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SportsHitman①
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「はい、そこゲッツー!」
俺の元にボールが転がってくる。打ったアイツが雑魚で助かる。
俺は冷静に球をすくい上げて二塁に送球する。一塁ランナーは、もう諦めていて二塁に出ようとはしない。しかし、ゴロを打ったあの雑魚だけが懸命に走っていた。
セカンドがボールをキャッチ。すぐ様一塁に投げ、判定はアウト。
俺は内心ガッツポーズをかましていたが表には出さない。いつでもクールに、孤立していて恥を晒さない。パーフェクトヒューマンに。そう思っている。
ふと目にした。アイツが泣いている。あんなヘナチョコボールを打って俺に取られて泣いている。
ヘタレが。ざまあみやがれ。
俺は内心で二度目のガッツポーズをしながらベンチへ戻る。
「ジュラ君。水、いる?」
唐突に薔薇の風が吹く。マネージャーのダスター・ヘザーさんだ。可愛い、と言うより美しい。まるで素人は寄せ付けない薔薇のような子だ。
漏れそうになるニヤけを抑えながら俺は水を受け取り、礼を言った。
俺が座っているとアイツを慰め終えたチームメイトが俺に絡んでくる。
「やっぱここのエースはあんただなハクア!華麗なゲッツーだったぜ!!」
「お前打撃も行けるしこれで大会優秀成績間違いなしだな!」
「俺もお前に追いつきてぇよ……!」
全員が口々に言ってくる。それをヘザーさんは笑顔で見つめている。俺は満を持して答えた。
「ああ、任せとけ。俺が一番だ。」
言い切って空でも見上げてみる。いや、ここは空を仰ぐ、空に仰がれるとでも言おうか。
しかし、リアクションがない。しーんとしている。
ん?
違和感を覚えた。
これは芸人で言う「スベった」のでは無いか?でも、俺は別にウケ狙いで言った訳では無い。真剣に、そしてカッコよく言っただけだ。予定なら今はヘザーさんから「キャー、付き合ってー」みたいな華物語が待ち受けているはずなのに………
俺はバッと前を向く。
チームメイト全員と目が合う。ヘザーさんはもう居なかった。
「お前、褒めてれば何調子乗ってんの?普段クラスではそんなキャラじゃないじゃん。いじめられっ子じゃん。常に誰かに殴られてんじゃん。野球部の中ではヒーローになりたい的な?ここはそんな『ヒーロー疑似体験会』じゃないんだけど?」
言ってきたのはアイツだ。ゴロを打ったアイツ。下手くそなアイツ。俺に負けたアイツ。俺を普段殴ってくるアイツ。喧嘩に強いアイツ。
そうだ。舞い上がっていたのは俺だ。何してんだ俺。
アイツは俺の首を容赦なく掴む。握りつぶすように手に力を加える。
「お前の、レートは、いくつだ?ああ?」
「………Z94………」
「ハハハ!聞いたか?Zだってよ!ぜっと!べべじゃねぇか!いじめられっ子ってのはな!ずっと潰されてりゃ良いんだよ!強い者が弱い者を支配し、全てをぶっ壊す!死ねばいい!キャメロットのようにな!」
さらに俺の首に力を入れる。体が徐々に衰弱していくのが分かる。口答えなんてしてられない。もう動けもしない。あっ……
プールに一日中浸かった後に入る風呂のような、そんな快感が全身を走る。
誰かから聞いたことがある。死ぬ前は気持ち良くなると………
俺…死んだな………
ほんのりと薔薇の匂いがする。前を華の風が通過していった。
目を覚ますと俺は保健室にいた。
薔薇の香りはまだしている。ゆっくりと隣を見るとヘザーさんが先生用の白衣を毛布替わりにしながら眠っていた。
男は怖いと自分では思う。
鍛えさえすれば体の部位全てが人を傷つける凶器になりうるのだから。
こんな時にすることでは無い。そう分かっている。今の状況において知らなきゃ行けないことはいくらでもある。ただ、もうどうでも良くなった。
睾丸が、張り裂けそうだ。
チャンスはここしかないのだ。
俺はベッドから飛び起きると彼女に襲いかかった。まるで百獣の王のように。
毛布替わりの白衣を勢いよく剥がしそのまま手を離して投げる。
制服のボタンをどんどん外していく。一個、二個、三個……
ちょうど五個目を外した時彼女が目を覚ました。ゆったりとではなく、緊急事態を察したかのような、そんな感じだった。
「ジュ、ジュラ君!?なにやってんの?ねぇ?何やって……………」
その五月蝿い口を俺の口で制した。
意識はその時にはほとんどない。
そのまま脱がす。脱がす。脱がす。
彼女はそれっきり、諦めたように抵抗もしない。
俺だけが攻める時間だ。
俺も脱ぐ。脱ぐ。脱ぐ。
(後、自主規制。by作者)
俺は一息ついた。結局俺らは最後まで終えてしまった。肉塊を擦り合わせた。まるで獣だ。それから………
(後、自主規制。by作者)
彼女は言った。
「ありがと。」
俺の元にボールが転がってくる。打ったアイツが雑魚で助かる。
俺は冷静に球をすくい上げて二塁に送球する。一塁ランナーは、もう諦めていて二塁に出ようとはしない。しかし、ゴロを打ったあの雑魚だけが懸命に走っていた。
セカンドがボールをキャッチ。すぐ様一塁に投げ、判定はアウト。
俺は内心ガッツポーズをかましていたが表には出さない。いつでもクールに、孤立していて恥を晒さない。パーフェクトヒューマンに。そう思っている。
ふと目にした。アイツが泣いている。あんなヘナチョコボールを打って俺に取られて泣いている。
ヘタレが。ざまあみやがれ。
俺は内心で二度目のガッツポーズをしながらベンチへ戻る。
「ジュラ君。水、いる?」
唐突に薔薇の風が吹く。マネージャーのダスター・ヘザーさんだ。可愛い、と言うより美しい。まるで素人は寄せ付けない薔薇のような子だ。
漏れそうになるニヤけを抑えながら俺は水を受け取り、礼を言った。
俺が座っているとアイツを慰め終えたチームメイトが俺に絡んでくる。
「やっぱここのエースはあんただなハクア!華麗なゲッツーだったぜ!!」
「お前打撃も行けるしこれで大会優秀成績間違いなしだな!」
「俺もお前に追いつきてぇよ……!」
全員が口々に言ってくる。それをヘザーさんは笑顔で見つめている。俺は満を持して答えた。
「ああ、任せとけ。俺が一番だ。」
言い切って空でも見上げてみる。いや、ここは空を仰ぐ、空に仰がれるとでも言おうか。
しかし、リアクションがない。しーんとしている。
ん?
違和感を覚えた。
これは芸人で言う「スベった」のでは無いか?でも、俺は別にウケ狙いで言った訳では無い。真剣に、そしてカッコよく言っただけだ。予定なら今はヘザーさんから「キャー、付き合ってー」みたいな華物語が待ち受けているはずなのに………
俺はバッと前を向く。
チームメイト全員と目が合う。ヘザーさんはもう居なかった。
「お前、褒めてれば何調子乗ってんの?普段クラスではそんなキャラじゃないじゃん。いじめられっ子じゃん。常に誰かに殴られてんじゃん。野球部の中ではヒーローになりたい的な?ここはそんな『ヒーロー疑似体験会』じゃないんだけど?」
言ってきたのはアイツだ。ゴロを打ったアイツ。下手くそなアイツ。俺に負けたアイツ。俺を普段殴ってくるアイツ。喧嘩に強いアイツ。
そうだ。舞い上がっていたのは俺だ。何してんだ俺。
アイツは俺の首を容赦なく掴む。握りつぶすように手に力を加える。
「お前の、レートは、いくつだ?ああ?」
「………Z94………」
「ハハハ!聞いたか?Zだってよ!ぜっと!べべじゃねぇか!いじめられっ子ってのはな!ずっと潰されてりゃ良いんだよ!強い者が弱い者を支配し、全てをぶっ壊す!死ねばいい!キャメロットのようにな!」
さらに俺の首に力を入れる。体が徐々に衰弱していくのが分かる。口答えなんてしてられない。もう動けもしない。あっ……
プールに一日中浸かった後に入る風呂のような、そんな快感が全身を走る。
誰かから聞いたことがある。死ぬ前は気持ち良くなると………
俺…死んだな………
ほんのりと薔薇の匂いがする。前を華の風が通過していった。
目を覚ますと俺は保健室にいた。
薔薇の香りはまだしている。ゆっくりと隣を見るとヘザーさんが先生用の白衣を毛布替わりにしながら眠っていた。
男は怖いと自分では思う。
鍛えさえすれば体の部位全てが人を傷つける凶器になりうるのだから。
こんな時にすることでは無い。そう分かっている。今の状況において知らなきゃ行けないことはいくらでもある。ただ、もうどうでも良くなった。
睾丸が、張り裂けそうだ。
チャンスはここしかないのだ。
俺はベッドから飛び起きると彼女に襲いかかった。まるで百獣の王のように。
毛布替わりの白衣を勢いよく剥がしそのまま手を離して投げる。
制服のボタンをどんどん外していく。一個、二個、三個……
ちょうど五個目を外した時彼女が目を覚ました。ゆったりとではなく、緊急事態を察したかのような、そんな感じだった。
「ジュ、ジュラ君!?なにやってんの?ねぇ?何やって……………」
その五月蝿い口を俺の口で制した。
意識はその時にはほとんどない。
そのまま脱がす。脱がす。脱がす。
彼女はそれっきり、諦めたように抵抗もしない。
俺だけが攻める時間だ。
俺も脱ぐ。脱ぐ。脱ぐ。
(後、自主規制。by作者)
俺は一息ついた。結局俺らは最後まで終えてしまった。肉塊を擦り合わせた。まるで獣だ。それから………
(後、自主規制。by作者)
彼女は言った。
「ありがと。」
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