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side 亮太
「…さ、もう帰らなあかんやろ。家の人待っとるんと違うか」「うちは父さんだけで、今日は仕事で」「…親御さんは知っとるやろ。幸久がオメガになってもうたこと」幸久が頷く。「相手は誰だ、って怒ってた」…せやろなぁ…詫びなあかんわ。土下座して詫びて、幸久を俺にくれと頼まなあかん。
「今度、会わせてくれんか。ちゃんと挨拶させてくれ」「…父さんに言ってくれますか?俺の番が先生だって、先生の番が俺だって」「幸久を俺にくれ、て言わせてくれや」幸久の頬が赤く染まる。それがあまりに可愛ええから、ここが教室だということを忘れそうになる。「俺、父さんに言ってもいい?担任の先生だったんだよ、って」俺は頷いて「休みの日の都合聞いといて」と頼んだ。
「学校でベタベタするわけにはいかんから」と連絡先を交換する。我慢できるやろか。もし学校で幸久がヒートを迎えたら抑えられる気がせえへん。発情なんかしとらん今でさえ必死に我慢しとるのに。「じゃまた明日…へへへ」「ん?」「あんなに会いたかった人に明日も会えるなんてウソみたいだ」俺の忍耐力が試されとるわ…。
「…さ、もう帰らなあかんやろ。家の人待っとるんと違うか」「うちは父さんだけで、今日は仕事で」「…親御さんは知っとるやろ。幸久がオメガになってもうたこと」幸久が頷く。「相手は誰だ、って怒ってた」…せやろなぁ…詫びなあかんわ。土下座して詫びて、幸久を俺にくれと頼まなあかん。
「今度、会わせてくれんか。ちゃんと挨拶させてくれ」「…父さんに言ってくれますか?俺の番が先生だって、先生の番が俺だって」「幸久を俺にくれ、て言わせてくれや」幸久の頬が赤く染まる。それがあまりに可愛ええから、ここが教室だということを忘れそうになる。「俺、父さんに言ってもいい?担任の先生だったんだよ、って」俺は頷いて「休みの日の都合聞いといて」と頼んだ。
「学校でベタベタするわけにはいかんから」と連絡先を交換する。我慢できるやろか。もし学校で幸久がヒートを迎えたら抑えられる気がせえへん。発情なんかしとらん今でさえ必死に我慢しとるのに。「じゃまた明日…へへへ」「ん?」「あんなに会いたかった人に明日も会えるなんてウソみたいだ」俺の忍耐力が試されとるわ…。
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