何も持たない私たち

ぽんちゃん

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両親を捨てれば…

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「そうだ!アン。今日の残り物は豪華だぞ~、なんたって今はクリスマスシーズンだからな!」
そう言って大きな包み紙を開いて見せてくれた。
中にはおいしそうな七面鳥の切れ端や、サラダ、パスタにピザ。まるで宝箱のようなご馳走をおじさんはくれた。

「こんなに沢山…ありがとう!!」

「それからまだあるぜー?」

PJおじさんは口でスネアドラムの真似をしながら「じゃーん!!」とふかふかのダウンジャケットをくれた。

「どうしたの!これ!?」

「お前さん、この間ここのホテルのお客さんの荷物がなくなったのを探してくれただろう?そのときの貴婦人がお嬢さんにこれをって置いていったんだよ。」

良かったな、とPJおじさんは私の頭を撫でてくれた。

「嬉しい、こんなに嬉しい事って今まであったかしら。」

「人間、真面目に生きていればいつかは報われるときがくるもんさ。そうだよな、ジャン?」

「…そうだといいね。」

ジャンは少し暗い声を出していたけれど、私は自分があまりにも幸せすぎて気にしてあげる事が出来なかった。
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