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第45話:最後の試験

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「うおおおお!」



僕はメイガスさんへ突っ込んだ!マーシャルアーツの動きに合わせて力を込める。本気のパンチに本気の蹴り、どれもこれも当たっているのに手応えがない!




(力いっぱいに攻めればと思ったけどダメだ!やっぱり全部いなされてしまう!)




「ふむ…なるほど」




ヒュッと脇をかすめる僕の腕をメイガスさんが触れた、と思ったら世界は一回転していた!




「うわぁ!」




どてん、と受け身も取れず地面に転がる。これは…





「もしかして…合気道?」




今の投げ技、僕の拳が体を吸い込むようにして自分から転がったみたいだった。体格差を物ともせず、必要最低限の力で相手の力とぶつからずに制す。話に聞く合気道と同じだ。





「アイキドウ?君の故郷ではそう呼ぶのかね」




メイガスさんは僕に手を差し伸べた。僕は手を掴み立ち上がる。



「ユウ君。君は基礎の体づくりがしっかりできているようだ。ただ技がまだまだ未熟だな、精進したまえ。それだけのポテンシャルがあれば伸び代は無限大、期待している。当然、合格だ」




合格の言葉に僕の顔はパァッと明るくなる。



「はい!ありがとうございました!!」





さて、とメイガスさんは残りの志願者たちに目を向けた。




「次に、私に挑むものは?」





(お…俺たち…この後にメイガスさんとやるのか!)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


(だいぶ少なくなったな…)




二次試験の合格者は僕の他に6人。あれだけいた志願者は二桁を切ってしまった。



三次試験は夕方から夜にかけて行うらしい。僕らは休憩と食事を兼ねてしばらく待機をしていた。



日も傾き空がオレンジに染まる頃、待機していたギルドにロアンさんとメイガスさんが現れる。




「待たせたね志願者のみんな。ようやく最後の試験だよ」



ロアンさんは僕らに一枚の紙を手渡した。それぞれ書かれている内容は違うみたいだ。



僕の紙には…


----------------
【討伐依頼】
グレートファンゴ一体の討伐
討伐の証:牙
報酬:2000G
ランク:E

ガルシティ郊外の森で荒ぶるグレートファンゴが村人を襲っている。速やかにこれを討伐すること。
----------------


みんなの目が用紙に集中するなか、メイガスさんから補足の説明が入る。


「それは実際の依頼用紙と同じ形式で書いた試験用の依頼用紙だ。諸君らにはこれからこの依頼を達成してもらう」 


「人を食さない魔物を選んでいるから大事はないと思うが、この試験はあえて夜の森の中で行う。充分に気をつけて遂行してほしい」



そうか、夕刻まで待たされたのは難易度が上がる夜に試験をするためだったのか。



「いざとなったらこいつを地面に叩きつけな。煙と閃光が上がる。俺がこれを目印に助けに行くからな」



ロアンさんはみんなに小さくて丸い丸薬みたいなものを二つ手渡した。



メイガスさんは必要なものが行き渡ったことを確認したところで最後の説明をした。

「期限は明日早朝、日が昇る前だ。本来の任務と同じくスタートはこのギルドからとする。各々移動して依頼にあたれ。と言っても場所は皆同じなのだがな」









「それでは三次試験を始める、健闘を祈る!」
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