈍感。
最悪の組み合わせね…。
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