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発電して風起こす永久風力発電システムを開発 千葉電波大

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千葉電波大学が考案した永久風力発電の概念図





 千葉電波大学理学部は2日、永久にプロペラが回り続ける新しい風力発電システムを開発したと発表した。永久に電気を生み続けるだけでなく、既存の風力発電設備を流用して作れることから、導入コストを大幅に引き下げることができるという。

 新システムは2基の風力原動機を対面式に設置したもの(図参照)。原動機Aのプロペラが自然風で発電した電気を用いて、原動機Bのプロペラを逆回転させて風を発生させる。その風が再び原動機Aのプロペラを回すことで、発電を循環させる仕組みだ。プロペラを回転させるきっかけは自然風だが、以降は原動機Bが風を起こし続けるため、 無風状態でも発電は続く。

 これまでの風力発電と異なり、原動機を屋内に設置しているのが特徴。 回転効率を上げるためには、風向きを一定に調整したり、雨などの抵抗によるロスを無くしたり必要があるという。また、日本で風力発電が普及しない理由の1つとして挙げられる台風被害を防ぐこともできる。

 極めて単純な仕組みにもかかわらずこれまで実現しなかった理由について、研究を主導した理学部の奇異愛教授は「研究者の多くが未来のエネルギーは太陽光か原子力しかないと思い込んで、誰も風力に目をつけなかったからではないか」と説明する。

 同大農学部が千葉県銚子市に所有するアンエシカルファームで行われた非公開の試験運転では、稼働した直後は自然風で発生した電気によって穏やかに発電が行われたが、その後発電で生まれた風が加わって雪だるま式に発電量が急上昇。「暴走状態」に陥ったため、実験開始13分で原動機の軸部分に内蔵した爆破弁で強制停止しなければならないほどだったという。

 「世界的にEV(電気自動車)シフトが加速する中で課題となる電力不足の問題も、日本発の技術で解決できる」と、奇異教授は自信を見せる。電気自動車開発分野で米国や中国の後塵を拝している日本だが、今回の発見はその動力となる発電分野では世界をリードする追い風となりそうだ。
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