あなたと、「またね。」って言えたら。

序章

　

　あなたには、生者の声が聞こえるだろうか。

　あなたには、死者の声が聞こえるだろうか。




　質問を変えよう。

　あなたには、後・悔・す・る・者・の声が聞こえるだろうか。

　あなたには、あ・な・た・の・為・に・生・き・た・者・の声が聞こえるだろうか。

　さすれば、感じただろうか。



　最後に。

　あなたのための死者に、この物語を捧げる。




　ある、ことわざがある。

「人との別れは人を強くする。」

　果たして、本当にそうだろうか？

　人は何かと出会うことで確かに成長している。では、別れはどうだろうか。

　強くなっているだろうか？

　私には、いつまでも続くしがらみにしか見えない。
　それも、重すぎるほどの。