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これから (本編 完結)
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お父様の発言に毒気をぬかれたように黙ってしまったミルトン侯爵夫人。
「婚約解消なんてしない! 僕は絶対キャロリーヌと結婚する!」
と、幼い子どものように叫んでいたアルゴ様をひっぱるようにして帰っていった。
結局、お父様がアルゴ様のお父様、ミルトン侯爵様と話をして、婚約は解消された。
ミルトン侯爵様は、アルゴ様に責任をとらせ、その女性と結婚させるとおっしゃっていたそう。
そうなると、アルゴ様は侯爵家をでて平民となるみたい。
ミルトン侯爵様は、私に謝罪し、慰謝料を払いたいと言われたそうだけれど、お父様に断ってもらった。
どう考えても、私も悪かったから……。
シャルルと再会するまで全てをあきらめていた私だから、私にひけめを感じていたというアルゴ様の葛藤に気づけなかった。アルゴ様の気持ちに向き合っていなかったってことだ。
ともかく、お父様のおかげで、婚約が解消できた私。
私はそのことへのお礼をお父様に言い、シャルルと一緒にアサラ国に行くから、子爵家はつげないと両親に謝った。
ずっと泣いているお母様の隣で、お父様は静かにうなずくと、自分のことを話し始めた。
貧しい子爵家をついだお父様はがむしゃらに働いた。
幸運にも事業はうまくいき始めたが、それを、よく思わない貴族たちがいた。
特に同級生だった高位貴族の子息からの嫌がらせがひどく、あることないこと噂をひろめられた。
なかでも、学園時代の恋人が愛人だという噂が社交界に一気に広まった。
ちょうどそのころ、私を生んだばかりのお母様がその噂を聞き、信じこんでしまったそう。
事実ではないと説明したが信じてもらえず、余裕のなかったお父様はそれ以上説明することをあきらめた。
当然、お母様との関係もうまくいかなくなり、逃げるように、お父様は一層仕事に力をいれた。
屋敷に帰らない日は、ずっと仕事部屋に寝泊まりしていたとお父様は語った。
「私も幼いころから、この屋敷内のメイドたちの噂で、お父様が別邸の愛人のところにいるとずっと信じていました」
思わず口をついて出た私の言葉に、お父様は苦しそうに顔をしかめた。
「屋敷の中でも、そんなことを聞いていたんだな……。キャロリーヌ、幼いおまえを傷つけてしまい、本当に申し訳なかった……。私は仕事に逃げ、母と娘で仲良くやっているのだろうと勝手に思いこんでいた。だが、2年前、婚約の話をした時に、はじめて、キャロリーヌの私たちへの気持ちを知り、愕然とした。なんとかしなければ、と思い、屋敷にいる時間をふやしたが、ずっと仕事しかしてこなかった私はキャロリーヌに話しかけられなかった。はたから見るおまえは、はりつめていたように見えたからだ。その原因は親である私が家族を省みなかったせいだ。そんな私が不用意な言葉をかけてしまったら、キャロリーヌが一気に壊れてしまいそうに思えて怖かったんだ……。本当に情けない父親ですまない……。キャロリーヌ、この子爵家のことは気にせず、自由に生きなさい。ただ、困ったときは頼って欲しい。放っておいたくせに、今更、父親面をしてと思うだろうが、どこにいても、キャロリーヌは私の大事な娘だ。幸せを願っている」
いままで知らなかったお父様の気持ちを聞き、頭も心も混乱してしまう。
「……ありがとうございます、お父様」
とだけ、なんとかしぼりだした。
お母様は、私に向かって、「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、キャロリーヌ」と、泣きながら謝ってきた。
でも、どう答えていいかわからない。
許すもなにも、そもそも怒ってもいないから。
お母様に対する感情がでてこない。
返答に悩む私。
隣で寄り添ってくれていたシャルルが優しくささやいてきた。
「キャロ、無理に言葉を返さなくていい。キャロはこれから、自分のことだけを考えて生きればいいんだからね」
こうして、私はシャルルと一緒にルバーチ子爵家をでていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アサラ国にきて、一か月がたった。
シャルルが自分で購入したという小さなお屋敷は、王都から離れた静かな町にあった。
そこで、獣化した耳を隠すどころか、だしっぱなしでにぎやかに過ごしているシャルル。
やっぱり、そんなことで人目を気にするような人じゃないものね。
シャルルのご家族や、仲のいいお友達にも紹介された。
みんな優しい人たちで、あたたかく迎えられて、ほっとした私。
ただ、なぜか、みんな口々に、「キャロリーヌちゃん、シャルルに好かれて大変ね」と、同情された目で見られるのがよくわからないのだけど……。
そして、私は、シャルルの叔母様のリリカさんがはじめた小さな図書館を手伝いはじめた。
貴族、平民関係なく利用できる、こじんまりとした図書館は、毎日、いろんな人がやってきて、とってもにぎやか。
リリカさんの穏やかな人柄が反映された居心地がいい場所で、沢山の本に囲まれるなんて、楽しくてしょうがない。
幸い、私の生まれた国と、アサラ国は言語が同じだから、自分の持ってきたお気に入りの本も図書館に並べさせてもらった。
リリカさんと一緒に集まった本をしわけたり、遊びに来た子どもたちに読み聞かせしてみたりと、毎日、忙しく過ごしている。
生まれて初めて感じる充実感。
そんなある日、シャルルの耳が突然、普通に戻った。
安心するのと同時に、ほんの少しだけ、モフモフの耳が見られないことがなんだか寂しく思えたり……。
そんな、楽しくて、わいわいした日々をすごしているうちに、気がつけば半年がたっていた。
ある日、図書館のお手伝いから帰った私に、大きな花束がさしだされた。
私の目の前にひざまずいたシャルル。
「キャロリーヌ、僕と結婚してください!」
一気に体の中が熱くなり、涙がこぼれた。
「えっ!? キャロ? どうしたの? あ、このプロポーズ、キャロにもらったあの絵本の王子を参考にして、古典的な感じにしてみたんだけど、嫌だった……!?」
あわてふためくシャルルをみて、思わず、笑みがこぼれた。
「すごくうれしくて……。私に、こんな幸せな日がくるとは思ったこともなかったから……」
「何、言ってるの、キャロ! これからだよ、幸せになるのは! 一緒に幸せになろうね、キャロ」
私は、シャルルの海のような瞳を見つめて言った。
「ありがとう、シャルル……。私を見つけてくれて、私を救ってくれて、私を愛してくれて、本当にありがとう……。シャルル。私とずっと一緒にいてください」
泣き笑いの顔で言った瞬間、シャルルに優しくだきしめられた。
あたたかさに包まれながら、私は心の底から思った。
生まれてきてよかった、って……。
だって、シャルルと出会えたから。
これから、私はシャルルと一緒に生きていく。
そう、私の人生は始まったばかりだ。
(了)
※ これにて、キャロリーヌ視点の本編は完結です。
読んでくださったかた、いいねをくださったかた、本当にありがとうございました!
今後、シャルル視点のお話を書く予定です。当初、シャルル視点は1話で終るような短い話を書いていましたが、妄想がひろがりすぎたため、もう少し長く書き直すことにしました。
ただ、キャロリーヌが知らないシャルルの真実は腹黒要素を多分に含んでいて、キャロリーヌ視点の本編とは感じが違ってきますので、番外編として、改めて、更新したいと考えています。
もし、よろしかったら、そちらもよろしくお願いします。
「婚約解消なんてしない! 僕は絶対キャロリーヌと結婚する!」
と、幼い子どものように叫んでいたアルゴ様をひっぱるようにして帰っていった。
結局、お父様がアルゴ様のお父様、ミルトン侯爵様と話をして、婚約は解消された。
ミルトン侯爵様は、アルゴ様に責任をとらせ、その女性と結婚させるとおっしゃっていたそう。
そうなると、アルゴ様は侯爵家をでて平民となるみたい。
ミルトン侯爵様は、私に謝罪し、慰謝料を払いたいと言われたそうだけれど、お父様に断ってもらった。
どう考えても、私も悪かったから……。
シャルルと再会するまで全てをあきらめていた私だから、私にひけめを感じていたというアルゴ様の葛藤に気づけなかった。アルゴ様の気持ちに向き合っていなかったってことだ。
ともかく、お父様のおかげで、婚約が解消できた私。
私はそのことへのお礼をお父様に言い、シャルルと一緒にアサラ国に行くから、子爵家はつげないと両親に謝った。
ずっと泣いているお母様の隣で、お父様は静かにうなずくと、自分のことを話し始めた。
貧しい子爵家をついだお父様はがむしゃらに働いた。
幸運にも事業はうまくいき始めたが、それを、よく思わない貴族たちがいた。
特に同級生だった高位貴族の子息からの嫌がらせがひどく、あることないこと噂をひろめられた。
なかでも、学園時代の恋人が愛人だという噂が社交界に一気に広まった。
ちょうどそのころ、私を生んだばかりのお母様がその噂を聞き、信じこんでしまったそう。
事実ではないと説明したが信じてもらえず、余裕のなかったお父様はそれ以上説明することをあきらめた。
当然、お母様との関係もうまくいかなくなり、逃げるように、お父様は一層仕事に力をいれた。
屋敷に帰らない日は、ずっと仕事部屋に寝泊まりしていたとお父様は語った。
「私も幼いころから、この屋敷内のメイドたちの噂で、お父様が別邸の愛人のところにいるとずっと信じていました」
思わず口をついて出た私の言葉に、お父様は苦しそうに顔をしかめた。
「屋敷の中でも、そんなことを聞いていたんだな……。キャロリーヌ、幼いおまえを傷つけてしまい、本当に申し訳なかった……。私は仕事に逃げ、母と娘で仲良くやっているのだろうと勝手に思いこんでいた。だが、2年前、婚約の話をした時に、はじめて、キャロリーヌの私たちへの気持ちを知り、愕然とした。なんとかしなければ、と思い、屋敷にいる時間をふやしたが、ずっと仕事しかしてこなかった私はキャロリーヌに話しかけられなかった。はたから見るおまえは、はりつめていたように見えたからだ。その原因は親である私が家族を省みなかったせいだ。そんな私が不用意な言葉をかけてしまったら、キャロリーヌが一気に壊れてしまいそうに思えて怖かったんだ……。本当に情けない父親ですまない……。キャロリーヌ、この子爵家のことは気にせず、自由に生きなさい。ただ、困ったときは頼って欲しい。放っておいたくせに、今更、父親面をしてと思うだろうが、どこにいても、キャロリーヌは私の大事な娘だ。幸せを願っている」
いままで知らなかったお父様の気持ちを聞き、頭も心も混乱してしまう。
「……ありがとうございます、お父様」
とだけ、なんとかしぼりだした。
お母様は、私に向かって、「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、キャロリーヌ」と、泣きながら謝ってきた。
でも、どう答えていいかわからない。
許すもなにも、そもそも怒ってもいないから。
お母様に対する感情がでてこない。
返答に悩む私。
隣で寄り添ってくれていたシャルルが優しくささやいてきた。
「キャロ、無理に言葉を返さなくていい。キャロはこれから、自分のことだけを考えて生きればいいんだからね」
こうして、私はシャルルと一緒にルバーチ子爵家をでていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アサラ国にきて、一か月がたった。
シャルルが自分で購入したという小さなお屋敷は、王都から離れた静かな町にあった。
そこで、獣化した耳を隠すどころか、だしっぱなしでにぎやかに過ごしているシャルル。
やっぱり、そんなことで人目を気にするような人じゃないものね。
シャルルのご家族や、仲のいいお友達にも紹介された。
みんな優しい人たちで、あたたかく迎えられて、ほっとした私。
ただ、なぜか、みんな口々に、「キャロリーヌちゃん、シャルルに好かれて大変ね」と、同情された目で見られるのがよくわからないのだけど……。
そして、私は、シャルルの叔母様のリリカさんがはじめた小さな図書館を手伝いはじめた。
貴族、平民関係なく利用できる、こじんまりとした図書館は、毎日、いろんな人がやってきて、とってもにぎやか。
リリカさんの穏やかな人柄が反映された居心地がいい場所で、沢山の本に囲まれるなんて、楽しくてしょうがない。
幸い、私の生まれた国と、アサラ国は言語が同じだから、自分の持ってきたお気に入りの本も図書館に並べさせてもらった。
リリカさんと一緒に集まった本をしわけたり、遊びに来た子どもたちに読み聞かせしてみたりと、毎日、忙しく過ごしている。
生まれて初めて感じる充実感。
そんなある日、シャルルの耳が突然、普通に戻った。
安心するのと同時に、ほんの少しだけ、モフモフの耳が見られないことがなんだか寂しく思えたり……。
そんな、楽しくて、わいわいした日々をすごしているうちに、気がつけば半年がたっていた。
ある日、図書館のお手伝いから帰った私に、大きな花束がさしだされた。
私の目の前にひざまずいたシャルル。
「キャロリーヌ、僕と結婚してください!」
一気に体の中が熱くなり、涙がこぼれた。
「えっ!? キャロ? どうしたの? あ、このプロポーズ、キャロにもらったあの絵本の王子を参考にして、古典的な感じにしてみたんだけど、嫌だった……!?」
あわてふためくシャルルをみて、思わず、笑みがこぼれた。
「すごくうれしくて……。私に、こんな幸せな日がくるとは思ったこともなかったから……」
「何、言ってるの、キャロ! これからだよ、幸せになるのは! 一緒に幸せになろうね、キャロ」
私は、シャルルの海のような瞳を見つめて言った。
「ありがとう、シャルル……。私を見つけてくれて、私を救ってくれて、私を愛してくれて、本当にありがとう……。シャルル。私とずっと一緒にいてください」
泣き笑いの顔で言った瞬間、シャルルに優しくだきしめられた。
あたたかさに包まれながら、私は心の底から思った。
生まれてきてよかった、って……。
だって、シャルルと出会えたから。
これから、私はシャルルと一緒に生きていく。
そう、私の人生は始まったばかりだ。
(了)
※ これにて、キャロリーヌ視点の本編は完結です。
読んでくださったかた、いいねをくださったかた、本当にありがとうございました!
今後、シャルル視点のお話を書く予定です。当初、シャルル視点は1話で終るような短い話を書いていましたが、妄想がひろがりすぎたため、もう少し長く書き直すことにしました。
ただ、キャロリーヌが知らないシャルルの真実は腹黒要素を多分に含んでいて、キャロリーヌ視点の本編とは感じが違ってきますので、番外編として、改めて、更新したいと考えています。
もし、よろしかったら、そちらもよろしくお願いします。
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