婚約破棄という業

ぴぴみ

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因果応報

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「お前とは、もう別れたい。一方的な婚約破棄にはなるが、どうか許してくれ」


ニール様がおっしゃった言葉に、それまで薔薇色だった私の頭の中は真っ白になった。


「ど、うしてですか?」


「君がどう、という訳ではないんだが…。
これ以上は言えないんだ…!ではな!」


そう言って去っていく彼を追いかけることは、とてもではないができなかった。


より惨めになるだけだし、明日から私が婚約破棄されたという噂が貴族の間中で広がるだろうに、そこに更なる恥の上塗りのような行いをして、もの笑いの種になるのだけは御免だった。


とぼとぼと、家までの道を迎えにきた侍女と共に戻ると優しい顔をした両親が待っていた。


その顔を見て堪えられなくなった。


「……っ…!」


涙が後から後から流れ出る。こんなに悲しいのは、胸が張り裂けそうに痛むのは、私が彼を愛していた証。


そう思うとますます自分が可哀想で仕方がなかった。


「どうしたんだ!?何があった?」

「大丈夫なの?」


二人に隠し事はできない。どうせすぐに分かることだ。私は、泣き腫らして赤くなった目を擦りながら言った。


「婚約、破棄されたの…。ごめんなさい。
お父様、お母様にもご迷惑を…」


「そんなことは気にしなくてもいいんだ…!」

「私のかわいい娘を泣かせるなんて…!
いくら向こうの方が地位が上だからって、あまりにも一方的すぎるわ…!」


両親が憤ってくれるだけで、救われた気持ちになる。私は幸せだ。今はまだ辛いけど、時が解決してくれるだろう…。

















**

「それで、理由は言ったの?」

「言えるわけないよ。君の母親が過去虐めて酷い目に遭わせた女が、実は…だったなんて…」


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