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プロローグ
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「俺はミナリアとは結婚できません! 今さっき、彼女に出会ったんです! 出会った瞬間、わかりました! 彼女は俺の番なんです! 俺は番と結婚します!」
そう叫んで、メイド服を着た女の人をだきよせたのは、今日の結婚式の主役のひとり、この国の第二王子。
招待客が一瞬静まりかえったあと、ドンッと音がして、キャーッという悲鳴があがった。
ウエディングドレスをきたミナリアねえさまが倒れている。
一気にまわりが大騒ぎになる。
「ミナリアねえさま!!」
思わず、私は大声で叫んだ。
でも、ミナリアねえさまは起きない。
「おまえは何を言っている! 結婚式当日だぞ!」
王様が、第二王子にむかって怒鳴る声が、教会中にびりびりとひびいた。
「でも、俺は番に出会ったんです! しょうがないでしょう!? 彼女が俺の番なんですから!」
と、女の人を抱きしめるようにして狂ったように叫ぶ、この国の第ニ王子。
幼い私でも、あの王子が、ミナリアねえさまを倒れるほど苦しめたことはわかる。
(許せない!)
とっさに、自分の小さな体を見下ろした。
今日のためにと新しく作ってもらった、リボンがついたピンク色のふわふわのドレス。
そして、おそろいのピンク色の小さなくつ。
私は、とっさにくつをぬいだ。
武器はこれしかない!
ここからだと、少し離れているけれど、きっと大丈夫。
私があの王子をやっつけてやる!
私は手をふりあげて狙いをさだめた。
そして、バカ王子めがけて、ピンク色のくつを放り投げようとしたその瞬間、目がさめた。
※ 連日の猛暑にバテバテで、リアルはバタバタで、現実逃避したくて、ゆるっとしたお話を書いてみました。
30話くらいで終わる予定の短めのお話になります。
いつもながら、ご都合主義ですが、お気楽に読んでくださったら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
そう叫んで、メイド服を着た女の人をだきよせたのは、今日の結婚式の主役のひとり、この国の第二王子。
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そして、バカ王子めがけて、ピンク色のくつを放り投げようとしたその瞬間、目がさめた。
※ 連日の猛暑にバテバテで、リアルはバタバタで、現実逃避したくて、ゆるっとしたお話を書いてみました。
30話くらいで終わる予定の短めのお話になります。
いつもながら、ご都合主義ですが、お気楽に読んでくださったら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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