しろぶたとくろぶた

ぴぴみ

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すてきなもの

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しろぶたは白いことがじまんでした。

毎日はだをていねいにみがきあげます。

しんじゅのはだのようと、言われるのがなに

よりうれしかったのです。


くろぶたは黒いことがじまんでした。

白さは軟弱なんじゃくなあかし。

はずかしいことだと言われて育ちました。

かっこいいと言われるのがなによりうれし

かったのです。

二匹は会うたびにけんかしました。

自分がしんじるすてきなものを否定

されたくなかったから、時にはあいてを否定

するようなことも言ってしまいました。


「あなたのはだはみにくい色。わたしの方が

ずっときれい。」


いつしか二匹は話さなくなりました。


そんなある日のことです。

森をお散歩していると、一匹のこぶたが寝て

いるではありませんか。

ぐあいが悪いのかとあわてて二匹は家につれ

てかえりました。

そこできがつきました。

なんとこぶたはピンクの肌に黒いはんてんを

もっていたのです。

くろぶたは言いました。このぶたはしょうら

いきっとりっぱなくろぶたになる。

それを聞いてしろぶたは言いました。

いやいやこのぶたのピンクはいずれ白くなる

あかし。

黒いもようはそのうちきえるでしょう。

二匹はたいせつにこぶたを育てました。

くろぶたもしろぶたも自分のなかまだとお

もっていたのです。

こぶたはすくすくと大きくなっていきまし

た。

二匹に育てられたこぶたは、白いはだも黒い

はだもすてきだとおもってそだちました。

どちらにもそれぞれ良いところがあるからで

す。

じぶんのはだはどちらの色になるのだろう?

こぶたはわくわくしながらまちました。

しかしいくらまってもどちらの色にもなりま

せん。

ピンクの肌に黒いはんてんもようのままで

す。

こぶたは悲しみました。

それを見てくろぶたとしろぶたも悲しみまし

た。

こぶたにはしあわせそうに笑っていてほし

かったからです。

くろぶたは言いました。きみのピンクの肌は

うつくしい。つやつやとしていてなめらか

だ。まるでしんじゅのよう。

しろぶたは言いました。きみの黒いはんてん

はこせいだ。とてもかっこいい。

こぶたはよろこびました。二匹が心から言っ

てくれているのだとわかったからです。

それからというもの、二匹はけんかしなくな

りました。

三匹のぶたは今日もにこにこえがおです。





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